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コロナ禍転じてバスから降ろす

コロナ禍転じてバスから降ろす

沖縄本島ではここのところ太陽が顔を出してくれませんね。熱帯低気圧が発生し、週末にかけて台風9号となって沖縄に近づいてきそうです。またしばらく太陽が見れないのか… ☆ 「コロナ禍」 ほとんどの経営者の方々にとっては、まさに禍(わざわい)です。でも、この禍を機に、長年の懸案を解決した方もいらっしゃいます。 起業の経緯は人それぞれでしょうが、起業時の資金を自分だけではなく、他の人にも出資を仰いで起業した方もいることでしょう。けれども、起業して時がたつにつれて、その資本関係が重荷になってくる場合があります。利害であったり、人格であったり、その理由は様々でしょう。株をすべて買い取れればいいのでしょうが、なかなかそうはいかない事情もあります。ですが、事あるごとにこの資本関係が経営者にとってとてつもないストレスになり続けます。ジェームズ・コリンズの言葉を借りれば、「バスに乗せて出発してみたら、間違った人だった」ということでしょうか。 ※バスとその乗客ついては、「誰をバスに乗せるか」を参照 ある社長さんは、この機に株の買取を申し出たところ、すんなりとすべて買い取れたそうです。それも額面で。相手にしてみれば「この先の状況が読めない中で、紙くずになる可能性だってある株を額面で買い取ってくれればありがたい。今のうちに売っちゃえ」ということでしょうか。 また別の社長さんは、会社を精算することに株主全員から同意してもらいました。業績が急激に落ち込み、この先の不透明は状況では、清算の同意が得やすかったのかもしれません。 最終形がその社長さんにとって望ましい形なのかどうかはわかりませんが、少なくとも、お二人とも長く苦しめられてきた資本関係という荷を降ろすことができました。まさに、コロナ禍が転じて、間違った人をバスから降ろせました。

「みんなでがんばる」ってこういうこと

「みんなでがんばる」ってこういうこと

https://youtu.be/w-SXHKmDCnI 沖縄本島では、通過したはずの台風8号の影響がまだまだ残っていますね。とおもっていたら次の9号がやってきそうですね。外に出て散歩したい... ☆ 昨日は、小規模事業者補助金セミナーの追加開催がすぐに満席となり、申し込んでいただいたみなさま、本当にありがとうございました。セミナーの中でお話した、補助金の申請書を書く前にやっておくべきことについて、近々にセミナーを開く予定です。 ☆ 毎週金曜日の11:00からFM那覇で生放送している「車座RADIO」。経営者が集まる「守成クラブ沖縄」がスポンサーで、毎週、会員さんをゲストに招き、お話を伺う番組です。第3金曜日は私がナビゲーターなんです。 先週金曜日はちょうど第3金曜日。その様子は上の動画をご覧ください。 ゲストは株式会社リアンズ沖縄代表取締役 杉本満さん。沖縄でリネンサプライサービス事業を展開されています。 リネンサプライと聞いてパッと思い浮かぶのは、ホテルのシーツや枕カバー、タオルのクリーニング。どれもホテルのロゴやマークが入っているので、シーツやタオルはどちらの持ち物なのかお聞きすると、ナント、リネンサプライ事業者さんが用意するとのこと。その代わり複数年契約してもらい、クリーニング料金に含めて契約期間内で回収していくんだそうです。「リネンサプライ」の名のとおり、リネン自体も供給しているんですね。 でも、新型コロナの影響でホテルの稼働はかなり落ちています。するとリネンのクリーニング回数も激減しているので、料金の中で回収していくはずのリネン代金が回収できなくなるじゃないですか。そのあたりを杉本さんにお聞きすると、「ここは、ホテルさんにも頑張ってもらって、私たちもがんばる。そうやってみんなで乗り越えるしかないですよね。」とおっしゃっていました。 マスコミなどで「みんなで頑張っていこう」なんて言ってるのが聞こえてくると「みんなで」という言葉に漠然としたものを感じていましたが、杉本さんのお話を伺って「誰と」「何を」がリアリティをもって感じられました。 みんなでがんばって乗り越えていきましょう!

