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インフレを考える

インフレを考える

昨日の新聞によれば、食品価格が世界的に高騰しているそうです。 原因としては異常気象もありますが、コロナ禍の移動制限で農業従事者が減少しているのも一因とのこと。日米欧では収穫などの人手の多くを外国人労働者に依存しているためだそうです。さらには、貿易自由化で世界的に食品の輸入依存度が上がっている傾向も背景にあるとか。 この新聞では、これらを「インフレ圧力」と称していました。供給不足が食品のインフレを引き起こしているとうことです。 インフレは、需要が供給を上回る(需要>供給)ことで起きる現象ですので、経済全体としてはデフレ(需要<供給)であっても、このようにある品目で需給関係のバランスが崩れると局所的にはインフレということは起こりえます。 みなさんにとっても最近の身の回りのインフレ現象といえば、マスク。昨年、世界的にマスクの需要が急激に跳ね上がり、供給のほとんどを輸入に依存していたため国内生産も間に合わず、連日報道される社会現象となるぐらいマスクが高騰しました。あれは、まさにインフレです。逆に、布マスクも普及し始め不織布マスクの国内生産も始まって需要が落ち着いてくると、今度は輸入不織布マスクの在庫がダブつき、投げ売りされるようになりました。まさに、デフレです。 中小零細事業者にとって生産能力は限られていますから、自社製品に人気が出て需要が生産能力を上回れば、インフレになるでしょう。「予約しても○ヶ月待ち」「開店前から行列」なんてよく聞きますよね。 ただ、設備投資をして増産しすぎたり他社も真似して参入することで需要を上回ったり、人気が一時的なもので需要が減少すれば、今度はデフレになります。(高級食パンもそんな兆しが出てきていないですかね。) 経済も商売も、適度なインフレが一番いいのですが… じゃぁ、どうすんのよ! 「他社がマネしにくい永く愛される商品やサービスを適正な価格で」が王道です。 それが難しいんだよ!  ですよね。でも、難しくても道はどこかに必ずあります。

ロスはこぼれる利益

ロスはこぼれる利益

レンゴーは、ダンボールをはじめとする紙製包装資材の企業です。この会社の代表取締役会長兼CEOである大坪清さんの「私の履歴書」を読みました。 大学を卒業して住友商事に入社した大坪さんは、3ヶ月後に摂津板紙という板紙のメーカーへの出向を命じられます。その摂津板紙の創業者である増田義雄社長からビジネスの多くのことを学んだそうです。 増田社長の口癖が ロスはこぼれる利益である だったそうです。 ロスはよくないものだと分かっていますが「利益がこぼれ落ちてる」と言われるとドキッとしませんか? 原材料を扱う現場では、歩留まりとしてロスを極力減らそうと努力しますよね。食品では「フードロス」として社会的に取り組む課題になっていますね。 目に見えるものや金額換算できるものについてはロスを減らそうとする意識が働くでしょう。では、サービス業ではどうでしょう?製造業であっても、間接部門や事務部門ではどうでしょう? 目に見えないものや金額換算できないロスもありますよね。こうしたロスも放置すれば、利益がこぼれ落ちていくことになるんでしょうね。

危機における経営者の言葉

危機における経営者の言葉

2021年の年頭は、ウィンストン・チャーチルのこんな言葉をご紹介しました。 悲観論者は、あらゆるチャンスに困難を見出す。楽観論者は、あらゆる困難にチャンスを見出す。あらゆる困難にチャンスを見出す 第2次世界対戦中、ドイツ軍の激しい空襲を受けながら「絶対に屈服しない」と国民を鼓舞し続けた当時のイギリス首相です。 昨日、新聞の「危機における政治の言葉」と題したコラムを読んでいたら、チャーチルのこの言葉にまつわる、こんなエピソードが紹介されていました。 戦時中、保守党のチェンバレンの退陣をきっかけに自由党のチャーチルが首相に就任しましたが、その政権交代を決定的にしたのは、自由党の重鎮で第1次大戦当時の元首相ロイド・ジョージが1940年5月8日に行った国会演説だそうです。 首相が求めたあらゆる犠牲を国民は払おうとしている。だがそれは目標を明確に示し、指導者が最善を尽くしているとの信頼が前提だ。 胸に響きますね。この言葉、首相、国民、指導者を他の言葉に置き換えるとこうなります。 経営者が求めたあらゆる犠牲を従業員は払おうとしている。だがそれは目標を明確に示し、経営者が最善を尽くしているとの信頼が前提だ。 みなさんはいかがですか?私も肝に銘じて日々を重ねなければなりません。

中の見えないものは、人を買う

中の見えないものは、人を買う

NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」をご覧になっている方も多いでしょう。16日(火)は、祖父の代から三代続く布団職人の新貝晃一郎さんでした。 現代の名工に選ばれているのもスゴイですが、あの若さですでに黄綬褒章を受章しているとは驚きです。 新貝さんの作業部屋には、ご自身で大切にしている言葉が壁にチョークで書かれています。その中の一つが 誰にでもできることを、誰にもできないくらいやる。 生半可なことではできないことです。新貝さんの布団づくりへの覚悟が伝わってきます。 番組の最後で、新貝さんのおじいさんに婚礼布団を作ってもらった87歳のご高齢の方が、人生最後の布団をお願いしたいと新貝さんに掛け布団を注文しました。 精魂込めて作り、出来上がった布団をお宅までお届けしたときに、このお客様ががおっしゃいました。 こういう中の見えないものはね、”人を買う”っていうことを言うですよ。だから”新貝さんを買う”です。 もう、シビレました。職人冥利につきますね。私まで涙が出そうになりました。 中の見えないものだけでなく、形のないもの、目に見えないものを売っている事業者さんも多いと思います。 私もそうです。だから「牧野さんを買う」と言ってもらえるように、誰でもできることを、誰にもできないくらいやらなきゃと思います。

より善く生きる

より善く生きる

沖縄のとある自治体で、小中学生の段階から世の中にどんな職業があるのか知識を持ってもらい、子どもたちの興味を刺激して職業観の形成に役立てようという事業が行われています。その事業では、様々な職業の人にインタビューをして、仕事の内容はもちろん、仕事のやりがいなどについて話してもらう YouTube チャンネルも開設しています。 私の元お客様が登場しているというので、さっそく拝見。最後に子どもたちへのメッセージということで、座右の銘を紹介されていました。 より善く生きる ご自身ではこの言葉を 今より、少しでも、善く生きる。今より、少しでも、成長している自分になる。 というように解釈して、日常から意識しておられるそうです。 今日よりも0.1%でも成長する、ということを毎日続けると1年で約1.5倍に成長します。1%だったら1年後には、ナント、約38倍に成長しています!スゴイですね! 私も、より善く生きます。あなたも、より善く生きませんか?