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あと37時間

あと37時間

旧盆はまだ先ですが、今日は内地ではお盆の中日ですね。 今回からお読みになる方は、第1回と前回もご覧下さい。金曜日は、問題は何かを確認しました。問題とは 1.排除命令への対応 2.排除命令によるビジネスへの影響の2つで、1.は行政処分なので、最優先で必須でした。 排除命令への対応は ①公正取引委員会は、自社の販売方法について  ・どこが  ・どのように  問題だとしているのかを把握する。 ②公取から指摘された点にどう対応するかを考えるの2段階でした。 まず、公取からの通知文をしっかりと読み込んで、何を問題としているのかを洗い出します。記憶では指摘された点は6つほど。さらに、その6項目のどこがいけないのか、問題とされた理由を把握していきます。 第2段階は、その6項目について対策を検討していきます。ここでいちばん大切なことは、公取が問題としている理由に対してきちんと応えているか。 「ここがいけないということなので改善します」だけではなく、「これで、公取さんが問題とされた理由は解消しましたよね」といえるかどうかです。 これ、お客のクレーム対応も同じではないでしょうか。お客がいったい何に対してどう不満なのか、そこを解消しない限りお客は納得しませんよね。 検討された対策については、実行可能かも検証が必要です。・費用はいくらかかるのか。・手間がどれくらい増えるのか。・人員は足りるのか。など、実際にやれるのかも検証した上で、対応策として決定します。 日付がかわるころ、ここまで終えたところで、土曜日は終了。公取の記者会見まで、あと37時間です。

残り61時間

残り61時間

公正取引委員会による排除命令の記者会見は月曜午後1時。今は金曜の夕方6時。記者会見までに残された時間は67時間。さあどうする? というところまでが前回でした。 緊急事態が起こった時にまずしなければならないことは「問題は何か」です。 ここで感情的になってしまう方がいますが、それは危険です。あの当時にもそういう反応をされる方々がいました。ですが、感情的なってしまったら問題を悪化させることはあっても、良い方向へ向かわせる要素は何もありません。自分が感情的になっているようだったら、第三者的に冷静に見てくれる信頼できる人を側においた方がいいと思います。 ここでは「排除命令とは何か」を把握することが肝心です。 排除命令は公正取引委員会が出す行政処分で、「あなたの会社には、この点について、こういう問題のある状態です。だからこの状態を排除しなさい」という命令です。 名称自体がわかりにくいので、現在では是正措置命令と改称されているようです。「是正しなさい」の方がわかりやすいですね。 そうとわかれば、 ① 公正取引委員会は、自社の販売方法について ・どこが ・どのように 問題だとしているのかを把握する。 ② 公取から指摘された点にどう対応するかを考えるという2点に問題が集約されます。 ここで、公正取引委員会が記者会見して社名が公表されるので、自社のビジネスが影響を受けるのではないか、という問題もありますが、これを混同して考え始めると収集がつかなくなります。 ここでも「問題は何か」ということが重要です。  1.排除命令への対応 2.排除命令によるビジネスへの影響 というように問題を分けて考えなけばなりません。 また、この場合、行政処分である排除命令への対応が最優先でかつ必須であることは議論の余地がありません。 ですから、ビジネスへの影響を考えるのはその次になります。 排除命令への対応については、専務がいくつか素案を用意していたので、それについて議論し、それでも対応しきれていない公取からの指摘事項も含めて土曜日に検討することで金曜日を終えました。 公正取引委員会の記者会見まで残り61時間。

残されたのは67時間。

残されたのは67時間。

台風5号が過ぎ去ったと思ったら、6号と7号が発生し、6号は週末にかけて沖縄へ向けて近づいてきますね。 さて、牧野がサラリーマン時代のお話です。その会社に転職してちょうど1年ぐらい経ったころです。 金曜日の夕方6時、その日の仕事を終えた私は「さぁ今週も終わり。か〜えろっと♪」ってな感じで家路につこうとしました。帰り際にすれ違った専務(私より7歳ほど年下)に「例の対策、バッチリ? できた?」と聞くと、返ってきた答えが「牧野さん、まだ何もできてないんです...」 「え〜っ、マジ!?」と問い返す私。 「助けてくれ」と言わんばかりの表情の専務。 「今まで何やってたの!?もう残り時間ないじゃん!」と、私も呆れてしまいましたが「じゃぁ、今からすぐ始めるよっ!」と対策にとりかかることにしました。 「例の対策」とは、会社の主要製品の販売方法について、公正取引委員会から一番厳しい行政処分である「排除命令(現在は、是正措置)」が出ることへの対策です。 入社した頃から「これ、ちょっと大丈夫?」とは思っていましたが、新参者が口を挟むのはどうかとそのまま見守ってしまい、とうとう来たかという感じでした。 排除命令は事前に通知されて反論する機会も与えられていますが、そのまま反論はせず排除命令を受ける判断を会社はしていました(ここも言いたいことはいっぱいありますが割愛します)。このため、翌週月曜日の午後1時に公正取引員会が記者会見を開き、排除命令を発表することが事前にわかっています。 これは一部の社員の知るところとなり、なにせ会社の売上の大部分を占める主要製品に関することですから、社内には動揺が広がっていました。 この件は、公正取引委員会が調査に入った頃から「こういう厄介なのは僕がやっときます」とかっこよく専務が一切を担当しており、排除命令が確定してからの対策も「すべて僕に任せて下さい」と彼が大見得を切っていたので、いまさら何もできていないとは「オマエ、今まで何やっとんねんっ!」という気持ちをぐっと堪えて、会社の一大事ですからひと肌脱ぐことにしました。 さて、公正取引委員会の記者会見まであと67時間。迫真のドキュメンタリー(?)の始まりです。この続きはまた。

