ブログ

わからないから悪いんじゃなく、わからないものをわかるようにしてから判断する。

わからないから悪いんじゃなく、わからないものをわかるようにしてから判断する。

沖縄本島は日陰にさえいれば、気持ちのいい風に吹かれて心地よい日が続いていますね。日陰にさえいれば、ですけど(笑)。 「自社のECサイトが全然ダメ。全面リニューアルしたい。」という方がご相談に訪れました。 自家製のフルーツを販売されており、Twitterで2,000以上のフォローワーを持ち、Instagramも最近始めて週に10件ほどのペースでフォローワーを増やしているそうです。(す、スゴイ・・・) そして、SNSのフォローワーを自社のECサイトへ誘導し、販売しているとのこと。(お、お見事・・・) 話をひととおりお伺いして、私が最初に発した言葉は そこまで出来てるのはスゴイです。何も問題ないでしょう。 でも、「全然ダメ、サイトの全面リニューアルが必要」としきりにおっしゃいます。私には、何か焦っているようにしか見えません。 締切まで時間がないけれども、サイトの全面リニューアルのために補助金を活用したいとのことですので、事業計画を書いていただくことにしましたが、そのときにお願いしたのが「ご自身で感じている課題をきちんと書いてください」ということでした。 この方、メチャクチャ気合が入っていて、週末を使ってわずか3日で書き上げて持ってこられました。(この行動力もスゴイ!) さっそく拝見してみると、この方が全面リニューアルが必要と感じている問題点は、 (1) STORESを使っているがフリープランなので、アクセス解析ができないので、SEO対策も弱い。(2) STORESを使っているがフリープランなので、サイトのドメインがSTORESのドメインになるため、ユーザーに対して信頼感・安心感、地域性が出せない。(3) STORESを使っているがフリープランなので、コンバージョン率がわからないので、コンバージョン率が悪い。(4) 集客が弱い。Facebookやメルマガも新たに始める必要がある。 というものでした。 でも、よく見ればわかるようにサイトの問題点は2点に集約できで、所要時間1時間程度、費用も年間2万5千円程度で解決できることがわかります。それは、 ・独自ドメインを取得する・STORESを無料プランから有料のスタンダードプランに変更する です。 でも、もっと問題なのは、 わからないから、悪いと決めつけている。 ということです。上記でいえば、(1)、(3)、(4)が該当します。 (1) アクセス解析ができないから、SEO対策が弱い。(3) コンバージョン率がわからないから、コンバージョン率が悪い。(4) アクセス解析ができないから、SNSからの集客が弱い。 数値がわからないから、サイトを全面リニューアルするのではなく、数値を取った上で判断をしないと、全面リニューアルをするといってもどこをどう直すのかという方針も立てられないでしょう。良いか悪いかの判断は、判断基準となる数値を見てからです。 1. 判断基準を決める2. 判断基準となるデータを集める3. データを見て判断する 回り道をしているように見えるかもしれませんが、それが一番の近道です。 この相談者さんのような「えっ、マジ!?」って驚かされる行動力とスピード感があれば、あっという間に分析を終えて対策を立てて、動き出すことでしょう。

顔つきが変わる

顔つきが変わる

理事を務める地元商工会と隣町の商工会で、7月から週に3日のペースで経営相談をやってます。いろんな事業者さんや経営者さんのお話を伺い、アドバイスをさせていただいています。 美容系のサロンを営まれている事業者さんとお話をさせていただいていると、よく出くわす光景があります。それは、 顔つきが変わる ということです。 これまでお会いした方は、女性の経営者さんばかりなのですが、ご自身が事業で困っていることなどは自信なさそうにボソボソと話されているんです。でも、私から投げかけた「あなたのお店が近隣のお店とはここが違うというポイントはありますか?」という質問に対して話し始めると、だんだん顔つきが変わってくるんです。 ただキレイにするんじゃなく、お客様に健康になっていただきたいんです! とか、 お客様がご自宅でもできるように、こういう商品しか取り扱っていないんです! とか、もう話し始めたら止まらないです。私も勉強になることが多くて、しばし時間を忘れて聞き入ってしまいます。 相談時間に限りがあるので、途中で話をこちらに引き取るのですが、「いやぁ、話し始めると止まらないですね」ってお伝えすると「すいません!」って謝られるのですが、全然そんなことはなく、むしろ「すごいなー」って感心してるんです。 熱っぽく話すのを聴いていて 「この人は、この製品のことが本当に好きなんだろうな」「この人は、信念を持ってこのサービスをやっているんだろうな」 というのがこちらにガンガン伝わってくるんです。だから感動して、ゾクゾクしてしまうときもあります。そういう方は伴走したくなっちゃうんですよね。 みなさんは、自分の事業について熱っぽく語れますか?

悲観 vs 楽観 ではなく、悲観 and 楽観

悲観 vs 楽観 ではなく、悲観 and 楽観

先日、テレビを見ていたら、イタリアンファミリーレストラン「サイゼリヤ」の堀埜社長がインタビューに答えていました。 この先の経済回復の見通しについて、 何をいっても当たらないですよ。だからわからない。でも、経営者としては必ず最悪を想定して手を打っておかなきゃならない。 として、L字回復を想定されていました。 危機管理の専門家の方々がよく口にする 悲観的に準備し、楽観的に対処せよ ということでしょうか。 その他の経営者では、稲盛和夫さんが 楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する とおっしゃっています。 そして、今日、みなさんに贈りたいのがこの言葉 勝者は、悲観的に準備して、楽観的に対処する。敗者は、楽観的に準備して、悲観的に対処する。 みんなが勝者になれば、敗者はいない。みんなで一緒に勝者になりましょう!

