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サルでもできる組織風土

サルでもできる組織風土

前回の続きです。 ボスが裸の王様になるには、都合の悪い報告に対して拒絶する。報告者をウンザリした顔でニラミつけたり怒りをぶつければ効果は抜群。 これを続ければ、都合の悪い情報がボスまで上がらなくなります。 スタッフが入れ替わっても以前と同じようにボスには上がりません。 なぜか。 サルを使ったこんな実験について本で読んだことがあります。 実験室に5匹のサルを入れて生活させます。 天井の中央からはバナナを吊るしてあるのですが、バナナをとろうと引っ張ると上から熱湯が降ってくるという仕掛けになっています。 バナナを取ろうとして熱湯を浴びしまい散々な目にあったサルたちは、やがて全員がバナナを取ろうとしなくなります。 その頃を見計らい、1匹だけ実験室内のサルを入れ替えてやります。 新入りのサルAは、天井のバナナを見つけると、当然ながら取って食べようとしますが、古株の4匹が「ヤメロ」と必死に止めます。 それでもバナナが欲しくてたまらない新入りAはバナナを取ろうとチャレンジを続けますが、そのたびに古参のサルから止められるのを何度も繰り返すうちに、いずれバナナを取らなくるんです。 天井のバナナを取るとどうなるかを一度も経験していないにも関わらず。 そこでまた、古株のサルをもう1匹入れ替えます。新入りのサルBも当然、やったぜとバナナを取ろうとしますが、またも残りのサルは必死で「ヤメトケ」と止めます。 驚いたことに、バナナを取ると何が起きるかなんてまったく知らない先ほどの新入りAも古株のサルと一緒になって止めるんです。 こうして新入りBも、新入りAのときと同じようにバナナを取ったらどうなるか一度も経験しないままバナナを取らなくなります。 そうしたら、さらにまた、古株のサルをもう1匹入れ替える・・・ これを繰り返して、実験室の中のサルが新入りA〜Eにすべて入れ替わったとき、新たに新入りFを入れると、どうなるか? バナナを取るとどうなるかを知るサルはすでに1匹もいないのにもかかわらず、新入りFがバナナを取ろうとするのを他のサルが全員で止めたそうです。 バナナを冒頭のボス、サルを人間に置き換えてみたらどうでしょう。 サルと同じことが人間の組織でも起きると思いませんか? 牧野でした。最後までお読みいただきありがとうございます。 【メルマガ】をご登録ください。小さな会社の社長のためのメールマガジン「 あなたの経営にちょっとプラス」▼ こちらから登録https://banso-sha.jp/news/mag/

簡単に作られる裸の王様

簡単に作られる裸の王様

前回の続きです。 会社にとって都合の悪い事実がトップに上がらず、不正や隠蔽が組織風土になるのは、大企業に限らず、10人にも満たない小さな組織でもありえます。 私がまだ二十代のとき、業界シェア2位の金融機関のIT子会社に勤めていた時のことです。 売上の99%がグループ企業との取引だったので、新規事業を立ち上げるべく事業部が作られ、人事異動でそこへ送り込まれました。 「新規事業」という部署に企業の中からどのような人間が集められるのか、というのにも面白いパターンがあるのですが、それはまた別の機会に。 新規事業部といっても事業部長を含めて8人。事業部長が描いたビジネスモデルを実現しようと動きはじめるのですが、現場は気づきます。 「事業部長のプランどおりには行かない」 現場を束ねるリーダーとして事業部長に状況を説明し、プランの見直しを進言するのですが、事業部長からは「なぜうまくいかないんだ!」 何度説明してもウンザリした顔をしていました。 私も現場にいなければなりません。上司には逐一状況を報告していたのですが一向に変化の兆しもありません。 上司は上司で、最初のうちは事業部長に状況を報告していたようですが、その度に事業部長から叱責にあうので次第に私からの悪い状況報告を握りつぶすようになったみたいです。 さらには、以前は私の報告を詳しく聞こうとしていた上司も、私が報告する度にだんだんとウンザリした反応をするようになってきました。 現場でアライアンスを組んでいたコンサルティング会社の方からは「牧野くん、いつまでそんな会社にいるの?」とお誘いいただいたこともあり、現場がなんとか形になってきた1年後にお誘いいただいた会社に移ることにしました。 都合の悪い情報がトップまで上がらないという中小企業は他にも見てきました。実際にそこで働いてもいましたので。 こういう会社では、トップといえども、「裸の王様」のような状態です。 共通することはたった一つ。 トップが都合の悪い情報を拒絶する。 たったこれだけです。 拒絶し、報告者をウンザリした顔で睨みつける。怒りをぶつければ効果は抜群。 これを続ければ、隠蔽組織は出来上がります。 「続ける」というのがポイントです。 続きは次回。 牧野でした。最後までお読みいただきありがとうございます。 【メルマガ】をご登録ください。小さな会社の社長のためのメールマガジン「 あなたの経営にちょっとプラス」▼ こちらから登録https://banso-sha.jp/news/mag/

