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2022.06.14

決算書の内容が悪くてもお金は借りられる!?

融資をめぐる環境の変化

しっかりとした担保や保証人がなければ、金融機関からお金は借りられない。
借りていても決算内容が悪くなれば、返済を求められる。
こうしたイメージを強く持っている方は多いと思います。

その背景には、金融庁による金融検査マニュアルの存在がありました。

バブル崩壊後、国内大手金融機関の破綻が相次いだのを受けて1998年、金融庁の前身である金融監督庁が発足。2008年にはサブプライムローン問題をきっかけにアメリカの大手投資銀行が破綻し、そこから世界的な金融危機が発生しました(リーマンショックって呼ばれてますよね)。

こうした危機を乗り切るために、金融庁は金融機関に対して指導・監督を行う存在でした。その指導・監督に使われたツールが金融検査マニュアルです。

金融機関は、この金融検査マニュアルに従って取引先の格付けを行い、格付けの低いところには融資ができませんでした。また、格付けが低くなった貸出先には返済を求めるなど貸し剥がしなんて報道されたことは記憶にある方も多いと思います。

2019年、金融庁はこの金融検査マニュアルを廃止し、金融機関の指導方針を大きく変えたんです。

では、金融機関の融資の方針はどう変わるか

金融検査マニュアルの廃止によって金融機関は、これまでのような決算書や担保・保証人を重視した格付けによる融資ではなく、企業の事業性、成長可能性を重視した融資に積極的に取り組むように変わります。これを事業性評価融資といいます。

金融機関が事業性評価融資に取り組むようになれば、あなたの会社の事業の将来性や成長可能性を金融機関に理解してもらえれば、決算書の内容が悪くても、融資をしてもらいやすくなると考えられます。

決算書の内容が悪くても融資してもらえるようになるには?

決算書の内容が悪くても融資をしてもらえるようになるには、次のような準備をしておかなければなりません。

1. 事業性評価融資に積極的に取り組む金融機関とのとりひき
2. 事業計画書の作成
3. 金融機関との良好な関係の構築

では一つずつ具体的にお伝えしましょう。

事業性評価融資に積極的に取り組む金融機関とのつきあい

決算書の内容や担保・保証だけで判断するのではなく、事業内容やその将来性・成長可能性を評価して行う融資を事業性評価融資といいました。たとえ決算内容が悪くても、あなたの会社の事業に将来性・成長可能性があれば、事業性評価融資をしてもらえることになります。

ですが、事業性評価融資に積極的に取り組んでいる金融機関は、まだまだそう多くはありません。事業性評価融資をしてもらうためには、積極的に取り組んでいる金融機関との取引は不可欠といえます。

事業計画書の作成

金融機関が事業性評価融資をするためには、金融機関自身があなたの会社の事業性、将来性、成長可能性を把握しておく必要がありますよね。そのために金融機関の担当者は社長であるあなたにじっくりヒアリングする必要があります。けれども、ただでさえ普段から仕事に追いまくられている担当者には、そんな時間はありません。であれば、あなたのほうから担当者さんの負担を軽くしてあげれば、事業性評価融資を受けられる可能性が高くなると思いませんか?

それにうってつけなのが事業計画書です。

士業やコンサルタントの協力を得て、事業計画書を作成しましょう。

金融機関との良好な関係の構築

決算内容があまり良くない会社に対して金融機関が事業性評価融資を行うためにとても重要になるのが、担当者や貸付の責任者、支店長の熱意です。「この会社はなんとしてでも・・・」と思ってもらえれば、融資の実行に向けて熱心に取り組んでもらえることになります。

まずは、金融機関との良好な関係構築を心がけましょう。

敵を知り、己を知れば・・・の故事ではないですが、金融機関の考え方を知っておくことは融資を受けやすくするためには大切です。
融資を申し込む際はお気軽にご相談下さい。お手伝いします。