ブログ

奇跡は、もう一回だけ試してみる人に訪れる

奇跡は、もう一回だけ試してみる人に訪れる

「奇跡」って、運のいい人にだけ起きると思っていませんか?実は、イギリスの数学者ジョン・リトルウッドは、“奇跡”を数学で説明しました。そしてその結論は、「奇跡は誰にでも、35日に一度は訪れる」というもの。この記事では、リトルウッドの法則から、経営にも通じる“奇跡の起こし方”を紐解きます。 目次 「奇跡」を数学で説明した人がいた奇跡は「行動の回数」に比例する「もう一回だけ」やってみる勇気奇跡は、積み重ねの先にある次の「もう一回」に、奇跡が待っている 「奇跡」を数学で説明した人がいた 「リトルウッドの法則」って、ご存じですか? イギリスの数学者ジョン・リトルウッドは、「奇跡」を数学的に説明しようとした人です。 彼はまず、こう定義しました。 「100万回に1回しか起きないような事象を“奇跡”と呼ぶ。」 そのうえで、次のような仮定を置きました。 ・人は1日8時間活動している。・その間、1秒に1回は何かしらの出来事を知覚している。 つまり、1日で約3万回、35日でおよそ100万回の出来事を経験する。そうすると、導き出される結論はこうです。 人は平均して35日に一度は奇跡を体験している。 奇跡とは、“ごくまれな出来事”ではなく、一定の頻度で訪れる「統計的な現象」なのです。 奇跡は「行動の回数」に比例する この法則を、私は「行動の法則」として捉えています。 行動の回数が増えるほど、奇跡(=めったに起こらない成功やチャンス)に出会う確率も上がる。 だから、奇跡を待つのではなく、奇跡に出会う分母を増やす――つまり、行動の回数を増やすこと。それこそが、成功への一番確実な方法なんです。 「もう一回だけ」やってみる勇気 発明王トーマス・エジソンはこう言いました。 私たちの最大の弱点は、あきらめることにある。成功するのに最も確実な方法は、常にもう一回だけ試してみることだ。 この“もう一回だけ”が、奇跡を引き寄せる行動です。 奇跡は、積み重ねの先にある 経営も人生も、うまくいかないことのほうが多いもの。 でも、仮説を立てて動き、検証して、もう一回試してみる。その繰り返しの中で、“まさか”や“思いがけない成功”が生まれる。 それは偶然ではなく、積み重ねが生んだ必然の奇跡です。 次の「もう一回」に、奇跡が待っている 奇跡は、運がいい人のもとに降ってくるのではありません。あきらめずに、もう一回だけ試す人のもとに訪れる。 あなたが今、取り組んでいること。もしかしたら、次の“もう一回”で、奇跡が顔を出すかもしれません。 🪶まとめ 奇跡は「100万回に1回」ではなく、35日に一度起きている 奇跡を起こすには「分母を増やす」=行動を重ねること 成功は偶然ではなく、「もう一回だけやってみる」人に訪れる

