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2021.09.27

物理的 vs 機能的

ビデオに撮り溜めていたテレビ番組を見ていたら、
こんな会社が紹介されていました。

株式会社ビクセン。
埼玉県所沢にある光学機器メーカー。
天体望遠鏡、双眼鏡、顕微鏡などを作っています。

60人ほどの会社ですが、天体望遠鏡では
国内シェアがなんと60%!

とはいえ、
現在の2代目社長が会社を継いだ頃には
天体望遠鏡はごく一部の人の趣味の道具として
市場は縮小の一途をたどっていました。

そこで2代目社長が考えたのが
「望遠鏡を作る会社」から
「星空を見せる会社」へのビジョンの転換です。

具体的には、
夜空を観察するイベントを開催して
星空を見る感動を少しでも多くの人に
知ってもらう努力を重ねました。

さらに、「宙(そら)ガール」ブーム
を起こして新たな客層の開拓も行いました。

まさに、
「モノを作る」から「コトを創る」
への転換です。

コロナでイベントが開催できず、
苦労していますが、
その歩みは着実に前に進んでいるようです。

株式会社ビクセンが行ったのは
いわゆるドメインと呼ばれるものを
再定義したことです。

ドメインとは、
言ってみれば”会社の生存領域”。
自社の事業がどうあるべきかを
明示するものです。

ドメインを設定すると
①意思決定の焦点が定まる
(結果、事業の発案のベースとなる)
②どのような経営資源が必要か指針となる
③会社の一体感をつくる
といった意義があると言われています。

さらに、ドメインの定義には2種類あり、
ビクセンの場合、
「天体望遠鏡を作る会社」
という物理的なドメインの定義から
「星空を見せる会社」
という機能的なドメインの定義に
変えたと言えるでしょう。

物理的定義のデメリットは
事業活動の展開範囲が狭くなり
現在の事業領域を超える発想が出にくい
という点が挙げられます。

一方で、機能的定義のメリットは
事業における将来の発展可能性を感じさせる
ところにあるといわれています。
もちろん、デメリットもありますが。

株式会社ビクセンのビジョンの転換は
ドメインを説明するのに好例でしたので
今回、取り上げてみました。

難しかったですか?
わからないところがあれば、
どうぞ遠慮なく質問してくださいね。

あなたの会社のドメインは何ですか?
物理的定義、機能的定義のどちらですか?
機会があれば牧野にも教えて下さいね。