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笑顔は、最強の経営資源

笑顔は、最強の経営資源

前向きさの順番について 経済環境が厳しかったり、変化のスピードが速かったりすると、どうしても先のことを考えて気持ちが重くなることがあります。状況が落ち着いてから動こう、良くなってから前向きになろう、そう考えてしまうのも自然なことかもしれません。 そんなとき、私がよく思い出す言葉があります。 「楽しいから笑うのではない、笑うから楽しくなるのだ」   ──ウィリアム・ジェームス(諸説あり) この言葉は、気分や環境が整うのを待つのではなく、まず自分のあり方を変えてみる、という視点を与えてくれます。 目次 言葉を言い換えて考えてみる前向きさの「順番」を逆にする気持ちが変わると起きること笑顔という経営資源 言葉を言い換えて考えてみる 先ほどの言葉を、少し言い換えると、こんな表現もできるのではないでしょうか。 「運がいいから楽しいのではない。楽しいから、運がやってくる」 業績がいいから前向きになる、環境が整っているから笑える。もちろん、それも一理あります。 ただ、それがいつも成り立つとは限りません。条件が整うのを待っているうちに、気持ちだけが疲れてしまうこともあります。 前向きさの「順番」を逆にする そこで、順番を逆にしてみたらどうでしょうか。不安定な状況だからこそ、まずは笑って仕事をしてみる。すると、不思議と気持ちが少し軽くなり、考え方に余裕が生まれます。 その結果、アイデアが浮かんできたり、人との関係が少し良くなったりすることがあります。気がつくと、「あれ?なんだか流れがいいぞ」と感じるような出来事が起き始めることもあります。 気持ちが変わると起きること 前向きな気持ちは、特別な出来事が起きてから生まれるものだと思われがちですが、必ずしもそうではありません。先に自分の姿勢を変えることで、見える景色や受け取るものが変わってくることがあります。 私は、こうした変化が現場で起きる場面を、これまで何度も見てきました。大きなきっかけがなくても、ちょっとした心の持ち方の違いが、その後の流れを変えることがあります。 笑顔という経営資源 笑顔は、コストゼロでできる最強の経営資源です。特別な準備も投資も必要ありませんが、職場の雰囲気や自分自身の状態に、確かな影響を与えます。 状況が簡単ではないときほど、しかめっ面で耐えるより、笑いながら工夫するほうが、次の一手が見えてくることもあります。今日一日、意識して口角を少し上げてみる。それが、流れを変える最初の一歩になるかもしれません。 公開・更新履歴2026年01月05日:公開

正しさより、崩れないほうを選ぶという基準

正しさより、崩れないほうを選ぶという基準

ゴン中山の言葉が、いまも残っている理由 ゴン中山、覚えていますか。サッカー好きならもちろん、そうでなくても一度は聞いたことがある名前だと思います。中山雅史さんです。 彼が語った、こんな言葉があります。 「たいせつなのは、立ち止まったぶんをすぐに取り返すこと、開いた穴をすぐに埋めることだ。『明日にしよう』は絶対にやってはいけない。開いた穴を放っておくと、どんどん崩れていく。」 この言葉は、勢いで出てきたものではありません。背景を知ると、なるほどと思わされます。 目次 ・やるべきことと、やりたいことに挟まれたとき・「選んだあと」がいちばん大事・穴が開くことより、放置することの問題・今日、ほんの少し埋めてみる やるべきことと、やりたいことに挟まれたとき たとえば、しばらく会っていなかった友達が突然やってきて、「飲みに行こうぜ」と誘ってくる。翌朝は早くから練習がある。本当は行かないほうがいい状況です。 でも、その誘いを断ること自体が大きなストレスになるならどうするか。ゴン中山は、そんなとき「だったら遊びに行ってもいい」と考える人です。お酒を我慢することがストレスになるなら、飲んでもいい。 やるべきことを優先できない自分を責めるよりも、まずは心の状態を整えることを選ぶ。その判断自体を否定しない姿勢が、彼らしいところだと思います。 「選んだあと」がいちばん大事 そのうえで、あの言葉が出てきます。つまり、「やるべきこと」と「やりたいこと」のどちらか一方しか選べない、と思い込まなくていい、ということです。 どちらを選んだとしても、本当に大事なのはそのあと。立ち止まったなら、すぐに取り返す。開いた穴は、今日のうちに埋める。この切り替えの速さが、ゴン中山のスカッとした対処法なのだと思います。 穴が開くことより、放置することの問題 経営でも、人生でも、似たような場面はあります。やらなきゃいけないこと、やっておいたほうがいいことがあるのに、今はそれができない。そして「できなかった自分」を、いつまでも責め続けてしまう。 でも、問題なのは穴が開いたことそのものではありません。穴を放っておくから、どんどん崩れていくのです。放置することのほうが、よほど影響は大きい。 今日、ほんの少し埋めてみる 最近、「明日にしよう」と口にしたことはないでしょうか。もし思い当たるなら、今日、ほんの少しでいいので、その穴を埋めてみる。完璧にやる必要はありません。 ゴン中山が言うように、崩れてしまう前に。そんなタイミングで思い出したい言葉です。 公開・更新履歴2026年01月02日:公開

