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2020.07.27

手段の〇〇化は思考を●●化する

みなさん、4連休はどうでしたか?

本来なら東京オリンピックが始まっていて、今日は4日目の競技が行われていたはずなんですよね。

さて、4連休の前日から「Go To トラベル」がスタートしました。

「Go To トラベル」は4月30日に成立した第1次補正予算で事業費が組まれました。

ところが委託費が巨額だとして批判を浴び、6月に入って委託先の公募がいったん中止しましたが、6月半ばに「Go To イート」など他の事業を切り離して「トラベル」だけを国土交通省が委託先公募を開始しました。この頃、赤羽国交大臣が「8月の早い段階で開始したい」と発言していましたが、7月に入ってから7月22日への開始の前倒しが決定しました。

その後の迷走ぶりはニュースでみなさんの記憶に新しいかと思います。21日の事業者向け説明会では、事業者からの質問に対して役人が「検討中です」と答えるばかりで、事業者からは「明日から始まるんですよ」と呆れられるシーンがニュースにもなりました。

「Go To トラベル」の目的は、新型コロナの影響で経済的にダメージを受けている観光・運輸事業者を支援する、ということだったはずです。

ですが、

・業界からの悲鳴

・需要をアテにしていたオリンピックの延期

・観光・運輸業界を支持基盤にしている有力政治家

・国土交通大臣は連立相手の指定席

・事業の受託に動く政商と揶揄される企業

・最近支持率を下げつつある政権

・得意の経済で政権の浮揚を図りたいという思惑

・国と東京都との確執

・リーダーのメンツ

といったものが複雑に絡み合い、手段であったはずの「Go To トラベル」を「7月22日に開始すること」が目的化してしまった、ということは考えられないでしょうか。

目的をきちんと再確認すれば、軌道修正もできたのではないかとおもうのですが、これだけの利害関係者がいて「手段の目的化」の集団感染が起きてしまうと思考も硬直化してしまったということも考えられます。

このメルマガでは、この「手段の目的化」を何度か取り上げてきましたが、目的を見失わず、目標に照らして手段の軌道修正を図る柔軟な思考を持ち続けたいものです。