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どちらの機会損失のほうが大きいのか?

どちらの機会損失のほうが大きいのか?

ゴールデンウィークの沖縄、前半は晴天が多く、5月2日、3日は鯉のぼりも気持ちよさそうでしたね。昨日4日になると風が強くて、家族揃って泳ぐのも大変そうでした。さて、本番の今日の天気は... ゴールデンウィーク中、通りかかったお店の窓にでっかく営業時間が書かれていました。 営業時間や定休日は、覚えてもらいやすいのが一番です。 やってると思って行ってみてたら休みだったという経験、みなさんもありますよね。後日、再びその店へ行こうかと思ったとき「ひょっとしたらまた休みかも?」って頭をよぎりませんでしたか? みんなでお昼に出かける際、定休日がわかりにくくて「わざわざあそこまで行って、ま〜た休みだったらやだよね」ということで行かなくなった中華屋さん。いつの間にか閉店していたというお話をこのメルマガでもご紹介しましたよね。 人間は、優先順位がほとんど同じ複数の選択肢があるとき、疑問が残る選択肢は排除する傾向にあります。写真の例はお土産などによく利用される有名なお菓子屋さんなのですが、「あの店、閉店時間何時だっけ?もう閉まってるかもしれないな」と思われた時点で選択肢から外される可能性が高くなります。どうしてもその店のお菓子を手土産に持っていきたいのなら、ネットで調べて営業時間を確認するかもしれませんが。 このお店、10年ほど前に田舎に新設された大きな工場の敷地内にある店舗です。この工場から出荷される県内全域のお土産品店や直営店での販売など会社全体の売上に占めるこのお店の割合はいかほどでしょう。お店の都合もあってこのような営業時間になってるのでしょうが、せめて 月〜金 8:30〜15:00 土日祝 8:30〜17:00 水曜定休のようにもう少し覚えやすくしてもいいのではないでしょうか。 平日木曜日15:00〜17:00の2時間店を閉める機会損失と「もう閉まってるかも」とお客の頭の中から消される機会損失のどちらが大きいか。

積ん読、読ん読

積ん読、読ん読

みなさんゴールデンウィークはどうお過ごしですか?昨年に続き2度めのステイホームのゴールデンウィークですね。 この機会に本を読んで過ごされている方も多いのではないでしょうか。 本を読むのが遅いくせに本を買うのが好きなので、書棚の中を見てみると読んでいない本がほとんどです。いわゆる「積ん読」というやつですね。書棚に並んでいるのを眺めるだけで読んだ気になってしまっている。。。 読み終えてもブックオフに持っていかず書棚に残してある本を眺めてみると、大好きな歴史小説を除けばある分野の本が多いことに気づきました。 それは、ロジカルシンキングやクリティカルシンキング。論理的思考といわれる分野の本です。 コンサルティング会社時代のある時期に、この分野の本を買い漁って読んでいました。社内研修のなかった当時、必要なことを体系的に学ぶ機会がなく、コンサルタントとしてまず最初に求められる論理的に考えることの必要性を痛切に感じていたからです。よくまぁ、読み始めたら眠くなったり飽きてしまいそうな本をこんなに読んだものだと思います。必死だったんでしょうね。 その中で、自分が読んでよかったと思うし、人にも薦めている本があります。この分野で一番最初に読んだ、バーバラ・ミントの「考える技術・書く技術」です。もう、ロジカル・シンキングといえば参考図書として真っ先に挙がる教科書的な存在になっていますね。 この本を読んで以降、私が書く文章が変わっていったと思います。まだ1990年代でしたが、電子メールが仕事上欠かせないものになっていました。クライアントとのやりとりはできるだけメールで残すようにしていたため、毎日かなりの量の文章を書いていたと思います。この本に書かれていたことを意識して、書いては直し、直しては書き、みたいなことをしていたので、10行程度の1通のメールに2時間かかったこともありました。 そんなことを重ねているうちにお客さんから「牧野さんの書く文章は分かりやすいね」と言われるようにまでなりました。 「社長からのメッセージはわかりにくい」と社員さんから言われたことのあるあなた。GWの残り、この本と過ごしてみてはいかがですか?