社長の「人間的成長」が、会社の未来を育てる

社長の「人間的成長」が、会社の未来を育てる

経営者の責任は「数字をつくること」だけではありません。アサヒグループの元会長・泉谷直木さんが語った「人間的成長こそがトップの責任」という言葉から、経営の本質を考えます。 目次 「会社はトップの器以上にはならない」「人間的成長」とは、どんなことか成長のために、問い続けたいこと社長の成長が、会社の未来を育てる アサヒグループホールディングスの元会長、泉谷直木さん。経営の第一線を長く歩んできた方で、社長時代には経営改革を進め、アサヒビールを再び成長軌道に乗せた人物として知られています。 その泉谷さんの言葉に、こんな一節があります。 日々どれだけ人間的に成長できているか。それがトップの重要な責任である。 経営者の責任といえば──売上、利益、社員の生活の安定、取引先への信頼…。数字や成果で測られるものをまず思い浮かべがちですよね。 けれど、泉谷さんは「人間的成長」こそがトップのいちばん大切な責任だと言うんです。 「会社はトップの器以上にはならない」 なぜ、社長の“人間的成長”がそれほど重要なのか。その理由は、とてもシンプルです。 会社は、トップの器以上にはならないから。 社員は、社長の言葉や行動を通して価値観を学び、判断の基準を身につけていきます。社長が誠実に学び、考え続ける姿を見せれば、社員も自然と学ぶ姿勢を身につけていく。 逆に、トップが学びを止めてしまえば、会社全体の成長も止まってしまう。経営の現場でよく耳にする「社風」というのは、まさに社長の人柄や日々の姿勢の写し鏡なんですよね。 泉谷さん自身、どんなに忙しくても、現場の声に耳を傾ける姿勢を大切にしていたそうです。経営は机の上ではなく、現場の中にある──。その姿勢が、アサヒの再生を支えたのかもしれません。 「人間的成長」とは、どんなことか “人間的成長”とは、知識やスキルを増やすことではありません。それはもっと、心の成熟に近いものだと思います。 たとえば──自分の考えを押しつけずに人の意見を受け止める力。結果ではなく過程を大切にする心。他人の失敗を責めず、自分の責任として引き受ける覚悟。 こうした姿勢のひとつひとつが、会社の文化を形づくっていきます。 京セラの稲盛和夫さんも、**「人間として正しいかどうかで判断しなさい」「心を高めることが経営をよくする道だ」**という趣旨の発言を数多く残されています。経営は技術ではなく、人格の表現。トップがどんな心で日々を過ごしているかが、会社の未来を決めていくんです。 成長のために、問い続けたいこと 泉谷さんの言葉にある「どれだけ人間的に成長できているか」という問いは、もしかすると、社長にとって最も厳しく、最も大切な質問なのかもしれません。 昨日よりも少しだけ、社員の話を丁寧に聴けたか。昨日よりも少しだけ、感情に振り回されずに判断できたか。昨日よりも少しだけ、誰かの立場に立って考えられたか。 その「少しずつ」の積み重ねが、会社の未来を育てていく。成長というのは、突然やってくるものではなく、日々の姿勢の延長線上にあるのだと思います。 社長の成長が、会社の未来を育てる 経営者は孤独な立場です。時に決断に迷い、心が揺らぐこともあるでしょう。でも、そんなときこそ「自分は昨日よりも成長できているか」と問いかけてみる。 数字の結果だけでなく、心の変化を見つめる時間を持つこと。それが、会社を長く、健やかに育てる土台になるのではないでしょうか。 泉谷さんの言葉にもう一度戻ってみましょう。 日々どれだけ人間的に成長できているか。それがトップの重要な責任である。 社長の成長が、会社の未来を育てる。そしてその未来は、社長の“今日”の姿勢から、すでに始まっているのかもしれません。

