2021.07.05
現場重視が生み出す風土とは?
沖縄は先週の終わりに梅雨が開けて、夏らしい天気になってきました。海からの気持ちいい風が部屋の中を吹き抜けていきます。はやく入道雲が見たいですね。 先週といえば、三菱電機の不祥事がまた明るみに出ました。今回の不適切検査はもう35年以上続く組織的な行為だそうです。不適切検査や品質問題が度重なる様は、風土と言われても仕方がないものでしょう。 組織的な隠蔽を生み出す企業風土が生まれる背景については、ここでも何度かご紹介してきました。 ところが三菱電機のケースついて新聞の報道を読んでいると、事業部門が強い権限を持ち経営トップの目が行き届かない、ということが原因に挙げられています。 三菱電機は、原子力発電などの重電からエレベーターなどのビルシステム、数値制御装置などの産業用、情報通信システム、半導体、さらには家電製品まで幅広く手掛ける総合電機メーカーです。 あまりにも幅が広すぎて経営トップの目が行き届かないということでしょうか。それぞれの技術が違いすぎて専門性が高く、縦割りを生み、それが事業部の権限を強めてしまったのでしょうか。 財閥のような巨大企業のことだから中小企業の私達には関係ない、なんて思わないでください。 中小企業といえども技術者や現場の意見が強すぎる会社も気をつけたほうがいいのではないでしょうか。「オレは技術のことはよくわからん。あいつらに任せてる」と、ずっと営業で会社を引っ張ってきた社長さん。「父が創業したときから長年会社を支えてくれた職人さんたちだから」と自分よりはるかに年上の技術者さんたちが現役で支える会社の二代目社長さん。 これからもそうした風土を続けますか?技術者への信頼や会社への貢献度とガバナンスは別の話だと思います。