ブログ

ピンチはチャンスじゃない。スゴい二代目

ピンチはチャンスじゃない。スゴい二代目

お金を払ってまで講演を聴きに行った経営者さんが掲載されたwebマガジン「Re・rise News」ナント、私にも取材が来ちゃいました。伴走舎の理念とそこに至るストーリーを語ったインタビュー動画が掲載されています。・まだ見ぬ未来から今をリライズする新時代創造マガジン「Re・rise News」・YouTubeチャンネル「Re・rise Short Story」※ 2つのどちらからでもご覧になれます。 SPA(製造小売り)の事業モデルをテコに成長したアイリスオーヤマ。コロナ禍のこの1年あまりでも、マスク、ノートパソコン、飲料水など次々に参入し、ついにはSPAのノウハウを武器に外食にまで参入しました。 この快進撃のアイリスオーヤマグループ 154,000人を率いるのが二代目の大山晃弘さん。2003年に入社して実績を積み、2018年に社長に就任。その年の売上高は4750億円でしたが、3年後の21年には8500億円と倍近くに成長させています。 アイリスで有名なのが月曜会議。社長の前で新製品についてプレゼンし、その場で決定していきます。50億円を超える投資となるマスクの国内製造への参入も、即決でした。 一兆円をめざして走り続ける大山晃弘社長はこう語ります。 変化が激しいときはやはり決断が早い会社が生き残っていくのではないかと。なかなか事前には予測できませんので、その分なにか発生したときにいかに早く対応するか、これがキーだと。 アイリスオーヤマはもともとは大阪にあった下請け仕事をこなすプラスチック工場(創業1958年)。現在は会長の大山健太郎さんが、下請けから脱するために作った漁業用のブイが第一号の製品です。 大山健太郎さんが、社長で息子でもある晃弘さんについてこう語っています。 私が50年かけてやった売上を3年で倍にするんですから何も言うことはないでしょう。 さらにつづけて大山健太郎さんが語ったことが、アイリスオーヤマのDNAなんだと思います。 ウチでは「ピンチはチャンス」じゃないんです。「ピンチ が チャンス」って言ってるんです。 ピンチ = チャンスだなんてすごい発想ですね。ピンチをチャンスとして貪欲に捉えていく、この姿勢がアイリスオーヤマの快進撃を支えているんでしょうね。 冒頭でもご紹介した、伴走舎の理念とそこに至るストーリーを語ったインタビュー動画。ぜひ、ご覧ください。・まだ見ぬ未来から今をリライズする新時代創造マガジン「Re・rise News」・YouTubeチャンネル「Re・rise Short Story」※ 2つのどちらからでもご覧になれます。

見ていないから、見えない。

見ていないから、見えない。

先日、雨上がりに近所を散歩をしていたら「あっ!」と立ち止まりました。月桃の花が咲いていたんです! 沖縄では珍しいことでは無いんでしょうけど、私にとっては沖縄に住んで15年、初めて見る月桃の花だったんです。 そのとき写したのがこれ。 そこからの帰り道、気をつけて見ていると道端や空き地の隅にあちこちで月桃の花は咲いています。そうした場所は私が住み始めたころからずっと空き地のままでしたし道の整備もされてもいないですから、この15年間、毎年そこで咲いていたんでしょう。ただ私が見ていなかっただけなんです。 その日以降、車を運転していても道路脇に咲いている月桃の花が目に入ってきます。月桃はあちこちに雑草のように生えていて、この時期に花を咲かせるんですね。 知らなかったということは関心がなかった。月桃に意識が向いてなかった。意識が向いていないから、見てなかった。見ていないからこんなにも身近に溢れているにもかかわらず、「月桃はどこに咲いてるの?」というように私にとって「月桃はない」ということになってしまったんです。 見ていないからそこになかった。見たからそこにあるのがわかった。「シュレーディンガーの猫」みたいですね。 物体であれば、シュレーディンガーの猫の如く実際に見てみるまで「在る」のかどうかわからない、ということでも構いません。ですが、経営の問題となるとどうでしょうか? あなたが見ていなくても問題は存在し、進行し、あなたの会社を蝕んでいきます。問題に意識が向いてなかった、見えていなかった、では済まされません。 では、意識が向いてない、見えていない、をどう防ぐのか。そのあたりをお伝えするセミナーを近々ご案内できると思います。

アメフトから経営戦略を学ぶ?

