2019.11.18
これまでは当然だったが、いまは違う
日本は原料を輸入して、生産した工業製品を輸出して稼いでいる国だと小学校の頃から習ってきました。だから為替レートが円安になると「円安を好感した株式市場では前日の終値に比べて日経平均株価がxx円上昇し・・・」ってニュースが流れます。
ところが、円安を喜んでいられない国になってきたのではないかと、11月15日付の日本経済新聞が報じています。
製造業では生産拠点の海外への移転が進み海外生産比率は20%を超えて30年前の10倍になっており、輸出する製品は価格競争を避けて付加価値の高い製品にシフトしているので、近年では円安になったからといって輸出が大きく増えるわけではないようです。
逆に、スマートフォンに代表されるように、現在は輸入の存在感が高まっており、原発の運転停止に伴い液化天然ガス(LNG)の輸入が増えて2011年には31年ぶりに貿易収支が赤字になりました。燃料の輸入が増加しているところへの円安は、コスト増となって日本経済に負担となってきているそうです。
このように、為替レートの変化が日本経済に与える影響の実態は、これまで常識と考えられていたものとは逆になっている恐れがありそうですね。
状況変化の激しい近年では、これまで当然だったことが、実はすでに違ったものになっている、なんてことが他にもあるかもしれませんね。