2019.06.27
過去の延長線上に未来はない
これまでもこれでやってこれたから、これからもこれでやっていけるだろう。
それってホントでしょうか?
昨日は、理事を務める地元商工会が5年計画で推進する経営発達支援計画の事業評価委員会の委員として、会議に参加してきました。
委員会で報告された今年度の事業計画の中に「経営計画策定セミナー」があったのですが、これが昨年度と同じく4日間のセミナーを1回だけ行うというもの。
私からの意見としては、
- 計画の作り方をセミナーで教わっても必要性を感じていなければ、セミナーを受けただけで、たぶん計画は作らないだろう。
- 経営計画の策定を根付かせるというのは、商工会会員の経営力を上げる、という経営発達支援計画の目的を達成するためにとても戦略的な目標だといえる。
- ならば、セミナーの予算を啓発・啓蒙活動に振り向け、必要性を感じた事業者さんには計画策定のサポートを専門家派遣制度で手当てしたほうが、理にかなっている。5年間の前半は啓発・啓蒙活動に取り組み、後半で刈り取る、ぐらいの長期的視点で会員の経営力向上に取り組んでほしい。
という意見を延べさせていただきました。
理事でもあり建設会社の社長でもある他の委員さんからは、経営者の意見として、以下のようなお話がありました。
たしかに、事業計画、経営計画といわれるものを立てないまま経営している事業者が非常に多い。自分も経営計画を立てたほうがいいとは分かっていながら、作っていない。それは、リーマンショックのときのようなしんどい時期があってもなんとか乗り越えて20年、30年と事業計画をつくらなくても、これまでやってこれているからこれからもなんとかなるだろう、と思っているからじゃないのか。
これまでも、これでやってこれたから、
これからも、これでやっていけるだろう。
ホントにそうでしょうか?
どなたによるものか知りませんが、こんな言葉があります。
過去の延長線上に未来はない
また、日露戦争の旅順攻略戦において、最初に立てた作戦に固執するあまり、作戦を長引かせてどんどんと兵士を死なせていく乃木軍作戦参謀たちに対し、児玉源太郎が発したこんな言葉があります。
諸君は過去の専門家であるかもしれん。
司馬遼太郎「坂の上の雲」文春文庫第5巻 P.99
しかし、明日の専門家ではない。
過去の成功体験(これまでもやってこれた)にしがみついていては変化する明日(これから)は乗り切れない、ということを言わんとしているのだと思います。