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「安心安全」の押し売り

「安心安全」の押し売り

テレビ、新聞を見ていると「安心安全な」という言葉が踊っています。この「安全」と「安心」については以前にも書いたことがあります。「安心」対「安全」 昨年までは「安全で安心な」とか「安心と安全を」というように、安心と安全をセットにはしているものの別物と捉えていた感じが残っていたのですが、最近では「安心安全な」という感じで一体化している印象を受けています。 「またまた重箱の隅をつつくような細かいことを」と思われるかもしれませんが、私は「安心安全な」と言われたときにちょっとした疑問を感じるからです。 前掲の過去記事で書いたように、・安全:安全対策、安全基準など、提供側がコントロールできるもの・安心:受け手側の心理なので、提供側がコントロールできないものです。 「安心安全な」ものを提供していると言われた場合、その「安心」とは 「誰が、なぜ、安心と感じる」と思っているのだろうかという疑問です。 これだけの安全対策をしているのだから、商品・サービスの「提供者側の私が」安心なのでしょうか。 それとも、 これだけやったのだから「お客さんは安心してくれるはず」の安心なのでしょうか。 どちらも事業者側・提供者側の勝手な思い込みのような気がしませんか?ある種の「安心の押し売り」かもしれません。 商売をするならば「お客様はこの私たちの安全対策に安心してくれるだろうか?」という顧客目線で考えることが大切ではないかと。 新聞を読んでいてそんなことを感じました。 こんなふうに噛み砕いて本質を読み解くクセを身につけたくありませんか?そんな方のためのセミナーです。定員になりそうな日も出てきました。早めのお申込みを。経営者に必須の基礎スキル ロジカルシンキングセミナー メールマガジンのご購読はこちら 私のインタビュー動画、ご覧になりました? https://youtu.be/ejn7a9CuJkE

日本が経験した3つの敗戦。

日本が経験した3つの敗戦。

自分の経営判断に自信を持ちたいですよね。先週からご紹介している、経営判断に自信を持つためのセミナーです。 正しく経営判断ができる3つのスキル!セミナー 5月31日の日本経済新聞朝刊のオピニオン欄。書いたのは論説委員。そこに、日本が経験した「3つの敗戦」が登場しました。 1つ目は1945年の敗戦。公式には終戦ですが、「敗戦」としています。 2つ目は1990年代の経済敗戦。バブル崩壊からの失われた20年のことを指しているのでしょう。「経済敗戦」と言われてしまうと敗北感がひしひしと来ますね。 ただ、その敗戦処理はまだ終わっていないんじゃないですかね。過去に書いたメルマガ、2つです。 日本は経済成長してない日本は安くなった?貧しくなった? 3つ目は、コロナ敗戦。「ゆるく、ばらばら、のんき」というフレーズでまとめ、「この国の問題点を示してあまりある」と厳しく断じています。詳しくは当日の日本経済新聞をご覧ください。 この論説委員によれば、この3つの敗戦は「日本という国家の劣化を表している」とのこと。 ここで、1990年年代以降の日本経済は負けたのかどうか、日本のコロナ対応は負けたのかどうか、日本という国は劣化してるのかどうか、を論じようというのではありません。 危機管理は最悪の状況を想定するのが第一です。であれば、国の劣化という最悪の状況を想定しておくべき、ということをお伝えしたいわけです。 コロナは災害です。病気以外にも日本は自然災害の多い国です。 本当に日本という国が劣化しているのだとしたら、そうした災害時に政府は大したことができないかもしれない、ということを想定して経営しておくべきではないか、ということです。 メールマガジンのご購読はこちら。 私のインタビュー動画、ご覧になりました? https://youtu.be/ejn7a9CuJkE

事業再構築。替えるか、合わせるか。

事業再構築。替えるか、合わせるか。

あなたは「私は正しく経営判断している」と迷わず言えますか?って聞かれると、正直、不安じゃないですか? これまで自分なりに考え判断してきたと思います。また、自分の勘を信じ、人一倍の行動力を発揮してきたと思います。 あなたの「勘」や「行動力」はもちろん経営判断にとって大切な要素です。でも、「これだ」と裏付けるものがあれば、自信を持って判断できますよね! コロナ禍で厳しい経営状況の中では、あなたの「経営判断」次第で大きく状況が変わります。 だからこそ、今回、「正しく経営判断ができる3つのスキル!セミナー」を開催します。お問い合わせを何件もいただき、開催日を追加しました。正しく経営判断ができる3つのスキル!セミナー 総予算約1.4兆円の超大型補助金、事業再構築補助金を先日このメルマガでも取り上げました。事業再構築補助金を攻める前に 政府の政策を推し進めるために用意されるのが国からの補助金です。新型コロナの感染拡大により、事業を取り巻く環境が大きく変わってしまいました。この変化は今後も続くでしょう。これまで通り事業を続けていくのは難しくなっているので、政府として中小企業の事業転換の後押しをしたい、というのがこの補助金の主旨だろうと思います。 事業転換といった場合に検討したい事例が、飲食業界のワタミとくら寿司です。 ワタミは、既存の居酒屋店舗を焼肉店へ転換していることをご紹介しました。来店の目的は?焼肉店ともう一つ、鶏の唐揚げ専門店を柱として既存店の転換を進めているようです。 一方のくら寿司は、入店してから会計してお店を出るまで店員さんと一切接触しないお店への転換を進めています。あと、テイクアウトにも力を入れており、スマホで注文・決済して、商品の受け取りは専用ボックスからお客が自分で取り出すようにして、こちらも店員さんとの接触がありません。 こうしたサービスがお客さんの安心感を呼び、売上をコロナ前に回復させ増収を続けているそうです。しかも、こうした非接触型の店舗は人件費が削減できるので、収益面でも効果が。 ワタミは言ってみれば、「商売を替える」というやり方です。それに対してくら寿司は、「商売のやり方を事業環境に合わせて改善する」というやり方でしょうか。 どちらが正解というわけではありませんし、これだけというわけでもありません。しかしながら、この2つのパターンが多いとは感じています。 一点、気をつけたいのは、ワタミ型の場合。成功事例があったり、好調な商売があるとそちらへ鞍替えしたくなりますよね。ワタミでいうと、からあげと焼き肉。どちらも好調なのですが、それだけに参入も多くレッドオーシャンといえるかもしれません。ワタミのように大手だから採用できる戦略なのかもしれません。 インタビュー動画、見ましたか? https://www.youtube.com/watch?v=ejn7a9CuJkE

