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2020.09.03

早い判断のコスト vs 遅い判断の損失

台風9号が過ぎ去ったと思ったら、今度は台風10号がやってきます。
沖縄をはじめ九州地方のみなさん、備えはできてますか?


「うちの経営陣はいつも判断が遅い、というか遅すぎる」

これは、病院や介護施設のグループが経営する介護士施設にお勤めの職員さんからお聞きした話です。

新型コロナの第1波のとき、他の介護施設が家族の面会を禁止にしていっている中、このグループの経営陣は傘下の特別養護老人ホームにおける家族の面会禁止の判断をズルズルと先延ばしにしていたそうです。

介護の現場では、職員さんがお年寄りを抱きかかえたり、耳が遠いので顔を近づけて耳の近くで話しかけたりと、濃厚接触なしには介護ができません。なので、職員や利用者さんが誰か一人でも感染したら一気に集団感染につながるリスクを抱えています。

お子さんやお孫さんと会うことができない、というのは利用者さんにとってもご家族にとってもつらいことでしょう。そこを慮ったというのもあるでしょう。また、実際に禁止にした施設では「せっかく孫が東京から帰ってきているのに会わせないのかっ!」というクレームもあったそうなのですが(東京から来た子供を自分の親に合わせるというリスクをあえて冒すこの人もどうかと思うのですが)、そうしたクレームを恐れたのかもしれません。

集団感染の危険にハラハラする現場をよそに、このグループの経営陣はなかなか決断できず、他の施設よりも3、4週間も遅れて家族の面会の禁止を決めたようです。


今回の台風9号でも、午前11時ごろには沖縄本島の路線バスは午後3時からの運休を決めたというのに、このグループ傘下のデイサービスでは閉所→利用者の帰宅、という判断がずるずると午後まで遅れたようです。

もうすでに強風が吹いているにもかかわらず、運良く雨には降られずに利用者さんを帰宅させることができたそうですが、もしも、土砂降りの暴風雨の中を帰宅させることになってしまったら、利用者さんや送り届ける職員さんたちをどんな危険に晒したことでしょうか。


素早い判断には、クレームや機会損失などコストがかかるでしょう。

でもズルズルと判断を引き伸ばしたために発生するのは「被害」です。
その損失は計り知れません。

コストと被害の損失、あなたはどちらを選びますか?