ついに公取の記者会見!

ついに公取の記者会見!

いよいよ13時から公取の記者会見です。 ここまでの経過というと、1日目の金曜夜は、問題を 1.排除命令への対応 2.排除命令によるビジネスへの影響の2つに特定し、2日目の土曜日は、行政処分なので最優先かつ必須の1.についての対応策の策定。3日目の日曜日は、2.の影響範囲について、フレームワークを使ってもれなく洗い出し、それぞれについて対策を考えました。 今回からお読みになる方は、第1回から第5回もご覧下さい。第1回:https://banso-sha.jp/blog/20200812/第2回:https://banso-sha.jp/blog/20200813/第3回:https://banso-sha.jp/blog/20200814/第4回:https://banso-sha.jp/blog/20200817/第5回:https://banso-sha.jp/blog/20200819/ 万全の準備は昨日までに終えたと思って月曜日の朝出勤すると、運良く広告代理店さんが来ていて、「記者会見があるなら、マスコミ対策もしておいた方がいいでしょう」と県庁記者クラブへの投げ込みをしていただけることになりました。 記者会見の時刻に合わせてホームページにUPしようとしていた掲載文をライターさんにチェックいただいて、マスコミへの文章に仕上げ、問い合わせ先を専務と私にして広告代理店さんに託しました。 顧問弁護士さんとも打ち合わせして本社へ戻る途中で記者会見が始まっており、本社に到着するとマスコミからの電話がジャンジャン。それらの電話を専務と二人でさばき、用意しておいたコメントを伝えていきました。 また、この件に関するお客様からのお問い合わせクレームの電話も数本だけ。こちらもすでに立てた方針どおりお客様に説明してさしあげると、気持ちの上で納得いただけない方もいらっしゃいましたが、理解はしていただけました。 朝から慌ただしい日でしたが、マスコミやお客様からの電話もかからなくなってから併設の直営店舗に出てみるといつもと変わらぬ店内の様子。 最悪の事態を想像しながら深夜まで対策に追われながら過ごした週末だっただけに、ちょっと拍子抜けすると同時に、どっと疲れが出てきたのを覚えています。 では、対策は無駄だったのかというと、絶対にそうではありません。やれるだけのことはやったという万全の準備をしていたからこそのこの日の結果だと思います。 とはいえ、これで安心するのはまだまだ早いんです...続きはまた。

ヤマを超えたあと、一番難しいこと

ヤマを超えたあと、一番難しいこと

公取の記者会見のあと、想定していたほどの混乱もなく日常に戻りましたが、これで安心して終わりというわけにはいきません。 これまでをまとめてお読みになる方は以下からどうぞ。第1回:https://banso-sha.jp/blog/20200812/第2回:https://banso-sha.jp/blog/20200813/第3回:https://banso-sha.jp/blog/20200814/第4回:https://banso-sha.jp/blog/20200817/第5回:https://banso-sha.jp/blog/20200819/第6回:https://banso-sha.jp/blog/20200821/ 大した混乱もなく日常の営業は続けられましたが、これで終わりというわけにはいきません。主要製品の販売方法について排除命令を受けた以上、改めていかなければならないからです。 金曜日の夜から日曜日にかけて検討し、ホームページやプレスリリースで公表した改善策をきちんと実施していくことに他なりません。 とても地道な作業です。スケジュールを決め、各対策の実施方法を定めて説明します。実際にやってみると現場から意見や質問が上がってくるので。それに対して変更するのか、あえてそのまま続けてもらうのか、意見交換しながら検討していきます。 また、対策がきちんと現場で行われているのかどうか、グループ各社を回って確認し、改善する必要があれば指示していきます。 これをコツコツ続けて、すべての対策を実施し終えたところで公正取引委員会に報告書を提出しました。 じゃぁ、もうこれで終わりかというとそうではありません。定着させて維持していかなければなりません。現場からの要望に対して応えたり、想定していなかったケースについての相談などもあります。現場の判断で基準が緩んでしまったり、止めてしまうということもありました。これは持久戦で、定期的にグループ各社を巡回して意見を聞いたり、相談に乗ったり、実施状況をチェックし続けました。 この地道な努力が1年後に思わぬ形で報われますが、それはまたの機会に。 実施した対策は、定着させなければなりません。この定着がいかに難しいか。 計画や対策を実施しても、最初はよくても時間が経つとうやむやになってしまう事業者さんをかなり見てきました。 あなたの事業所はどうですか?

