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2021.10.18

リーダーを破滅させるもの

ソフトバンクの孫正義さん
ユニクロの柳井正さん
日本電産の永守重信さん

三人とも、一代で巨大企業を作り上げた
スーパー経営者ですよね。
カリスマ経営者とも評されます。

ソフトバンクはニケシュ・アローラさん
ユニクロは玉塚元一さん
日本電産は吉本浩之さん

このお三方とも、
カリスマの後継者として指名を受け、
社長として経営を担いました。
しかしながら、いずれも数年以内
という短期間で退任されました。

結局、ソフトバンクとユニクロは
会長に退いていた孫さん、柳井さんが
社長を兼務する形で現場に復帰。
日本電産の永守さんは会長職のままですが、
昨年、日産から関潤さんを引き抜き、
新たな社長に据えました。

三人のカリスマの後継者が
いまだに定まりません。

ドラッカーはいいます。

カリスマ性はリーダーを破滅させる。
柔軟性を奪い、不滅性を盲信させ、
変化不能にしてしまう。

ドラッカー「未来企業」

孫さん、柳井さん、永守さんの三人が
破滅する、というのではありません。
ドラッカーのこの一文を読んで、
 柔軟性が奪われ、
 自分は不滅だと思い込み、
 変化できなくなっていく
という恐れはないか、と感じた次第です。

一方で稲盛和夫さん。
この人も先ほどの三人と同様に
一代で京セラを築き上げた人です。
他にもKDDIの前身を立ち上げ、
経営破綻したJALを再生しました。
盛和塾で経営者の育成にも
力を入れてきた方です。

稲盛さんも、
カリスマ経営者
と思われている人ではないでしょうか。

ですが、名誉会長として
京セラだけには名前は残しているものの
取締役は退任し、経営の第一線からは
完全に退いています。

何が違うのでしょうか。

JAL再生がヒントになるかと。

日本航空の再生にあたって稲盛さんは、
京セラの経営で磨き上げた
アメーバー経営とフィロソフィー
の二つを持ち込み、根付かせ、
みごとに再生を果たしました。

つまり、自らのカリスマ性ではなく
・経営の仕組み
・経営哲学
の二つで再生させた
と考えられないでしょうか。

この二つは、
現在もJALの中で生き続けています。
稲盛さんがいなくても。

あなたがいなくなっても
あなたの会社で生き続けるものは
何ですか?