迷路に出る前で、立ち止まっていた

迷路に出る前で、立ち止まっていた

もう一度、あの本を聴き終えたあとで手が止まった 2000年ごろに一度読んだはずの本を、四半世紀たってもう一度手に取りました。正確には、Audibleのおすすめに流れてきて、なんとなく再生した、というほうが近いでしょうか。内容はほとんど覚えていませんでしたし、「昔流行った寓話的なビジネス書」くらいの距離感で聴き始めています。 ところが、聴き終えたあと、しばらく動けなくなりました。止まったのは時間というより、頭と体の間にある何かです。これは当時読む本ではなく、「今」読む本だったのだな、と、遅れて腑に落ちてきました。 改めて向き合ったのは、スペンサー・ジョンソンの『チーズはどこへ消えた?』です。物語としてはとてもシンプルなのに、今の自分の足元にだけ、やけに重く引っかかってきました。 目次 ・もう一度、あの本を聴き終えたあとで手が止まった・しがみつきたくなるものほど、手放しにくい・環境は音を立てずに変わっていく・迷路に一歩出る、という小さな選択 しがみつきたくなるものほど、手放しにくい 特に胸がざわっとしたのが、物語の中で壁に刻まれる言葉でした。 「自分のチーズが大事であればあるほど、それにしがみつきたくなる」 この一文は、説明も比喩も要らないほど、そのままこちらの事情に触れてきます。 会社でも、仕事でも、人生でも、似たような場面はいくらでも思い当たりますよね。うまくいっていたやり方、慣れ親しんだ取引先、かつて正解だった成功体験。時間をかけて積み上げてきたものほど、「自分のチーズ」になっていきます。 大事にしてきたからこそ、手放すことが怖くなる。その感覚自体は、とても自然なものです。問題は、その自然さが、変化への反応を遅らせてしまうところにあります。 環境は音を立てずに変わっていく この本が容赦ないのは、 「変わらなければ、破滅することになる」 と、かなり直接的な言葉で突きつけてくる点でしょう。少し怖さを感じるのも無理はありません。 ただ、読み返してみて強く残ったのは、「変化は劇的な音を立てて起こるわけではない」という感触でした。環境は静かに、しかし確実に変わっていきます。気づいたときには、いつもの場所にあったはずのチーズが、もう存在しない。 この「気づいたときには」という部分が厄介です。変化の最中にいるときほど、人はそれを変化として認識しにくい。だからこそ、しがみついている感覚のほうが、よほどリアルに感じられてしまいます。 迷路に一歩出る、という小さな選択 一方で、この本は怖さだけで終わらせません。 「新しい方向に進めば、新しいチーズが見つかる」 「恐怖を乗り越えれば、楽な気持ちになる」 「チーズがないままでいるより、迷路に出て探したほうが安全だ」 読み返すほどに、これらの言葉は年の初めにふさわしい温度を持っていました。 変わることには、やはり勇気がいります。不安もありますし、失敗する可能性も消えません。ただ、変わらないことのリスクは、思っている以上に大きい。その事実だけは、静かに受け取っておきたいところです。 大きく変わる必要はありません。全部を捨てる必要もない。ただ、迷路に一歩、足を踏み出す。それだけでいい、という感覚です。派手ではなくても、止まらないこと。才能とは継続する力であり、毎日1%の変化を重ねていくこと。その姿勢そのものが、経営者としても、一人の人間としても、いちばん強い生き方なのだと思えました。 公開・更新履歴2026年01月01日:公開