HAND CLAP!

HAND CLAP!

GWがやってきましたね。たしか昨年のGWのスタートと同時に沖縄は緊急事態宣言だったかと。もうあれから1年経つんですね。 手をセッケンできれいに洗ったよ。鼻ほじっていい?#マキノのトリセツ なんて、アホな投稿を当時はFacebookに上げてました。 あの頃、ゴールデンウィークでもステイホームが叫ばれるなか、コンサルティング会社時代の秘書さんのFacebook投稿からある女性を知りました。 と、話を進める前に、秘書さんといっても私の専属秘書ではもちろんありません。パートナー(執行役員)についている秘書さんのことです。コンサルティング会社ではパートナーの下で仕事をするので、パートナー付きの秘書さんには必然的にお世話になります。 話がそれたついでに。コンサルティング会社でマネージャーになったばかりのころ。必要部数の会議資料のコピーをとろうとコピー機に向かおうとしたとき「そんな仕事は私がやります。牧野さんはもっと付加価値の高い仕事に時間を使ってください。」とその秘書さんから叱られました。その会社では秘書さんもプロフェッショナルでした。この方、現在でもすごい会社の社長秘書としてキャリアを重ねてるみたいです。 で、話をもとに戻して、その秘書さんのFacebookで知った女性が、今週の「プロフェッショナル仕事の流儀」に登場した竹脇まりなさん。フィットネス系YouTuberです。 自分のYouTubeの閲覧履歴をチェックしてみましたが、あの頃、彼女の動画をかなり繰り返し見てます。なんでだろ? まず、カワイイ。(すいません。でもここはホンネで) ただ、フィットネスインストラクターさんとしては、お世辞にも上手とは言えないです。アラ還のお母さんと一緒にやってるHAND CLAPなんか、お母さんのほうが断然上手、さすが元インストラクター。プロのインストラクターがUPしているHAND CLAPと比べても完全に見劣りします。確かに、スタジオの採用選考に落ちまくっただけのことはあります。けど、上手なプロのインストラクターの動画って、1回で見飽きちゃうんですよね。 竹脇さんは「プロじゃないんだからやっちゃいけない」と思ったり、振りは間違えてるし「下手くそ」とか他のインストラクターから批判されるんじゃないかと躊躇しましたが 私は、私でいい とついに、初めてのフィットネス動画をUPLOADします。それが、2019年9月6日のこの動画。 https://www.youtube.com/watch?v=RBYxysBFLkE 他の200万人のチャンネル登録者と同じように、私が感じたのはそこなんですかね。「彼女らしさ」そのまんまの彼女らしさ、距離の近さ、そうしたものにみんな魅力を感じているようです。 かつてソニーの家電黄金期。CMのキャッチコピーは「It’s a SONY」でした。「これ、ソニーだぜ」ってな意味でしょうか。 私のようなオジサン世代にしかわからないでしょうが、SONYの製品には「SONYらしさ」があり、それがかっこよく、若かりし頃のオジサンたちはソニー製品にあこがれました。 あなたの会社の「らしさ」はどんなものでしょうか?あなたの会社の製品やサービスは、あなたの会社らしいものですか? このゴールデンウィーク、考えてみてはいかがでしょうか。 それと、2週間で10キロ痩せるという HAND CLAP。やってみます?

