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2020.06.17

社長がやるべき仕事

夏空のつづく沖縄。
いくら天気が良くても、潮風では洗濯物はパリッと乾いてくれません。
我が家の洗濯大臣、牧野です。

ここ最近、何度もご紹介している私の大切なお客様、TEORI WORKS OKINAWAさん。国指定の伝統工芸、琉球絣・南風原花織の工房を営む個人事業主さんで、娘といっていいほど年の離れた女性です。
※TEORI WORKS OKINAWAさんが登場するバックナンバーはこちら
▼ 先行きが不安なときのアドバイス
▼ 最悪の状況への備え

個人事業の彼女にとって、牧野への月々のコンサル料は決して安いものではありません。売上に対してもそこそこの比率です。
まだ軌道に乗るかどうかもわからない開業の段階からそんな高い費用を払ってまで、牧野になぜ伴走を依頼するのか?
沖縄の伝統工芸関係者として6年以上のつきあいがあり、信用してくれているというのはあるのでしょうけど….

そこで本人に直接聞いてみました。

「私は、和服であっても洋服であっても、自分の作った服を気に入ってくれる人に着てもらいたくて工房を立ち上げたけど、経営のことは全然わからない。自分がやりたい服作りに集中したいから、わからない経営のことで不安になったり、自分で勉強したりする時間はもったいない。だったら専門家の牧野さんに全部聞いて教えてもらったほうが早いし、安心だから。」

でも、個人事業としては安くないコンサル料。
どうしてそこまでの費用をかけるのか。

「沖縄は人が持っている知識とか技能に対する対価が低すぎると思います。私はそういうのがイヤなんです。人が苦労して時間をかけて身につけた知識や技能をタダ同然に扱うのがイヤなんです。
織物の世界も職人さんへの工賃が安すぎるのが昔から問題になっていますよね。いくら技術のあるベテランの職人さんであっても。
そんな現状を変えたい、というのも私がこの工房を立ち上げた理由のひとつです。
だから牧野さんにも正当な対価だと思うからお支払いしています。」

彼女がハッキリと自分の意見を言うのを聞いたことがなかったので、ちょっと感動的でした。

自分のやりたいこと得意なことに集中して、苦手なことはそれを得意とする人にまかせる。


「自分がやらないことを決める」

これが社長のやるべき仕事の第一歩ではないでしょうか。