ブログ

TWO

TWO

「MARIKASI」は、このメルマガでもご紹介している TEORI WORKS OKINAWA の洋装ブランドです。 宮城麻里江さんが今年1月に TEORI WORKS OKINAWA としてお義母さんの工房から独立してもうすぐ1年になろうとしています。開業後ほどなくして新型コロナウィルスの感染が拡大するという危機に直面しましたが、銀座で和装の個展を開いていただいたり、日本橋三越本店の催事にMARIKASIを出展させていただいりという幸運にも恵まれ、取引先さんからのご協力もいただきつつ、なんとか乗り切ろうとしています。 最初のころは、テーマは私のほうで用意して打ち合わせしていましが、だんだんと相談内容も変わってきました。 「人材を補充するタイミングなのかな?と思っています。来週の打ち合わせにまた色々と相談させて下さい!」 と、麻里江さんの方から打ち合わせテーマを提示するようになったり、 「次回、色々と相談したい事盛り沢山ですけど整理出来ていないので、牧野さんに話を聞いてもらって問題点を洗い出してもらいたいです!」 のように、麻里江さんが牧野を上手く使うようになってきました。 経営のことは何もわからいまま独立開業した30代の女の子、だったのですが、4人の職人さんを従えて一人で工房を切り盛りしているからなのか、「まさに経営者としての発言!」と驚かされたり、「逞しくなったなぁ」と感じさせられることが増えてきました。 お客さんが日々成長しているのですから、私もそれを上回る成長をしなければ伴走はできません。大変ですけど、楽しいですよ。 あっ、気づきました?そうです。この投稿のタイトルにある「TWO」は、TEORI WORKS OKINAWA の頭文字をとったものです。

やっぱり基本

やっぱり基本

昨日は、「MARIKASI」を展開する手織り工房「TEORI WORKS OKINAWA」の宮城麻里江さんと打ち合わせ。ありがたいことに注文は来ているけれども、予定どおりに生産が進まず、納期遅れが起きかねないことを心配しての相談でした。 手織りですから、もちろんすべて手作業。職人さんの技とスピードが生産性を決めます。専属の職人さんは4人いるのですが、全員が麻里江さんよりも20歳ぐらい年上のベテラン。「扶養の範囲内で」といった主婦のパート感覚の要望など、社長の麻里江さんもいろいろやりにくいところもあるようです。 実は、内心、頭抱えていたんです。 先述のとおり、手織りですからすべて手作業で作られます。職人さんの働きにすべてかかっています。いかにモチベーションを上げてもらうかという心の領域なので、様々な背景的な事情もからみ、理論だとか理屈だけで簡単に解決策を導き出すわけにはいきません。 工房を訪問する前からマジで悩みました。「解決策見つかんのか?」って不安もよぎりました。 そんな不安を抱えつつ、二人でおやつをモグモグ食べながらあーだこーだと話してるうちに ・工房としての1ヶ月の目標数はちゃんと伝えたほうがいいよね。・そうしたら、一人ひとりの目標数もちゃんと伝えとかないとね。 という案が浮上してきました。さらに ・目標を決めておいたんだから、月末に目標と結果の確認をしないとね。・目標通りなら、みんなでやったー!目標に届かなかったら、何が原因なのか反省会かな。 といった結果の確認とフィードバックもちゃんとやろうということになりました。 「なんだか、コレ、いいぞ!」「すごいすごい、上手くいきそう!」なんて二人でキャーキャー言いながら喜んでいたら、ふと気づいたんです。 これって、基本じゃん。 生産管理やプロジェクト管理の基本中の基本なんですよ。 予定と実績の管理 これだけ、と言っても過言ではないくらいのキモなんです。 困った困ったと迷路に入ると、こんな基本を忘れちゃうんですね。「基本を忘れるな」なんて当たり前すぎるくらいなんですが、まさに今回がそうでした。 困ったら、キホン。キホンを忘れずに。