経営者に求められる誠実さ

経営者に求められる誠実さ

はじめに 経営の現場では、社長が日々どんな言葉を口にするか、その言葉をどう行動で裏づけるかが、組織の雰囲気や社員の信頼を左右します。経営における「リーダーシップ」とは、単に先頭に立って指示を出すことではなく、自らの言葉に責任を持ち、その言葉を日々の行動で証明することです。 実は私自身、最近とても大きな気づきを得ました。日本の教育者・森信三と、マネジメントの父・ピーター・ドラッカー。洋の東西を代表する二人が、同じことを語っていたのです。 それは── 「誠実さとは、言行一致である」 ということ。「誠実=優しさ」「誠実=正直さ」と思い込んでいた私には、強烈な衝撃でした。 誠実とは、言葉と行動にズレがない状態。この発見をきっかけに、経営者にとっての一貫性や信頼の本質について、改めて考えるようになったのです。 言葉に“体重”が乗る人とは 私の知人に、東京で会社を経営している40代の女性がいます。彼女は8年前、勤めていた会社の危機を救うため、自ら創業の道を選びました。それ以来、試練の連続。経営者として数々の修羅場を経験してきました。 だからでしょうか。彼女の言葉には、いつも重みがあります。私はそれを「言葉に体重が乗っている人」と表現しています。 オンラインで話をしていると、気づけば3時間、4時間があっという間に過ぎてしまう。あるときそのことを伝えると、彼女は笑いながら「私、体重ありますからね?」と冗談を返してくれました。しかし同時に、その言葉の意味を理解し、うなずいてくれたのです。 では、「言葉に体重が乗っている」とはどういう状態なのでしょうか。 ● 話す内容に経験の裏打ちがある● 例え話や表現が的を射ている● 言動にその人なりの一貫性がある 逆に「言葉が軽い」と感じられる人もいます。 ▲ 経験の裏づけが感じられない▲ 借り物のような表現ばかり使う▲ 言動に一貫性がない 同じ言葉でも、ある人が話すと心に深く残り、別の人が話すと右から左へ抜けてしまう。違いは「言葉に体重が乗っているかどうか」なのです。 経営者が社員に語りかけるとき、その言葉に“体重”が乗っているかどうか。これは会社の信頼を左右する大切な要素です。 誠実とは「言行一致」である 言葉に体重をのせるために必要なのは、言葉と行動の一貫性です。この「一貫性」について、私は最近あらためて驚かされたことがあります。 それは、日本の教育者・森信三と、マネジメントの父・ピーター・ドラッカー。洋の東西を超えて、この二人が同じことを語っていたのです。 まず森信三は『誠実』について、次のように説いています。 『誠実』とは、言うことと行うことの間にズレがないこと。いわゆる『言行一致』であり、随(したが)って人が見ていようがいまいがその人の行いに何らの変化もないことの『持続』をいう。─『森信三一日一語』 そしてドラッカーはこう述べています。 信頼するということは、リーダーの言うことはリーダーの真意であるということについて確信を持てることである。それは、『誠実さ』という誠に古くさいものに対する確信である。リーダーの行動と、リーダーの公言する信念とは一致していなければならないし、少なくとも矛盾してはならない。─ ピーター・ドラッカー「未来企業」 ここに共通するのは、誠実とは「優しさ」や「正直さ」ではなく、言行一致であるという考え方です。 つまり「誠実な経営者」とは、言葉と行動が一致している人。言い換えれば「一貫性のある人」です。 一貫性は信頼を生む資産 経営者にとって、一番の資産は「信頼」です。銀行からの融資も、社員からの支持も、取引先との関係も、すべては信頼の上に成り立っています。 では、その信頼はどのように築かれるのでしょうか。派手な実績や大きなプロジェクトだけではありません。むしろ、日々の言葉と行動が一致しているかどうかという、小さな積み重ねから生まれるものです。 「言うことは言うが、やらない」「社員には厳しいことを言うが、自分は守らない」 こうした矛盾は、瞬時に社員の心を冷めさせてしまいます。反対に、どんな小さな約束も守り、どんな状況でも自らの信念に基づいて行動する経営者は、自然と社員の尊敬を集めます。 「言葉に体重をのせる」とは、経験を背負い、一貫性を貫き、誠実さを行動で証明すること。その姿勢が、経営者としての最大の信頼資本を築くのです。 誰も見ていないところでこそ試される 森信三は「人が見ていようがいまいが変わらないことが誠実だ」と説きました。つまり、一貫性は“見えないところ”でこそ試されます。 例えば、 ▲「お客様第一」と言いながら、実際は自社の都合を優先する▲「挑戦を恐れるな」と言いながら、決裁は慎重すぎて前に進まない▲「現場を大事に」と言いながら、現場にほとんど顔を出さない こうしたズレは、社員に一瞬で見抜かれます。口先では立派なことを語っても、行動が伴わなければ信頼は積み上がりません。逆に、小さな約束を守り続け、信念に基づいた行動を一貫して取る人こそ、本当の意味で信頼される経営者です。 あなたの言葉と行動は一致していますか? ここで、ぜひ自分自身に問いかけてみてください。 ・社員に向ける言葉と、日々の行動は矛盾していないか?・誰も見ていないときでも、同じ姿勢を貫けているか?・自分の発する言葉に、経験と一貫性の“体重”は乗っているか? 経営者にとって、言葉は会社の方向性を決める「羅針盤」です。その羅針盤がブレていれば、社員も迷い、組織も揺らぎます。 まとめ 経営における「誠実」とは、言葉と行動の一貫性、すなわち言行一致にほかなりません。言葉に体重をのせるとは、自分の経験と信念を背負い、そのとおりに行動すること。 社員や顧客、取引先は、その一貫性を通じて経営者を信頼します。信頼は一朝一夕に築けるものではなく、日々の積み重ねによってしか得られません。 経営者としてのあなたの最大の資産は「信頼」です。そしてその信頼は、誠実さ=言行一致からしか生まれないのです。

