2021.04.05
社長になる前の二代目も気をつけたい
先日は「社長が傲慢になるのを防ぐ五原則」をご紹介しました。これ、将来社長になる予定の二代目の方にも。 沖縄のとある会社の創業者の息子さんT。県内の専門学校を出て若くして入社し、早くからお父さんが会社の経営を譲る道を準備していていました。ですので、本人も二代目になるものと思っていましたし、社内でもそう思っていました。 こちらも沖縄、別の会社の創業者の息子さんH。県外の私立中高一貫校で過ごし、海外の大学を出て数年ほど外資系企業で働いていましたが、呼び戻される形で入社しました。当然、将来の社長として。 いまでは50代となったこの二人のその後ですが、Tさんは50歳を目前にして会社を去ったそうです。Hさんは社長にはなったものの子会社の社長。この会社のメインストリームの経営を任されるには至らなかったそうです。 働き盛りと言われる30代〜40代のこの二人の過ごし方を先日の「社長が傲慢になるのを防ぐ五原則」に従って振り返ってみました。 1. 早起き二人に共通するのは「あまり会社にいない」Tさんは出勤がかなり遅く、出勤しても昼前には外出して夕方に戻ってくる。Hさんは子会社も兼務していたのですが、会社に顔を出すのは週に1〜2回。会社にいない間に何をしているのか、社員さんに聞いてもはっきりとはわからなかったことも共通しています。 2. 笑顔普段あまり会社にいないこの二人が事務所に入ってくると、それまで和やかな雰囲気から急転して暗く険悪なものに変わっていくのを部外者の私でも感じとることができました。この二人がいる間、職場には会話がなくなりますし、当然笑顔も消えてしまうというのも共通しています。 3. 素直この二人が身近な人の忠告を素直に受け入れられたのかどうか、それは私にもわかりません。たまりかねて私から声をかけたことがありますが、Tさんはスルー。Hさんは、プライドの高い本人の気分を害さないよう婉曲に伝えた私の真意を理解することができず、改めようとはしてくれたものの額面通りに解釈していました。 4. 感謝「社員にはチョー厳しく、自分にはチョー甘い」というのが二人の共通点です。これ、私の言葉ではなく、社員さんからの言葉です。 5. いい出会い50代になったその後の二人をみれば、親身になって忠告してくれる人に出会えなかったのではなかろうかと。Tさんは社交的ではなかったです。交友関係が趣味の集まりの人たちぐらいではなかったかと。Hさんは「あまり会社にいない」理由の一つであった若い経営者が集まる団体の活動に熱心でした。そこで知り合った「先輩にお世話になっている」とか「あの先輩がこんなアドバイスをしてくれた」とかしきりに口にしていました。その先輩たちの忠告やアドバイスはどうだったのでしょう。