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2021.05.24

「経営の勉強をしたから正しい経営判断ができる」とは限らない。

私の尊敬する羽生善治さん。
年齢的には50代に突入しましたが、いまだタイトルに挑戦し続けています。

タイトル99期、永世七冠というとんでもない記録を打ち立てた羽生さんとはいえ、AIを取り入れた研究が進む現在の将棋界では苦戦しています。それでも若手と同じように自らもAIを取り入れて、最新の将棋を研究し続ける羽生さんを私は応援しています。

羽生さんが10代20代の若い頃は体力にまかせて読み切れるだけ読み切る、という将棋を指していたそうです。ところが30代に入ってからはそうした力任せの読みがだんだんとできなくなり、40代に入ってからは「大局観」で指し手を選ぶようになったと10年ほど前のテレビ番組で語っていました。

なんとなくこの手は捨てよう。なんとなくこっちの手のほうがいい。
といったことが、考え抜いたときにぱっと頭の中に浮かぶんだそうです。
「そこだけ光っているように見える」と表現していました。

ただご本人も言っていましたが、それは過去の蓄積があるからこそ、というわけです。

20〜30手先を読むといわれるプロの将棋の一手は、何百通りもの判断の結果から生み出されます。
一局は110〜120手ぐらいですから、1回の対局で天文学的な判断回数です。
トップ棋士は年間50局ぐらいの対局があり、対局のないときも研究を続けて「判断の精度」を上げるよう研鑽しています。

羽生さんの言っている「過去の蓄積」とはまさにこのことでしょう。

経営者の日常も判断の繰り返しです。
そして会社の最終的な判断とその結果の責任がたった一人にのしかかってきます。
それが「経営者は孤独」と言われる所以です。

ですが、経営者が下さなければならない判断に唯一の正解はありません。
であれば、間違った判断をできるだけ少なくし、より正しい判断に近づけるようにしたいものです。

このとき、これまで勉強した経営に関する知識は判断材料でしかありません。
経営の勉強は、経営判断の材料の仕入れと保管です。
より正しい経営判断に近づけるのに必要なのは「スキル」です。

そのスキルをお伝えするセミナーのご案内です。
「経営の勉強をしっかりやっていれば、正しい経営判断ができる」と思っていませんか?