老舗とは、“何を捨てずに守ってきたか”の物語。

老舗とは、“何を捨てずに守ってきたか”の物語。

老舗と聞くと、「長く続いていること」そのものが価値だと思われがちです。しかし本当に問われるのは、続けるために何を選び、何を手放さずにきたのか。その判断の積み重ねではないでしょうか。330年以上続く半兵衛麩の歩みは、老舗の価値を静かに問い直してくれます。 目次 330年以上続く老舗の重み「長く続いたことがすごいのではない」守り抜いてきた理念と暖簾家訓と理念だけが残った再建変える力と、変えない勇気 330年以上続く老舗の重み 京都の老舗・半兵衛麩。その創業は1689年、実に330年以上の歴史を持つ企業です。十一代目当主の玉置辰次さんは、この長い歴史を語るとき、意外な言葉を口にします。「長く続いたことがすごいんじゃない」。数字だけを見れば圧倒的な歴史ですが、玉置さんの視線は、もっと別のところに向いています。 「長く続いたことがすごいのではない」 玉置さんが大切にしているのは、「老舗の価値とは、長く続けるために、何を捨てずに守ってきたかにある」という考え方です。時代が変われば、商売のやり方も、環境も、価値観も変わります。その中で、何を変え、何を変えないのか。その選択の積み重ねこそが、老舗を老舗たらしめているのだと感じます。 守り抜いてきた理念と暖簾 半兵衛麩が守り続けてきたものは、派手な戦略や巨額の資本ではありません。先義後利、正直、勤勉、節約、貯蓄。そうした価値観と、“暖簾”という名の信用でした。戦争で商売ができなくなったときも、不正をしてまで利益を得る道は選ばなかった。家を売ってでも、ご先祖様と自分の心に恥じない選択を貫いた。その判断が、後の信頼につながっていきます。 家訓と理念だけが残った再建 戦後、再建は鍋としゃもじから始まりました。特別な資産があったわけではありません。あったのは、家訓と理念だけ。それが、最強の経営基盤だったのだと思います。その後、商いは少しずつ息を吹き返し、いまでは年商16億円規模の企業へと成長しています。結果だけを見れば成功物語ですが、その土台には、捨てなかった価値観があります。 変える力と、変えない勇気 時代は常に変わります。顧客のニーズも、社員の価値観も、ビジネスモデルも移り変わっていきます。だからこそ、「変えないもの」があることが、企業の軸になります。長く続く会社とは、時代に合わせて変わる力と、変えずに守る勇気の両方を持っている会社ではないでしょうか。何があっても手放さない考え方。受け継いでいきたい想い。譲れない判断の軸。それがある会社は、どんな風が吹いても倒れにくい。時間が経っても、色褪せにくい。理念とは、会社の“根っこ”であり、“心の灯”でもある。半兵衛麩の歩みは、そのことを静かに教えてくれているように思います。 公開・更新履歴2025年10月6日:公開

「根を腐らせなければ、花は咲く」――父の教えが支えになった

「根を腐らせなければ、花は咲く」――父の教えが支えになった

経営が苦しいとき、人はつい「何を変えるか」に意識が向きがちです。しかし、本当に問われるのは「何を変えずに守るか」なのかもしれません。戦後、何もないところから商いを再開した半兵衛麩。その背後には、父から受け継がれた一つの教えがありました。目に見えない“根”が、老舗を再び立ち上がらせたのです。 目次 何もないところからの再スタート父が語った「冬の花」のたとえ理念という名の“根っこ”変わらないからこそ、判断基準になる経営を支える養分とは何か 何もないところからの再スタート 戦後間もない頃、半兵衛麩の十一代目、**玉置辰次**さんは、ガスコンロと鍋ひとつから麩屋を再スタートさせました。資金もなければ、職人も機械もない。商売として見れば、限りなくゼロに近い状態だったといえます。それでも、たった一つだけ、確かに手元にあったものがありました。それが、父から託された“教え”でした。 父が語った「冬の花」のたとえ 父は、こんな話をしてくれたそうです。「いま、うちは麩を作ろうと思っても作れんのや。誰でも辛いときがある。そのときは、じっと辛抱するんや」。続けて、こう語りました。「花咲かぬ冬の日は、下へ下へと根を生やせ。そして雪の水をたくさん吸って、雪が溶けたら、その養分で花を咲かせたらええ」。さらに父は、その言葉の意味をこう締めくくります。「わしがいま話してるのは、おまえの心の根に養分をやろうとしてるんや。根、つまり“理念”さえ腐らせなければ、必ず花は咲く」。 理念という名の“根っこ” 私はこの話に触れて、三百年企業の経営基盤とは、こういうものなのだと感じました。理念があるから信念が生まれ、信念があるから判断がぶれない。商売には浮き沈みがあります。しかし、根がしっかり張っていれば、木は簡単には倒れませんし、時が来れば、また花を咲かせることができる。そのことを、父はたとえ話として、息子に手渡していたのだと思います。 変わらないからこそ、判断基準になる 経営の現場では、「こんな時代だから柔軟にやらなきゃいけない」「暖簾や理念にこだわると、変化に乗り遅れる」と言われることもあります。確かに、やり方や形は変えていく必要があるでしょう。ただ、理念は変わらないからこそ、変わり続ける環境の中で判断基準になります。何を選び、何を捨てるのか。その分岐点で立ち返る“軸”があるかどうかが、経営の安定感を左右するのではないでしょうか。 経営を支える養分とは何か 玉置さんは後に、こう振り返っています。「悔しさも、反骨心も、すべて“養分”になった」「あの一言があったから、人一倍頑張れた」「あれも“ご縁”だったと思えるようになった」。経営の中で経験する苦しさや失敗は、避けたいものです。しかし、それらをどう受け止め、何に変えていくかで、会社の根は太くも細くもなります。売上が落ちたとき、人が辞めたとき、新しい挑戦を前に迷ったとき。その判断を支える理念という名の根っこが、会社の足元を静かに支えてくれるのではないでしょうか。 公開・更新履歴2025年10月3日:公開