カタチから入りたがる人

カタチから入りたがる人

台風9号、10号と立て続けにやってきましたが、みなさんの店舗や事務所、設備は大丈夫でしたか?一昨日、昨日と晴天に恵まれましたが、今日の沖縄本島はどんより、それでいて変わりやすい天気です。 沖縄県内で大規模な観光土産品販売店を営む社長さんが「牧野さん、ちょっとついてきてほしい」というので、知り合いの社長さんが運営しているというお店に連れて行かれました。そこは、海外製のリゾートウェアのショップ。そのお店が沖縄に出店するのをこの社長が手伝ったんだそうです。 ひととおり店内を見て回りお店を出たあと、近くのカフェでお茶しながら「あのお店の店員は、基本給プラス歩合制なんですって。だから、店員がガンガン接客してガンガン売るんですよ。」と興奮気味に話します。 この社長さんがいつも「うちの従業員はカウンターの中にいてばっかりで全然接客しない」とグチをこぼしていたのを思い出しました。それと、この人は、仕事にしても趣味にしても何か新しいことを始めるときは、まずはカタチから入るタイプの人であることも。 社長:うちもあんなふうにガンガン接客させるには、社員の評価を各人の売上金額にすればいいと思うんですよ。どうです、いい考えでしょ! 牧野:いやぁ、それは、やめておいたほうが... 社長:どうして!? 牧野:業態というか売り方が違うでしょ。あの店はいってみればブティック。来店客をきちんと接客して売ることが求められていますし、店員さんそれぞれの積極性や接客技術によって売上も違うでしょうから、歩合にするのは自然な事かもしれません。 社長:じゃあ、ウチは? 牧野:あなたの店はいわば小売店。観光バスから降りてきたお客さんがどっと入ってきて、店の中を見て回り、気に入ったものを手にとって、レジでお金を払って帰っていく。レンタカーのお客さんはゆっくり買い物するでしょうけど、スーパーに近い。 社長:それでも、どれだけのお客さんに対応したかで社員を評価してもいいでしょ。 牧野:じゃぁ、どうやってそれを測ります? 社長:うちのレジは会計の度に毎回、社員番号を入れるようになっているから、誰がいくら売り上げたかわかるようになってる。 牧野:それは、その人が「売り上げた」んじゃなくて、「レジ打ちした」ってことでじゃないですか? 社長:いや、売り上げたんですよ。 牧野:いや、レジ打ちした、ですよ。やるにしても、店内のどの人たちを対象にやるんですか? 社長:全員。 牧野:いやいや、あなたのお店はバックヤードでの商品の検品、店内への品出し、お客様が買った商品の自宅へ発送、記念品の大口注文、それ以外にもそれぞれ持ち場があって、みんなで助け合ってお店を営業してるじゃないですか。それに忙しいときは、会計カウンターもレジを打つ人と商品を梱包する人の二人一組でやってますよね。カウンターでのお客様の会計は、みんなで助け合ってやる仕事のひとつなんですから。 社長:でも、カウンターの向こう側にみんなこもっておしゃべりばかりで困っている。彼女たちも販売員なんだからカウンターから店内に出てきて接客して売ってもらわなければ困る。さっきの店みたいに一人ひとりの売上で評価することで、うちの社員も積極的に接客するようになるはずですよ。 牧野:いやいや、絶対にやめたほうがいいですって。 この社長、その後、導入に踏み切ろうとしたそうなんです。でも、私が想像したとおり、店員さんたちから「じゃぁ私、接客もしないし、自分の持ち場の仕事もしないで、レジの前から離れない」「私もそうする」「私も!」「私もレジしかやらない」の大合唱。それではお店が運営できないとマネージャーからも再考を促され、断念したそうです。 他社でやっていることを「あれいいな。うちでもやってみよう」と表面的なことをまねるのではなく、「あそこは、なぜあれをやっているのか。なぜやれるのか。」「では、うちで取り入れる意味は? やれるのか? 問題は出ないのか?」といったことを考えた上で決めなければなりません。 あなたは、カタチから入る人ですか?それとも、本質から入る人ですか?

あなたは、もらいたい派? それとも、解決したい派?

あなたは、もらいたい派? それとも、解決したい派?

台風9号が過ぎ去ったと思ったら、今度は10号が近づいてきます。しかもかなり巨大な。沖縄をはじめ、進路が予想される地域のみなさん、十分な対策をとってください。 現在、週3回、2つの商工会で「新型コロナウィルス感染症対策経営相談窓口設置事業」として設置された相談窓口で事業者さんの経営相談に当たらさせていただいてます。その中で特に多いのが「補助金を使いたいのですが」というご相談です。ごくたまに「なんか、簡単にもらえる補助金があるって聞いたんだけど。」という方も。こういう相談、申請期限が近づくと増えてきます。 私が補助金がキライな理由がここにもあります。完全に手段が目的化してしまっています。 こうしたケースで補助金の申請にこぎつけるのは難しいです。制度を詳しくご説明して「ですので、あなたの相談内容では、この補助金には申請できないですし、他にも該当する補助金はありません」とお答えしてお引取りいただくことになります。 一方で、「新型コロナの感染が始まってから、売上が落ち込んでしまって...」という事業者さんがなんとかしようともがく中で、「特に、こんなことで困っているんです」とか「こんな事考えてるんですけど、どうですかね」というご相談もあります。 こうしたご相談では、こちらかいろいろと質問をしながら、ご希望やお考えもお聴きして、私からのアドバイスやアイディアもご提示して一緒に解決策を探っていきます。このプロセスは私としてもやりがいを感じる時間です。 そうして出来上がったプランは「これならこの補助金使えますよ。締め切りまで十分時間もあります。申請書の事業計画をじっくり書いていきましょう!」となり易いですよ。 あなたは、補助金をもらいたい派? それとも、問題を解決したい派?