経営計画は仮説で立てる|PDCAは「仮説を回す」思考のサイクル

経営計画は仮説で立てる|PDCAは「仮説を回す」思考のサイクル

前編・後編では、売上を「客数」と「客単価」に分解し、経営計画の目標を仮説として立てる考え方を整理してきました。しかし、仮説を置いて目標を立てただけでは十分ではありません。本記事では、その仮説をどう磨き続けるのかという視点から、PDCAの本当の意味を捉え直します。 <参照記事>※本記事は、以下の2つの記事を受けて書いています。・【前編】経営計画は仮説で立てる |「売上=客数×客単価」の客数を分解する・【後編】経営計画は仮説で立てる |「売上=客数×客単価」の客単価を分解する 目次 仮説を立てたあと、何が重要になるのか本当に差がつくのは「結果の見方」感想ではなく「次の仮説」をつくれているかPDCAは仮説を回すプロセスである仮説がないとPDCAは止まってしまう客数・客単価の分解はPDCAの準備だったPDCAは「作業」か「思考」か 仮説を立てたあと、何が重要になるのか 前編、後編と、目標は仮説をもって立てようという話をしてきました。客数はどう組み立てるのか。客単価はどう設計するのか。どちらも「なんとなく」ではなく、仮説を置いて考えることが大切だ、という内容でした。 ただ、ここで一つ、とても大事なことがあります。仮説にもとづいて目標を立てたら、それで終わり……ではありませんよね。むしろ、ここからが本番だと私は考えています。 本当に差がつくのは「結果の見方」 仮説をもとに目標を立てたら、実行する。そして結果をチェックする。これは、経営者であれば誰もが日常的にやっていることだと思います。 しかし、本当に差がつくのは、その次です。結果を見て、「なぜ目標を超えたのか」「なぜ届かなかったのか」という問いを、どこまで深く考えているでしょうか。しかも、それが単なる感想ではなく、「次の仮説」になっているでしょうか。 感想ではなく「次の仮説」をつくれているか たとえば、新規客が想定より増えたのはなぜなのか。リピートが伸びなかったのはなぜなのか。客単価が想定より上がった理由は何だったのか。こうした問いに向き合うことで、新しい仮説が生まれます。 そして、その仮説にもとづいて対策を考え、また実行する。この繰り返しが、経営の精度を少しずつ高めていきます。 PDCAは仮説を回すプロセスである ここまで聞いて、こう思った方もいるかもしれません。「PDCAって、結局“仮説を回している”だけじゃないのか」と。 その通りだと思います。Plan(計画)は仮説を立てること。Do(実行)は仮説を試すこと。Check(評価)は仮説が合っていたかを確認すること。そしてAct(改善)は、次の仮説を立てることです。PDCAとは、仮説と検証を回し続ける思考のサイクルなのだと言えるでしょう。 仮説がないとPDCAは止まってしまう 目標に仮説が入っていないと、PDCAは回りません。Checkの段階で、「よかった」「ダメだった」という感想で止まってしまいます。これでは、次の一手が生まれにくい。 一方で、仮説をもって立てた目標であれば、結果は必ず次の仮説のヒントを残してくれます。数字は、責めるためのものではなく、考えるための材料になるのだと思います。 客数・客単価の分解はPDCAの準備だった これまでお伝えしてきた、客数の分解や客単価の設計も、すべてPDCAを回すための仮説づくりでした。どこをどう動かすつもりだったのかが言葉になっていれば、結果の数字は多くのことを教えてくれます。 <参照記事>※本記事は、以下の2つの記事を受けて書いています。・【前編】経営計画は仮説で立てる |「売上=客数×客単価」の客数を分解する・【後編】経営計画は仮説で立てる |「売上=客数×客単価」の客単価を分解する PDCAは「作業」か「思考」か あなたの会社では、PDCAは「作業」になっていないでしょうか。回しているつもりで、実は回っているように見せているだけ、という状態になっていないでしょうか。 それとも、仮説を磨くための思考のサイクルとして、PDCAが機能しているでしょうか。前編・後編、そして今回の記事が、その問いを考えるきっかけになれば幸いです。 公開履歴2025年12月26日:新規公開

