2019.04.01
戦略的な事業展開を目指す社長、あなたの会社の「ドメイン」は何ですか?
4月1日、新年度の始まりです。
事業戦略をもとに立案した新年度経営計画のスタートですね。
ところで、事業戦略・経営戦略の重要なパーツである「ドメイン」を知っていますか?
「ドメイン」とは事業領域とも呼ばれ、自分の会社の事業はいかにあるべきかを示す、いってみれば「ウチの会社の生存領域はココ!」といえるものです。
このドメインが「将来の事業展開における発案のベース」となるんです。
どういうことかというと…
例えば、お笑いの吉本興業。
吉本吉兵衛・せい夫婦が明治45年に、大阪にある一軒の寄席小屋を入手して、寄席の経営を始めたのが始まりです。
現在ではみなさんもご存知のとおり、吉本興業(株)を持株会社とした、エンターテイメント産業界を代表する企業グループです。
では、吉本夫妻が自らのドメインを「うちらの商売は寄席」のようにしていたら、現在のようなエンターテイメント分野で広範囲に事業展開する吉本興業の姿はあったでしょうか。
吉本せいをモデルにした連続テレビ小説「わろてんか」をご覧になった方はおわかりかと思いますが、「人を笑顔にしたい」という気持ちが、二人が寄席経営に乗り出すきっかけとして描かれています。
「人を笑顔にする」
これが、吉本のドメインだったのでは。
だからこそ、あれだけの企業グループに成長したのではないでしょうか。
ちなみに、吉本興業の理念の一節に
「私たちにとって、お客さまは、(略)一緒にこの世界を笑顔があふれる場所にしていく仲間なのです。」
とあります。
さて、ここに出てきた2つのドメインは
「寄席」は物理的ドメイン
「人を笑顔にする」は機能的ドメイン
にそれぞれ分類されます。
物理的ドメインはその名のとおり、「モノ」を中心に事業を発想します。
明確でわかりやすい反面、事業活動の展開範囲が狭くなり、現在の事業を超える発想が出にくい、というデメリットがあります。
機能的ドメインは「コト」「顧客ニーズ」を中心に発想するドメインです。
将来の発展の可能性を感じさせる、というメリットがありますが、抽象的になりすぎて事業の性格がぼやけやすい、というデメリットがあります。
このように、将来の戦略的な事業展開を考えるとき、あなたの発想に影響を与えるドメイン。
年度始めの今日、あなたの会社のドメインを再チェックしてみてはいかがでしょうか。