2019.09.03
自己資本だけじゃ間に合わない!?
こんにちは。
経営の専門家、伴走舎 牧野です。
あなたの会社の健康状態をチェックするための1.安全性、2.収益性、3.効率性の3つの観点をご紹介しましたが、今回は1.安全性について見ていきます。
安全性はさらに3つの観点に分けられ、(1)短期の安全性、(2)長期の安全性、(3)資本の調達構造の3つの観点があります。
今日はこの中から(3)資本の調達構造についてご説明します。
貸借対照表(BS)の左側は会社の財産を表し、右側はその会社の財産を生み出すための資金をどのように調達したかを表しています。BSの右側には、上に「負債の部」、下に「純資産の部」がありますよね。つまり、どれだけのお金を借りてどれだけを自分の財布から出して左側にある財産を生み出したのか、ということがBSには書かれているわけです。
となると、あまり借金していない、逆にいうとできるだけ自分の財布から出しているほうが安全性は高いですよね。
この、自分の財布から出している比率を「自己資本比率」といい、次の式で計算されます。
自己資本(=純資産の部) ÷ 総資本(純資産の部+負債の部) × 100
当然、自己資本比率は高いほうが安全性が高いとされます。自己資本比率が100%だと、いわゆる「無借金経営」というやつですね。
もう一つ、自己資本に対して借金がどれくらいあるかを「負債比率」といい、以下の式で計算します。
負債の部 ÷ 自己資本 × 100
負債比率は低ければ安全性が高いと言われます。
では、負債は悪か?ということになりますが、負債には「投資のタイミングを逃さない」というメリットがあります。
お店の評判が上がって売上がどんどん伸びているのでもう1店舗出してさらに売上を伸ばそう!というときに自己資本が積み上がるのを待っているのではタイミングを逃してしまうかもしれませんね。
必要な資金を借入してタイミングよく出店して、売上を伸ばすのも会社の成長戦略のひとつです。計画通りに売上が伸びれば、借金はきちんと返済できます。
自己資本比率を高めに保ちつつ、借入を有効に活用するのは経営者としての手腕の見せどころですね。