アメフトから経営戦略を学ぶ?

牧野がアメリカンフットボール観戦、特にアメリカのプロリーグ NFL(National Football League)の試合をみるのが好きだと前回お話しました。 テレビ視聴率や1試合あたりの観客動員数をはじめ収益の面でもアメフトはアメリカで最も人気が高いスポーツ。とはいえ、アメリカのプロスポーツには他にもベースボール(MLB)、バスケット(NBA)、アイスホッケー(NHL)など人気の高いものが目白押し。100年以上の歴史のあるMLBと比べても、NFLの誕生は1970年とかなり後発でした。 プロスポーツのリーグですから稼がなければなりません。後発のNFLが先行するMLBをはじめとする他の人気プロスポーツとどうやって戦うのか。 NFLのチャンピオン決定戦であるスーパボウルは過去55回の歴史の中で連覇は8回だけ。3連覇以上はまだありません。チームの本拠地も、ニューヨーク、ロサンゼルスといった大都市から、グリーンベイ、シャーロットといった小さな町まで幅広く、それでも赤字のチームは一つもありません。小さな町のチームでもスーパーボウルを制覇を果たしています。 NFLのリーグ運営の特徴は以下の4つにあると言われています。1. レベニューシェアリングテレビ放映権はリーグが一括して管理し、放映権料やチケット収入の一定割合などをプールして全チームに均等に配分します。2. ハードサラリーキャップ選手に支払う年俸総額の上限制です。NFLでは他のスポーツに比べて厳格な制度になっているそうです。3. ウェーバー式ドラフト前年度の最下位チームから成績の悪い順に選択権が与えられ、一番最後がスーパーボウル優勝チームになります。指名が被って抽選というのは、日本のプロ野球(NPB)固有の方式です。NPBのようなウェーバーと逆ウェーバーの交互方式ではなく、2巡目以降もずっとウェーバー式なので、前年度成績の良かったチームにとってはとても辛いシステムです。4. コモンオポネント方式対戦カードは前年の成績が近いチーム同士で組まれます。NFLには全32チームが所属していますが、1シーズンの試合数は16試合。前年弱かったチームが強かったチームと対戦しないことで、プレーオフ進出をかけたシーズンが混戦状態になるわけです。 以上はすべて、戦力均衡を目的とした制度です。一見すると自由競争の国アメリカらしからぬ制度ばかりです。ですが、常勝チームやスター軍団を生まれさせず、戦力が均衡したチーム間で激しい競争をさせる。そうやって、白熱した好試合が生まれ、プレーオフ進出レースが予断を許さない環境を整えているといえるでしょう。 戦力均衡がNFLが選んだ差別化。他のスポーツのプロリーグとの競争を勝ち抜くNFLのリーグ経営戦略なのです。 NFLの運営に深く関わり、カンザスシティ・チーフスのオーナーでもあった故ラマー・ハント氏の有名な言葉があります。 理想は、各チームが8勝8敗の成績でレギュラーシーズンを終えることだ。もちろん、チーフスの優勝を願ってはいるが。それでも全チーム8勝8敗となることが理想の姿なのだ。 さて、あたなもアメフトをもっと知ってみたくなりました?

アメフト観戦は頭の体操?

アメフト観戦は頭の体操?

