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2021.03.03

バトンパス

スズキを世界的な自動車メーカーに育て上げた鈴木修会長が先週、引退を表明しました。あとを長男の鈴木俊宏さんをはじめとする経営陣に託し、自らは相談役に退きます。

息子にバトンを渡したあとの潔さといえば、ジャパネットたかたの創業者である髙田明さんでしょう。社長の座を長男の高田旭人さんに譲ると同時に、会社から籍を完全に抜いてしまいました。社長退任のその日に、社内の自分の部屋を片付ける髙田明さんをテレビのドキュメンタリーで見たことがあります。

大塚家具は、経営権を創業者の父と娘で争い、ついにお父さんは会社から追い出されてしましたね。

中小企業でよく見かけるのが、社長の座を息子や娘に譲ったものの、父親が会長としてとどまり、経営にいちいち口を出すケース。
「自分はこうしたいけど、会長はおそらく反対するだろうから…」という愚痴をどれだけ聞いたことか。
たいていの場合、会長に反対されないよう中途半端な改革でお茶を濁して会社は迷走をつづけ、新社長が経営者として成長する機会は奪われます。

「まだまだ危なっかしくて任せてられない」なんて言うのなら、後継者育成の仕方が下手だったのか、バトンを渡すタイミングを間違えた自分を責めてはどうでしょう?

せめて、意見を求めて相談されるまでは口を出さない、ぐらいの覚悟でバトンを渡しませんか?