目に触れてこそ

目に触れてこそ

地元の商工会では、連絡は文書を郵送で送っています。メールが使えない人はまだまだ多く、FAXがない事業者さんもいたりして、全員に届けるには郵送が一番確実ということになるからです。1回の郵送でできるだけ情報を送るために、封書にしています。 地元商工会が開催する経営計画のセミナーの講師をこれまで6回ほどやらせていただいているのですが、配布している数に対して参加申込みが少ないとずっと感じていました。こちらの案内チラシも他の連絡文書と同様に封書で送られていたのですが、キャッチコピーや内容を工夫しても効果はありませんでした。 商工会の事務局では試しにと、先日開催したセミナーの案内だけをハガキで送ってみたんです。そしたらなんと、翌週から立て続けに申し込みが!いつもの床屋さんで散髪してもらっていると、お店のご主人から「牧野さん、セミナー、申込みましたよ」なんて声もかかります。 よくよく聞いてみると… 地元商工会では目立つようにオレンジ色の封筒を使っているのですが、商工会からの手紙だとわかると封を切らずにそのまま積んでおいてそのままになってしまうことが多いんだそうです。ところが、今回はハガキだったので、誰からだろうとひっくり返してみたところ「あっ、牧野さんのセミナーだ!」と気づいて申し込んだんだとか。 商工会の事務局の方でも巡回訪問のときに同じような状況を目にしており、何か対策を打たなければと考えていたところ、今回のハガキ作戦で効果を実感できたようです。 いくら練りに練った内容でも、伝えたい人の目に触れなければ、それは存在しないのと同じです。 内容よりもまずは、目に触れること。 今回は、私も勉強になりました。

差を生む小さな気遣い

差を生む小さな気遣い

引っ越しは人間相手のサービスであり、こころに訴えかける部分が大きい。 と、アート引越しセンター創業者の寺田千代乃さんは日本経済新聞「私の履歴書」で書いています。 人を相手にする商売は、感情に訴えかけるところに差が生まれます。こころに訴えるのは、気遣い。新たなサービスも生まれてくる。 ツナギのユニフォーム採用荷物の上げ下ろしをしているとズボンの後ろからシャツがはみ出ることがあり、だらしがないとのクレームを受けて。 くつ下の履き替え新築の住宅への引っ越しで、従業員のくつ下が汚れの指摘を受けたことから。 殺虫サービス密閉した引っ越しトラックの中での殺虫。自宅を新築して引っ越した後に家具の中からゴキブリが出ててきて悲鳴をあげた自分の経験から。 10円玉2枚見積り依頼でかけてもらった電話代と、訪問時に会社へ予約を入れるために借りた電話代として、10円玉の新硬貨2枚を小袋に入れて目立たないようにそっと置いてきた。携帯電話のない時代ならではの気遣い。 寺田さんが、 クレームがアイディアの新しい種だった。 と書いているとおり、クレームからはじまったものが多いですね。 小学生の頃、家族でモスバーガーを電話注文すると、お店まで取りに行くのは「ボクが行く!」とおりこうさんぶりを発揮していたのですが、それは、お店に行くと小袋に入れた10円を電話代としてもらえたから。当時、10円出せば駄菓子屋さんで子供の小腹ぐらいは満たせたものです。その秘密が兄弟にバレてからは、取りに行くのはジャンケンになってしまいました。モスバーガーの10円玉、数10年を経た今でも続いているようですね。

覚えやすさは武器になる

覚えやすさは武器になる

沖縄に引っ越す際に電話の移転の手続きをしたとき、電話番号の末尾4桁の候補を3つ挙げられ、自分で選ばせてもらえました。学生時代に引いていた電話を就職の際に引っ越したときには、選ぶなんてことはできなかったので「いまは選ばせてもらえるんだ」と驚いたことを覚えています。それでも、当時から、事業用の電話は番号を選ばせてもらえるということは知っていました。 アート引越センターの創業者の寺田千代乃さんの「私の履歴書」から。 事業所のあった大阪府大東市で電話開設を申し込みした際に提示された番号が「1881」「1919」と「0123」だったそうです。 尻上がりの電話番号は縁起がよく、ゼロから始める自分たちにぴったりだということで「0123」にしたそうです。当時の電話はダイヤル式なので、ゼロを回したあとは、1,2,3と戻る時間が早くてかけやすい、というのもあったようです。 そこからは番号を「0123」に統一しようと相当の苦労をしながら入手をすすめていき、最終的には500を超える「0123」を所持しているとのこと。 この電話番号統一戦略は功を奏し、「アート」という社名と「0123」はセットで浸透していきました。ドメイン名も「the0123.com」です。海外引越サービスでは、社名に「ART」とあると美術品だと思われて通関に手間取った経験から社名を「the0123」にしているんだとか。 「覚えやすい」ということは「記憶に残りやすい」ということですし「思い出してもらいやすい」ということになります。「引っ越しするけど、どこにたのもうか」となったときに真っ先に思い出してもらえることにつながります。 「覚えやすさ」大切ですね。「伴走舎」は覚えてもらえましたか?