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2021.06.28

業者扱いしないでください

先日、ある方から「こんな業者さんを知りませんか?」とご照会がかかり、私の知人をご紹介したことがあります。二人を引き合わせるために私も同席したのですが、大切な知人を紹介したことを後悔しました。

コンサルティング会社時代を含め、これまで30年もの間、様々な企業さんと長時間にわたって深く関わり、お客様がいわゆる「外注・下請け」といった業者さんをどのように扱うのかを見てきました。

コンサルティング会社といえどもお客様から見れば「業者」ですので、自分たちがどのように扱われるかも見ています。

また逆に、プロジェクトを遂行する上で、日本を代表するコンピューターメーカーさんに私の下請けに入っていただくなど、私から外部の方に仕事をお願いすることも日常的でした。

下請けに入っていただいた企業さんに対する私の部下の態度には、特に注意を払っていて、気になるところがあれば厳しく注意していました。

あの人たちは「外注・下請け」という立場かもしれないが、自分たちの足りないところを補ってもらっている。「業者」じゃない、「協力会社」さんだ。助けてもらっている、そういう気持ちで接しなさい。君がコンサルタントとして長くやっていきたいのであれば、なおのこと。君が「業者扱い」した刃は、必ず自分に向かって戻ってくるから。

というように。

コンサルティング会社では、お客様の経営管理システムに必要なハードウェア、ソフトウェア一式を導入するコンペを取り仕切ることが何度もありました。見積金額にして3〜5億円のケースがほとんどです。

解決したい課題や要求スペック・設計条件などを記載したRFP(提案依頼書)を作成して説明会を開き、提案書と見積書を提出してプレゼンテーションもらう。

コンペに参加いただくのは、大型機やサーバーを製造している大手コンピューターメーカーさんばかりです。

RFPを作った立場としては、書かれたことに対して丁寧に答えてくれている提案書やプレゼンテーションにお目にかかれるのはとても嬉しいことです。苦労して書いた甲斐があったと思いますし、そういう会社さんに受注してもらいたいと思います。

ですが、そうした提案が一つもないときがあります。

他のお客さんへの提案に使った提案書を手直ししたならまだしも、お客様名だけを変えてそのまま持ってきたと思われるものも。見積に至っては「この仕事を取る気あるんですか?」とか。

発注先が決まり、受注したメーカーさんが送り込んできたエンジニアさんたちの仕事ぶりを見て「このプロジェクトでOJTしてるでしょ」と言いたくなるケースもありました。

こうした経験で気づいたのが「発注者側の問題」です。

コンペを取り仕切り、受注した企業さんとプロジェクトを遂行する、ということを繰り返しているとなんとなくわかってきます。親しくなった営業さんにストレートに質問したことがあるのですが「そりゃぁ、コンペではお互い火花バチバチでも、情報交換はしてますからね」という答えでした。

このように、業者さんに対する姿勢によっては
・見積金額の高さ
・商品、資材などの質の悪さ
・未熟な担当者
などの可能性を生み、いいことがありません。

最近では、中小企業の二代目、三代目の方でちょくちょく見かけるので心配しています。