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2020.12.11

ささいなことから崩壊が始まる

ここ1周間ぐらいは、お客さんの会計システムのデータ移行を行ってました。
自社システムで会計も処理していたのですが、この自社システムの廃棄予定に合わせて会計はクラウドへ。

このクラウドサービスは、私も自分の会計帳簿や請求書の送信に使っており、便利でコストパフォーマンスもいいので、お客様にもオススメしているものです。経費精算や人事給与、勤怠管理まで機能を備えており、中小企業の総務・経理・人事はカバーできちゃいます。
私もユーザーとして登録しておいていただくことで、いつでもお客さんの経営状況を確認することができるわけです。


さて、肝心の移行ですが、自社システムから抜き出した仕訳データをクラウドに入れようとすると、大量のエラーが発生してしまい、これを解消するのに一番苦労しました。

エラーの一番の原因は、マスターデータのネーミング。
売掛、買掛、未払の補助科目の取引先名のネーミングが統一されていないことなんです。


通常の会計システムは勘定科目や補助科目を科目番号で管理していますが、このクラウドでは、名前そのものをコードのように使うので科目番号とか科目コードといったものがありません。科目番号を覚える必要がないので、これはホントに便利です。

となると、移行元データの補助科目名とクラウド側の補助科目名がピッタリ一致していないとエラーになってしまうんです。

補助科目として会社名を登録する場合、ルールを決めておかないと、
 株式会社○○○○
 (株)○○○○
 ㈱○○○○
 ○○○○
のように4つもパターンができてしまいます。
ここに、社名と株式会社の間にスペースを
 入れる・入れない。
 入れるなら、スペースは全角か半角か。
まで合わせると12パターンできるんです。

ささいなことだと思うでしょうが、マスターの件数が多いにも関わらずネーミングルールが守られていないと、すでに登録されていることに気がつかず、2重登録を誘発します。

ある会社さんのシステムの運用改善のお手伝いをしたときは、商品コードの2重、3重登録のあまりの多さに驚きました。
従業員さんはそれぞれ自分が正しいと思ったコードで売上を計上しますから、商品ごとやカテゴリーごとの正確な売上がまったく把握できなくなっていました。

たかがネーミングルールと侮るなかれ。
ささいなことですが、キチンとしておかないとあなたの経営状況が正確に知ることができなくなる恐れがあるんですよ。

ネーミングルールは決めていますか?
そのネーミングルールは守られていますか?


PS. 昨日もこの会社さんで移行をお手伝いしていて、このエラーで手こずっていたのですが、会計担当の女性(社長の妹さん)から「あ〜ん、また牧野さんのメルマガに書かれちゃうぅ〜」って言われちゃいました。
ハイ、ご期待どおりにご登場いただきました。