既存客からヒントを探れ

既存客からヒントを探れ

人口10万人あたりの新規感染者数が全国最悪となった沖縄。地元の感染者も増加しており、身近に迫ってきていることを感じます。 それでも今日は朝から地元商工会で経営相談。相談者のみなさんは感染防止対策をしっかりしてお越しください。 さらに、今日夕方にはTEORI WORKS OKINAWAで打ち合わせ。先週末、Chatworkで「いろいろと相談したいこと盛りだくさんです」との連絡。どうしたどうした?ドキドキ… 「相談したい事はあるけど整理出来ていないので、牧野さんに話して問題点を洗い出してもらいたいです!」とのこと。そういうことなら、まっかせなさいっ! ★ ある建築関係の下請けをされている個人事業主さんのご相談。鉄の溶接のお仕事をされているそうです。コロナの影響で、元請けからの工事の発注がほとんどなくなってしまったため、新規事業としてある種の構築物を販売したいので、補助金を活用して販促用にモデル展示を工場の敷地に作りたいとのこと。 これまでモノを売ったことのない人が、いきなりモノを売ろうとしていることに不安を覚えました。私からの質問は「それ、お客さんはどんな人達ですか?」 ご本人にもわからないとのこと。 「誰に向けて売るのかご自分でもわからないのに、補助金を活用するとはいえ何十万円もの自己負担をしてそれを建てるのは、リスク高すぎないですか?どうしてもやりたいなら、まずは縮尺模型とかにしてはどうですか?」 この私の問いには、相談者さんもかなり落ち込んだよう。 「元請業者さんからの仕事はなくなったとはいえ、一般のお客さんからの注文がなくなったわけではないでしょう。一般のお客様からはさまざまな注文が注文が入りますよね。これまでの溶接のお仕事の注文台帳はありますか?あるならば、それを読み返してみてください。これまでの注文の中にコロナを乗り越えるためのヒントがきっとあるはずです。」 これを聞いた相談者さんの顔はみるみる明るくなって帰っていかれました。 注文や販売の履歴には、なにがしかのきっかけが埋もれています。あなたは、売上帳や注文台帳をたまには見返していますか?

差別化とは、ある意味、●●を切り捨てること

差別化とは、ある意味、●●を切り捨てること

沖縄は暑い日が続いてますね。でも日陰にいると海からの風で心地よく過ごせるのが沖縄のいいところです。 ペンションのオーナーさんから相談を受けたことがあります。メゾネットタイプでゆったりと過ごせ、広い芝生の庭があり、海に近くて昔の面影を多分に残す集落にあるというロケーションの良さがウリ、ということだそうです。うん、のんびり過ごせそうですね。グループやご家族連れにも向いてます。確かに、宿泊施設としては差別化が図れるかもしれません。 ところが、もう一つの差別化ポイントを聞くとちょっと話が違ってきます。それは、ペット同伴可、ということ。家族の一員であるペットと一緒に旅行したい、という方にとっては、ペットも一緒に泊まれる宿泊施設は少ないので、大変ありがたいことです。 ですが、ペットを飼っていない方や飼っていても家の外で飼っている方などの中には、たとえ掃除や消毒がきちんとされていてもペットが泊まったことがある部屋はイヤ、という方が出てきます。 これは、「絶対イヤ」というお客を切り捨ててしまう差別化です。差別化の一面もあるかもしれませんが、ターゲットを絞り込んだという側面が強いです。 ターゲットを絞り込むと、そのターゲットを狙う競合との差別化を考えなければなりません。このペンションオーナーさんの話が腑に落ちなかったのは、ターゲットを絞り込んたという認識がないままに差別化を図る話をされていたからなのだと思います。 他社・他店との差別化を狙った場合、こういうこともあるってことは覚えておいてください。 とはいえ「ペットと一緒でなきゃ困る」というお客には熱烈に支持される、という側面もあります。 こう考えると、商売っていうのは自分で選んだ道に「賭ける」ってことなのかもしれませんね。 あなたのご商売の差別化はどうですか?