2019.12.04
値引きで失った儲けは、値引率の倍以上の売上増でしか取り返せない
一番簡単でかつ一番効果があるマーケティング施策、値引き。
仮に、通常売価1,000円、仕入値500円の商品があるとしましょう。
この商品を1,000個販売すると、売上100万円、変動費(仕入値)50万円、
粗利50万円ですね。
この商品を10%値引きして販売すると、通常売価と同じだけの粗利50万円を稼ぐためには、
粗利50万円 =(売値900円 − 変動費 [仕入値] 500円)× 1,250個
となり、250個余分に売らなければなりません。
つまり、変動費率(原価率)50%の場合、
10%の値引き販売で失った粗利を取り返すには、
売上を25%増やす必要がある
ということです。
5%の値引きでは11.1%の売上増、15%の値引きでは42.8%の売上増が必要ですから、
値引きで失った分の儲けは、値引率の倍以上売上増がないと取り返せない
ということになります。
ちなみに沖縄の小売業、製造業に多い変動費率(原価率)60%では、10%の値引き分の粗利は、33%もの売上増がなければ取り返せません。
さらに、卸売業に多い変動費率(原価率)80%では、10%も値引いてしまうとその分の粗利は、100%増すなわち倍の売上が必要となってしまいます。
苦しい時についつい頼ってしまいたくなる値引きですが、ある種の劇薬といえるかもしれません。