山に登る、バスに乗る

山に登る、バスに乗る

先週Zoomで行われた懇親会で、牧野のメルマガをご購読いただいている年商15億円規模の会社の代表取締役さんとご一緒しました。この方が経営者として果たされてきた成果を知れば知るほど私からの尊敬の念が増している方なんです。このような方にご購読いただいているのはとても光栄なことです。 この方から「牧野さん、これ」と画面越しに見せていただいたのは、2020年6月16日に配信した牧野のメルマガをプリントアウトしたもの。右上に「経営指針作成資料」と大きく赤鉛筆で書かれていました。 経営指針を作成する際の参考資料の一つとして、ファイルして持ち歩いておられたんだそうです。 このお話をお聞きして、恐縮してしまうやら、感激してしまうやら。 そのメルマガとは、こちら。山を選ぶよりパートナーを選ぶほうが難しい この他にも、重要だと思うものはプリントアウトして振り返りをされているんだそうです。もう感謝しかありません! この方から昨日メールをいただき、この2020年6月16日号に関連して、山登りの例えをご紹介いただきました。 夢や目的:何のために登るのか。なぜ登るのか。事業領域:どこのどの山に登るか。経営戦略:どのように登るか。(コース等)経営戦術:どんなやり方で登るか。(装備、スキル等) 様々なご苦労をされて現在のところまで会社をもってこられた方なので、経験から生まれた例えなんでしょうね。「どの山に登るのか」、を「事業領域」とされているところに敬服しました。「なぜ登るのか」、は「理念」といってもいいかもしれません。 先述の2020年6月16日号のタイトルは「事業領域を選ぶより、理念に共感してくれる人を選ぶほうが難しい」ってことになるでしょうか。 私は、この号の後半にあるジム・コリンズの「誰をバスに乗せるか」についても同じような解釈をしています。 経営理念:何のために・なぜ、バスの旅に出るのか。事業領域:どこへ向かってバスの旅をするのか。経営戦略:そこまでどのように走るのか。(コース、予算等)経営戦術:どんな走り方をするのか。(1日の走行距離、時間帯、宿泊、食事のとり方等) 乗客は「理念や価値観を共有できる人」となるでしょうか。 こんなお話をいろいろ伺いながら、この方とまたゆっくりお酒を酌み交わさせていただけたらと思っています。

それでよかったと思えるように取り組む

それでよかったと思えるように取り組む

昨年末に行われたスピードスケートの全日本選手権で、国内主要大会では史上初となる全5種目制覇を達成した高木美帆選手。500mは平昌五輪金メダルの小平奈緒選手を破り、1000m、5000mはリンクレコード、1500m、3000mは国内最高記録を出すなど、もう完全試合といっても過言ではないくらいの成績でした。 2020-21シーズンは、ワールドカップや世界選手権など国際大会が軒並み中止されるか、開催されたとしても日本スケート連盟が選手の派遣を見送るなど、日本選手は国際大会に一つも出場することができなくなってしまいました。 国際大会に出場できないことがどういう意味を持つか。 清水宏保さん(オリンピックに4回出場、長野五輪では500mで金メダル)によれば、オリンピックでメダルを争う選手にとってはとても厳しい状況なんだそうです。それは、2022年の北京オリンピックのちょうど1年前のシーズンというのに、ライバルがどれくらい仕上げてきているか、自分との差がどれくらいあるかを直に確かめられないから。 来年のオリンピックを前に海外の有力選手と直接競うことなく、国内で過ごさなければならない高木美帆選手はこう決断します。 アスリートとしてどうあるべきか考えていた。いつ次レースができなくなるか分からないなか、自分にとって何が新しい挑戦か考えた1つが5種目全部出ることだった。精一杯やれるときに頑張るしかない。 その結果は先述のとおり。彼女が出した記録は、今季の世界選手権の優勝タイムを上回るものもあったようです。 この結果について、国内でずっとやれたからこそ違う挑戦ができた、結果的に国内にとどまってよかったんじゃないのか、という声に対して高木美帆さんはこう答えます。 「国内で戦うことになって良かった」というより、「国内で戦うことになったからこそ、それでよかった」と思えるように取り組んできた。 状況に身を任せるのではなく、後悔しないように状況に対処する、といことでしょうか。