経営は「今日」の積み重ねでしかつくられない

経営は「今日」の積み重ねでしかつくられない

― バフェットの言葉から考える“今やっている仕事の質” ― 「今はつらいけれど、将来は良くなるはず」「10年後はきっと結果が出るはず」そんな“未来への期待”だけで走る会社は少なくありません。 けれど、ウォーレン・バフェットのある有名な言葉を読むと、その前提を一度疑ってみる必要があると気づかせてくれます。 結局のところ、経営は「今日」の積み重ねでしかつくられない。その意味と、経営者が今見つめ直すべきポイントを、私なりに整理してお伝えします。 目次 バフェットの言葉が伝える“今”の重要性将来への期待だけで経営すると何が起こるか「今日」が積み重ならない会社の共通点経営は「今日」の質 × 続ける力“今の感覚”をごまかさないということ「好き」が生む継続力と成果あなたの毎日は、未来につながっているか? バフェットの言葉が伝える“今”の重要性 ウォーレン・バフェットはこう語っています。 今はみじめだけど、これから10年間は素晴らしいものになるなどと考えて行動してはいけません。今楽しめないものを、今後10年間楽しむことが出来るでしょうか?たぶん、それは無理でしょう。今、好きなことをやりなさい。 最初にこの言葉を読んだとき、私は「好きなことをやれ」という軽いメッセージだと誤解していました。 でも、経営者の現場を長く見ていると、これは経営者への強烈な警告だと痛感するのです。 将来への期待だけで経営すると何が起こるか 経営が迷走する会社には、ある共通点があります。 「今は赤字でも、5年後には黒字になるはず」「今は成果が出ていないけど、いずれ10倍稼げるようになるはず」「今は楽しくないけれど、将来のためには必要なんだ」 こうした“未来への期待”だけで走っている会社は、どこかで必ず立ち止まります。 理由はシンプルです。 今の行動に情熱がないから。 情熱のない行動は続かない。続かないから積み重ならない。積み重ならないから未来には届かない。 これは、多くの企業やプロジェクトで見てきたリアルです。 「今日」が積み重ならない会社の共通点 未来ばかり見ている会社では、今日の行動の質が下がっていきます。 ●「とりあえずやっておこう」が増える● 本気度が下がる● 社員に伝わらない● 結果として、動きにムラが出る 未来への期待が強いほど、なぜか“今日おこなうべきこと”が軽視されてしまう。 でも、未来をつくる材料は“今日”しかありません。 経営は「今日」の積み重ねでしかつくられない バフェットは人生について語りましたが、経営にこそそのまま当てはまります。 今、楽しくない仕事は10年経っても楽しくならない今、しっくりこない事業は10年経ってもしっくりこない今、好きじゃない働き方は10年経っても好きにならない 経営は“いつか”ではなく、今日・いま・この瞬間の積み重ねでしか形づくれないものです。 だから、未来を良くしたいなら、“今日の行動の質”から変えるしかない。 “今の感覚”をごまかさないということ では、どうしたら今日の行動を変えられるのか? 答えは、とてもシンプルです。 今の自分の感覚をごまかさないこと。 楽しいか? やりがいはあるか? 誰の役に立ちたいのか? どこに時間を使いたいのか? この「現在形の感覚」に一点のウソもないかどうか。これこそが、未来をつくる本当の材料です。 逆に言えば、今イヤなことを続けていても、10年後に自然と“楽しい”に変わることはほぼない。 これは心理学的にも、行動科学的にも明らかなことです。 「好き」が生む継続力と成果 経営には当然、苦しい局面が訪れます。でも、本質的に好きな仕事は、苦しい場面でも続けられる。 そして続けられるからこそ、次第に成果が積み重なり、チャンスをつかむ確率が高くなる。 バフェットが伝えたかったのは、 「好き」は、経営者が持てる最強の資源である。 ということなのだと思います。 “好き”で走っている経営者は、行動量も質も自然と高くなる。そしてその積み重ねが、気づけば圧倒的な差になる。 あなたの毎日は、未来につながっているか? 最後に、あなたに問いを投げかけたいと思います。 あなたは何が好きですか? 未来のために、今を犠牲にしていませんか? あなたの毎日は、“好き”の延長線上にありますか? そして—— 今、心から「好きだ」と言える仕事をしていますか? もし、答えが曖昧なら、その曖昧さこそ、進むべき方向を示すサインなのかもしれません。 🪶まとめ 経営は「未来」ではなく「今日」の積み重ね 未来への期待だけに頼ると行動の質が下がる 今の感覚をごまかさないことが大事 “好き” は経営者にとって最大の武器 未来は“今日の積み重ね”でしか形にならない