先週は、アメリカンフットボールの国内トップリーグで7年間プレーし、現在はトレーニングジムを経営されている神奈川県の方とzoomで知り合いました。 牧野はアメフトの経験はもちろん無いですし、細かいルールもよく分かっていないのですが、テレビ観戦は大好きなんです。そのことをお話すると「アメフトを見たことある方になかなか出会ったことがない」というとても意外なお返事でした。 コンサルティング会社時代、大阪のプロジェクトを担当していたときのことです。連日深夜まで仕事して、淀屋橋のホテルへ帰ってシャワーに入ってもすぐ寝れるわけではありません。缶ビールをプシュっと抜いてテレビでも見ながらくつろぐのですが、そんな時間にやってる番組がBS1のNFL(米アメリカンフットボールリーグ)の試合ぐらいしかなかったんです。 ルールも知らずに見てたのですが、連日のように見てればちょっとはルールも分かってきます。そして次第に引き込まれていって... 牧野が感じるアメフトの面白さは、体と体のぶつかり合いではなく「戦略と戦術のぶつかり合い」というところでしょうか。 放送を担当する実況アナウンサーもかなりアメフトに詳しく、そこへ国内チームの現役監督が解説に加わっているところが、BS1 のNFL放送を面白くしているんじゃないかと。試合開始前には、両チームの特徴や注目選手の紹介はもちろん、こういう戦略で試合に臨むだろうとの予想が解説されます。そして、試合が始まれば各プレーの戦略的な意味合いを重要な局面の都度説明してくれるんです。 アメリカンフットボールは、1プレーごとに試合が止まります。そして次のプレーはどうするか、攻める方も守る方も戦術を巡らせます。そこに、今のプレーの解説や次のプレーの予想について、実況と解説の絶妙な掛け合い。 点差や残り時間によって刻々と変わる戦術は、残り時間を消費するのか残すのか、攻撃権をどう終わらせるのか、ギャンブルするかどうか、タイムアウトやチャレンジの使いどころ、相手プレーヤーの心理...などなど複雑に絡みます。プレーの度に試合が止まるからこそのドキドキだと思います。そして、実況と解説がそれをさらに盛り上げる。 戦略と戦術といえば経営。スリルあふれる2時間30分の頭の体操になるんじゃないですか?

広げたものは畳んでいますか?

広げたものは畳んでいますか?

みなさん、ゴールデンウィークはいかがでしたか?沖縄は梅雨入りしてしまいましたね。NHKのアナウンサーが「ねっとりとまとわりつくような空気です」って言ってたように不快指数も急上昇。沖縄のみなさん体調管理に気をつけましょう。 Facebookで友達になっている人が誕生日になると通知されますよね。その通知で思い出したエピソード。 ある会社に勤める歳のかなり離れた知人から「牧野さん、コーヒーでも一緒にどうですか?」なんてことが何度かあり、会社が休みの日にスタバで会って話を聞いていました。話題は彼の近況。仕事のグチも。ある日のこと。 「うちの社長、風呂敷広げるのは得意なんですけど、畳めないんですよね。広げた風呂敷は見事なんですけど。」 その彼が教えてくれたのは「畳み人」というワード。仕事のアイデアを実行可能な状態までに設計し、着実に実行に移す人のことを指すんだそうです。社長が「風呂敷を広げる人」ならば、その広げた風呂敷の「畳み人」は「名参謀」とか「右腕」でしょうか。※ご興味のある方は「『畳み人』という選択」という本があります。 あなたは風呂敷を「広げ人」ですか?それとも「畳み人」ですか?あるいは、どっちもできる人ですか? 彼によれば、その会社も「畳み人」を担う人を招き入れたりしてはいるんだそうですが、みなさん次々と辞めていかれるんだそうです。社長のビジョンに共感して入社したその彼も、昨年ついに会社を去りました。 一方で世の中には、広げた大きな風呂敷をきっちり畳む人がついていて成功した例もたくさんあります。 見事な風呂敷には人が集まりますが、「畳み人」が去って行かないような「何か」が「広げ人」には求められるんでしょうね。