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来店の目的は?

来店の目的は?

コロナ禍の中、テレワークの推進・普及とともに飲食業、特に居酒屋さんは大打撃を受けていて、それは大手チェーンも例外ではありません。 居酒屋チェーンの和民は生き残りの手段として、全国の店舗のうち3割を焼肉屋さんに転換する方針だと、昨年末に放送されたテレビ番組で紹介されていました。 焼肉屋さんへ転換した1号店では、月の売上が居酒屋の時の3倍ほどになり、平日の夜だというのに家族連れで満席になっている様子を見て、渡邉美樹会長がこう語っています。 平日に家族が来るのがありがたいですね。これは焼肉の強さですね。居酒屋にはない世界ですから。 それを聞いたレポーターは、「なぜ、居酒屋がダメで、焼肉屋ならOKなんですか?」と質問しました。 居酒屋の7割くらいのお客様は、なんとなく居酒屋を使われているんです。目的はないんです。それこそ「今日は仕事が早く終わったから一杯行こうか」焼肉は違う。「焼肉、食べる」なんです。これは決定的に違うところなんです。 居酒屋は目的があって利用するわけではなく、焼肉屋は焼肉を食べるという目的があって利用する。 日経平均が3万円台に突入したとはいえ、庶民の感覚とは乖離しており、消費は落ち込んでいます。外出機会を絞り、限られた消費機会を何にあてるか。人々の消費は、目的をもった行動に変化しているのかもしれません。 お客さんの目的、見えていますか?

共存共栄

共存共栄

先日ご紹介した、やきとり大吉。焼き鳥居酒屋チェーンとしては、鳥貴族を抜いて日本最大の店舗数を誇るのですが、その本部は社長を含めて13人しかいないそうです。 どうしてんなに少人数で本部が運営できるのか。その一端について、テレビで明かしていました。 やきとり大吉の各店舗を回って、お店の状況を聞いて回る人がいます。店主さんが言ったことを細かくメモを取り、会社へ帰るとメモをもとに報告内容をシステムに入力していきます。 ナント!?この人、大吉の本部の人ではなく、酒販店の社員さんなんです!しかも無償で! 焼き鳥屋さんとお酒は切っても切れない関係。やきとり大吉の売上が上がれば、この酒販店さんの売上も上がるってことですね。 また、酒販店さんは、大吉のお店向きの不動産物件情報を提供したり、飲食店を開業したい人を紹介したりもしています。やきとり大吉のお店が増えれば、この酒販店さんの得意先も増える図式ですね。 一方のやきとり大吉の本部としても、間接業務のコストを抑えつつ、既存店のケアと店舗数拡大を図れます。 これぞ、まさにWin-Win。共存共栄の関係ですね。

to do good の前に to be good

to do good の前に to be good

2010年に手帳に書いたメモから。 ウシオ電機会長の牛尾治朗さんのエピソードです。大学4年のとき父親から就職の相談に行くように言われ、政財界のご意見番と言われていた安岡正篤さんのお宅へ伺った時のことだそうです。 ひととおり抱負を述べ終わった牛尾治朗さんの顔を見ながら、安岡正篤さんがかけた言葉がこれでした。 to do good を考える前にto be good を考えなさい 漢語的に言うなら「よきことを為そうとする前によき人間であれ」でしょうか。 これを聞いた牛尾治朗さんは衝撃を受けたそうです。私もそうだったのか、このメモを書いた日からしばらくの間、この言葉が何度も手帳に書き込まれています。 あなたにも、この言葉を知ってもらいたくてご紹介しました。

バスから降りる人に備えて

バスから降りる人に備えて

日曜日にダンパチ屋さん(沖縄の方言で床屋さん)に行ってきました。ここの店主さんは、全国の理美容事業者さんが集まる経営の勉強会に入っていて、私のメルマガの読者さんでもあります。 座ると「バスのシリーズ、面白いですねぇ」と感想をいただきました。うれしいですね。・誰をバスに乗せるか・コロナ禍転じてバスから降ろす・バスから降りる・バスから降ろす ★ メルマガのバスシリーズの話題に端を発して、店主さんが勉強会で学んだ面白い話を聞くことができました。 同じ売上規模の繁盛店でも、 月に50万円ぐらい売り上げてくれる平均よりもちょっと上のスタイリストさんが何人もそろっているお店。月に200〜300万円稼ぐようなスタイリストさんがドーンといて、あとは月に20〜30万円くらいのスタイリストさんがそろっているようなお店。 の2つのタイプがあるんだそうです。 もちろん、後者のお店は、花形スタイリストさんの引き抜きや独立による売上ダウンは経営の危機に直結します。 その一方で、前者のお店は、一人が辞めても残ったスタイリストさん達が頑張ってくれれば、抜けた穴はすぐに埋められるんだそうです。 経験を積んだら独立する人が多い業界です。バスを降りる人への備えも必要なんですね。

呼び方は意識の表れ

呼び方は意識の表れ

「インターネットで経営コンサルタントを探していたところ、牧野を見つけた」というイタリア在住の女性経営者の方からお問い合わせをいただき、先週、Zoomでお話しました。 インターネットの海の中から私を見つけ出していただいて、感謝の気持ちでいっぱいです!ありがとうございます! この方の事業内容や業界のお話がとても興味深くて、ついつい予定時間をオーバー。ホント、聞き入ってしまいました。とても有意義な時間でした。 ただ、ひとつだけ引っかかったのが、この方が私のことを「先生」と呼んだこと。すぐに「さん付けでお願いします」とご依頼させていただきました。 弁護士さんや税理士さんは「先生」と呼ばれるのが一般的ですし、弁護士さん同士でもお互いを「先生」と呼ぶのが慣例のようです。 私のような中小企業診断士でも、公的な機関や金融機関の方からは「先生」と呼ばれたりもしますが、可能な限り「さん付け」をお願いしています。 中小企業診断士に合格したとき、まさか「先生」と呼ばれるとは思っていなかったですし、実際に初めて「先生」と呼ばれたとき「税理士さんか誰かが後ろにいるの?」と後ろを振り返ったくらい、自分にはなじまない呼ばれ方だと感じます。今でも慣れないです。 そして、お客様については必ず「さん付け」をお願いしています。「必ず」です。 なぜか。 言葉は意識を変え、意識は行動を変え、行動は結果を変える という言葉があります。(すいません、出典は忘れました) 呼び方も同じだと思っています。「先生」って呼び方では、お客さんにも私にもパートナーという意識は生まれないと思うからです。 私は、経営者さんの伴走者です。パートナーです。