あと13時間

あと13時間

公取の記者会見はいよいよ明日です。1日目の金曜夜は、問題を 1.排除命令への対応 2.排除命令によるビジネスへの影響の2つに特定し、2日目の土曜日は、行政処分なので最優先かつ必須の1.についての対応策の策定。3日目の日曜日前半は、2.の影響範囲について、フレームワークを使ってもれなく洗い出したしたところまでを終えています。今回からお読みになる方は、第1回から第4回もご覧下さい。第1回:https://banso-sha.jp/blog/20200812/第2回:https://banso-sha.jp/blog/20200813/第3回:https://banso-sha.jp/blog/20200814/第4回:https://banso-sha.jp/blog/20200817/影響範囲を考えるに際して、一般的に考えられているステークホルダーの枠組みを利用しようとしました。・株主・債権者・得意先・仕入先・地域社会・行政機関 これに社員・従業員を加えて、専務と一緒に考えることにしました。 ■ 株主 一般的な中小企業のように、経営陣がすべての株を所有しているので、この場合考える必要はありません。 ■ 債権者、仕入先 まず、借り入れがあるので金融機関ですが、こちらは経営陣に任せることにしました。買掛金についてもほとんどの買掛先がグループ企業でしたので、こちらも対処不要。原材料の仕入先については、営業に支障が出ていないことを示すのが先だと考え、これも対応はひとまず置いておくことにしました。 ■ 地域社会 地域社会というか、この場合は業界でしょうか。公取から販売方法について指摘を受けた主要製品は、20年にわたって製造販売してきたもので、こうしたケースは競合会社が公取に情報を流して訴えているケースが多いそうです。ですので、対応のしようがありません。 ■ 行政機関 公取については、前日に1.の排除命令への対応策の検討を終えています。許認可事業でもありませんので、ここも対応の必要はなさそうです。 ■ お客様・得意先 直営店での小売と、小売店・卸業者への卸販売を行っていました。売上規模でいうと6:4で直販でしょうか。 (1)お客様への販売方法に関して排除命令を受けたわけですから、1.の排除命令への対応策で検討した販売方法の改善策がまず最優先。これを販売の現場で徹底することです。 (2)次に、この件に関してお客様からのお問い合わせに対してどう答えるか。ここはもう誠実に答えることに尽きます。想定される問い合わせの答えを用意しました。 (3)そして、返品を希望されたお客様へどう対応するかです。ここは最悪のケースを想定し、費用算出しておきました。専務には最悪ケースの場合の覚悟については経営陣に説明しておいてもらうよう依頼しました。 卸売先についても、基本的には①、②を小売の現場で徹底してもらうこと、③は卸先についても同様です。 また、今回の排除命令を受けた経緯と対応についてホームページでの掲載文を作成し、公取の記者会見の開始時刻と同時刻にUPするよう手配をかけました。 ■ 社員・従業員 社内、グループ内に動揺が広がっていますから、販売方法の改善を徹底していく上でも肝心なところです。ですので、  - 不安にならないこと。動揺しないこと。 - (1)、(2)、(3)を会社としての対応策とするので、これを社内に周知徹底すること。 - 公取の記者会見後は、マスコミの電話や取材が来るだろうけれども、全て専務か牧野に回すこと。 以上をメールにして各職場の責任者に送り、月曜日の朝一番で朝礼を開き、メールの内容をプリントして配って説明するよう依頼しました。 各職場への責任者へメールの送信ボタンを押したところで、やれることは全てやりました。 13時間後の明日は、ついに公取の記者会見です。 この続きはまた。