繰り返される不祥事

繰り返される不祥事

日野自動車は先週、ディーゼルエンジンの排ガス試験や燃費試験でデータを改ざんしていたと発表しました。 同社の年間国内販売台数の2倍にのぼる車に搭載されたエンジンが不正な数値のままだった疑いが出てきました。 不正の背景は「数値目標の達成やスケジュールを厳守することへのプレッシャー」があったと、日野自動車の社長は記者会見で述べています。 目標と期限。 目標・期限の達成と不正を比べれば、不正が経営に与えるダメージのほうがはるかに大きいことは容易に想像できます。そんなことは日野の経営陣もわかりきっていたはずです。 にもかかわらず、どうして現場は不正に手を染めてしまったのか。 背景は単純ではないでしょうが、一因として、悪い情報を上に報告できない社風があるのでは、と思っています。 かつて、コンサルティング会社時代、経営管理システムの導入を担当していたお客さんでの出来事です。 現場の不正が発覚し、警察の家宅捜索を受けて逮捕者が出ました。この会社は、数年前に同様の不祥事を起こしたばかりでしたから、驚きでした。 この会社の社内には「現場で起きている状況をそのまま上へ報告できない」という雰囲気が漂っていたことがとても印象に残っています。 この会社、この10年後ぐらいにまた再び同様の不祥事を起こしてしまい、業績はガタ落ちとなり、身売りしています。 こうした会社の風土というのは大企業病のようなもので中小零細企業とは関係ない、なんて思っていませんか? いやいや、10人にも満たない組織でも簡単に起こりますよ。 次回はそんな事例をお伝えしたいと思います。 牧野でした。最後までお読みいただきありがとうございます。 【メルマガ】をご登録ください。小さな会社のこだわる社長のためのメールマガジン「 あなたの経営にちょっとプラス」▼ こちらから登録https://banso-sha.jp/news/mag/ ■ プロフィールhttps://banso-sha.jp/blog/bansosha/ ■ お客様の声https://banso-sha.jp/voice/

必ず金は自然に集まる

必ず金は自然に集まる

お客さんの確定申告を一緒にやっているということを前回書きました。 すると「帳簿はどうしているの?」というご質問をいただきました。 帳簿もつけてもらっています。もちろん麻里江さんが自分で。簿記を勉強したことはないそうですが、複式簿記でやってもらっています。 帳簿をつけるのを私は手伝っていません。ですが、簿記を知らない麻里江さんでも帳簿をつけられるようにする仕組みは私がつくりました。 仕組みといっても、クラウド会計ソフトを使い、予め私が登録しておいた仕訳を選んで金額を入れれば済むようにしてあります。 クラウドですから、私も自宅から節目節目でチェックできます。 これでもちゃんと青色申告できますよ。    __________ 今日も明治生まれの経営者の言葉から。 事業は金がなければできないが、正しい確たる信念で裏付けられた事業には、必ず金は自然に集まってくる。三島海雲(1879-1974, カルピス創業者) 伴走舎にとって勇気づけられる言葉です。 牧野でした。最後までお読みいただきありがとうございます。 【メルマガ】をご登録ください。小さな会社のこだわる社長のためのメールマガジン「 あなたの経営にちょっとプラス」▼ こちらから登録https://banso-sha.jp/news/mag/

商売の常道

商売の常道

確定申告の期限もあと2週間ほど。初めてe-Taxでやってみました。今年からカードリーダーが不要になり、マイナカードとスマホがあればできるようになったからです。 TEORI WORKS OKINAWA の麻里江さんに「そろそろ確定申告をやろー」と話したら「まだマイナカードを申請してなーい」「ガーン...」 今から申請しても間に合わないので税務署へ行ってIDとパスワードを発行してきてもらうことになりました。 麻里江さんには、確定申告を自分でやってもらっています。 自分でやってもらうといっても、パソコンの前に私と二人で一緒に座って、「まず、確定申告ってググって。」「それ押して。それそれ。」「そこはこっち選んで。」って感じで、国税庁の確定申告コーナーで申告書を作るやり方を隣で教えながらです。 今日、税務署へ行ってくるそうですから今週には麻里江さんの確定申告も終えられそうですね。 麻里江さんが私に伴走を依頼する理由はこちら。https://banso-sha.jp/voice/    ★ 商売人は、ときとすると、駆け引きをし嘘をつくことを商売の常道と考えがちである。これはとんでもないあやまちだ。世の中に立っていく以上は、士魂商才の精神を持って進まなくてはならない。杉山金太郎(1875-1973)豊年醤油(現J-オイルミルズ)会長 コンサルティング業界ってお客さんに対してだけでなく身内に対してまで駆け引きする人がいたりして、そこが嫌でした。 なので、伴走舎の行動規範には「誠実」をあげています。 牧野でした。最後までお読みいただきありがとうございます。 【メルマガ】をご登録ください。小さな会社のこだわる社長のためのメールマガジン「 あなたの経営にちょっとプラス」▼ こちらから登録https://banso-sha.jp/news/mag/