組織が変わった!?きっかけはトップの交代?

組織が変わった!?きっかけはトップの交代?

経営の理論と実践。学んだ理論は実践しないことには宝の持ち腐れです。でも、同じことを学んだ人たちが、実践してみた結果に差が出るのはなぜでしょう?その一つの要因が理論と実践の間をつないでいる思考過程です。思考過程のセミナーをご案内中です。 大学入試改革の目玉のひとつだった大学入学共通テストでの英語民間試験の導入。20年1月の試験から予定されていた実施は土壇場の19年11月に見送られ、そのままとなっていました。検討を続けていた有識者会議からは今回見送りが提言され、文科省が断念する方向だとの報道が、昨日の朝刊一面に出ていました。 各方面から様々な問題点が指摘され、批判にさらされていたこの制度。文科省は批判を押しのけるように実施に向けてひた走り、突如試験2ヶ月前に急ブレーキを踏んで受験生や民間試験機関を大混乱させました。 文科省が突っ走ってしまったのは、入試改革の目玉としてこの制度を掲げたため「手段が目的化」したのではないか、と19年11月にこのメルマガでも書いてます。民間英語試験導入見送りにみる手段の目的化 他方で、組織には慣性の法則が働くということも、かつてこのメルマガで書きました。組織に働く慣性の力 組織が大きければ大きいほど、歴史が古ければ古いほど、風土が硬直化していれば硬いほど、慣性の力は大きいので、官僚機構の文科省が一度掲げたことを断念することは難しいだろうと思っていました。 官僚組織も柔軟になったのでしょうか。2019年の急ブレーキは、新たな文部科学大臣の就任直後のこと。その大臣は内閣が代わっても現在までそのまま留任しています。トップが変わると組織風土も変わるんですね。こちらも読んでみてください。経営者のあり方が社風を決め、社風が会社の業績を決める 冒頭でご紹介したセミナーは、経営者の思考、判断のための必須の基礎スキルのセミナーです。ぜひご参加ください。

「経営の勉強をしたから正しい経営判断ができる」とは限らない。

「経営の勉強をしたから正しい経営判断ができる」とは限らない。

私の尊敬する羽生善治さん。年齢的には50代に突入しましたが、いまだタイトルに挑戦し続けています。 タイトル99期、永世七冠というとんでもない記録を打ち立てた羽生さんとはいえ、AIを取り入れた研究が進む現在の将棋界では苦戦しています。それでも若手と同じように自らもAIを取り入れて、最新の将棋を研究し続ける羽生さんを私は応援しています。 羽生さんが10代20代の若い頃は体力にまかせて読み切れるだけ読み切る、という将棋を指していたそうです。ところが30代に入ってからはそうした力任せの読みがだんだんとできなくなり、40代に入ってからは「大局観」で指し手を選ぶようになったと10年ほど前のテレビ番組で語っていました。 なんとなくこの手は捨てよう。なんとなくこっちの手のほうがいい。といったことが、考え抜いたときにぱっと頭の中に浮かぶんだそうです。「そこだけ光っているように見える」と表現していました。 ただご本人も言っていましたが、それは過去の蓄積があるからこそ、というわけです。 20〜30手先を読むといわれるプロの将棋の一手は、何百通りもの判断の結果から生み出されます。一局は110〜120手ぐらいですから、1回の対局で天文学的な判断回数です。トップ棋士は年間50局ぐらいの対局があり、対局のないときも研究を続けて「判断の精度」を上げるよう研鑽しています。 羽生さんの言っている「過去の蓄積」とはまさにこのことでしょう。 経営者の日常も判断の繰り返しです。そして会社の最終的な判断とその結果の責任がたった一人にのしかかってきます。それが「経営者は孤独」と言われる所以です。 ですが、経営者が下さなければならない判断に唯一の正解はありません。であれば、間違った判断をできるだけ少なくし、より正しい判断に近づけるようにしたいものです。 このとき、これまで勉強した経営に関する知識は判断材料でしかありません。経営の勉強は、経営判断の材料の仕入れと保管です。より正しい経営判断に近づけるのに必要なのは「スキル」です。 そのスキルをお伝えするセミナーのご案内です。「経営の勉強をしっかりやっていれば、正しい経営判断ができる」と思っていませんか?