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早い判断のコスト vs 遅い判断の損失

早い判断のコスト vs 遅い判断の損失

台風9号が過ぎ去ったと思ったら、今度は台風10号がやってきます。沖縄をはじめ九州地方のみなさん、備えはできてますか? 「うちの経営陣はいつも判断が遅い、というか遅すぎる」 これは、病院や介護施設のグループが経営する介護士施設にお勤めの職員さんからお聞きした話です。 新型コロナの第1波のとき、他の介護施設が家族の面会を禁止にしていっている中、このグループの経営陣は傘下の特別養護老人ホームにおける家族の面会禁止の判断をズルズルと先延ばしにしていたそうです。 介護の現場では、職員さんがお年寄りを抱きかかえたり、耳が遠いので顔を近づけて耳の近くで話しかけたりと、濃厚接触なしには介護ができません。なので、職員や利用者さんが誰か一人でも感染したら一気に集団感染につながるリスクを抱えています。 お子さんやお孫さんと会うことができない、というのは利用者さんにとってもご家族にとってもつらいことでしょう。そこを慮ったというのもあるでしょう。また、実際に禁止にした施設では「せっかく孫が東京から帰ってきているのに会わせないのかっ!」というクレームもあったそうなのですが(東京から来た子供を自分の親に合わせるというリスクをあえて冒すこの人もどうかと思うのですが)、そうしたクレームを恐れたのかもしれません。 集団感染の危険にハラハラする現場をよそに、このグループの経営陣はなかなか決断できず、他の施設よりも3、4週間も遅れて家族の面会の禁止を決めたようです。 今回の台風9号でも、午前11時ごろには沖縄本島の路線バスは午後3時からの運休を決めたというのに、このグループ傘下のデイサービスでは閉所→利用者の帰宅、という判断がずるずると午後まで遅れたようです。 もうすでに強風が吹いているにもかかわらず、運良く雨には降られずに利用者さんを帰宅させることができたそうですが、もしも、土砂降りの暴風雨の中を帰宅させることになってしまったら、利用者さんや送り届ける職員さんたちをどんな危険に晒したことでしょうか。 素早い判断には、クレームや機会損失などコストがかかるでしょう。 でもズルズルと判断を引き伸ばしたために発生するのは「被害」です。その損失は計り知れません。 コストと被害の損失、あなたはどちらを選びますか?

台風が来る毎に決めてるんですか?

台風が来る毎に決めてるんですか?

台風9号は沖縄から離れつつありますが、暴風圏・強風圏の範囲は広く、まだまだ警戒を緩めるわけにはいきませんね。 内地でも毎年のように勢力の強い台風が上陸するようになってきました。台風への対応を事前に決めてありますか? 数多くの台風がやってくる沖縄でも、台風がやってくる度に対応を決めている事業者さんがいらっしゃいます。 店を閉めるのかどうか従業員さんはいつ帰すのか明日は店を開けるのかどうか従業員さんの出勤はどうするのか 台風がやってくる度に、経営者さんと従業員さんみんなで一日中ザワザワとやっているわけです。働いている従業員さんにしてみれば、不安な時間をダラダラと過ごすことになります。決めきれないうちにいつの間にか事業所が危険な状況になってしまっていることだってありえます。 店・事務所を閉めるのならどのタイミングか店・事務所を開けるのならどのタイミングか従業員さんはどのタイミングで帰すのか従業員さんがどのタイミングで出勤してもらうのか あらかじめ基本方針を決めておいてはどうでしょうか。決めておいたからといって、それに縛られる必要はありません。台風がやってくる時間帯や勢力は毎回違います。状況に合わせた柔軟な対応が求められますが、基本方針を基準にすれば、判断が早くなるし、従業員さんもあらかじめ準備ができます。 昨日8月31日(月)は、朝から商工会で経営相談の日でした。台風9号が近づいており、予報では午後には暴風圏に入ります。職員さんに聞くと「暴風警報が発令されて、バスの運行が止まると自宅待機ということになっています」とのこと。基本方針が決まっているんですね。 午前11時ぐらいに「午後3時から沖縄本島の路線バスは全線運休」の発表がありました。 それを受けて午前11時30分ごろには、沖縄県商工会連合会から「13時に閉庁」の指示がありました。加えて「バス通勤の人は、バスの最終時刻を確認して帰宅するように」との指示も。 県連本部としては、暴風警報が発令される前にバスの運休が先に決まったのでそれに合わせて柔軟な対応をとったんでしょうね。 基本方針と状況に合わせた柔軟な対応、していますか?

コロナ禍転じてバスから降ろす

コロナ禍転じてバスから降ろす

沖縄本島ではここのところ太陽が顔を出してくれませんね。熱帯低気圧が発生し、週末にかけて台風9号となって沖縄に近づいてきそうです。またしばらく太陽が見れないのか… ☆ 「コロナ禍」 ほとんどの経営者の方々にとっては、まさに禍(わざわい)です。でも、この禍を機に、長年の懸案を解決した方もいらっしゃいます。 起業の経緯は人それぞれでしょうが、起業時の資金を自分だけではなく、他の人にも出資を仰いで起業した方もいることでしょう。けれども、起業して時がたつにつれて、その資本関係が重荷になってくる場合があります。利害であったり、人格であったり、その理由は様々でしょう。株をすべて買い取れればいいのでしょうが、なかなかそうはいかない事情もあります。ですが、事あるごとにこの資本関係が経営者にとってとてつもないストレスになり続けます。ジェームズ・コリンズの言葉を借りれば、「バスに乗せて出発してみたら、間違った人だった」ということでしょうか。 ※バスとその乗客ついては、「誰をバスに乗せるか」を参照 ある社長さんは、この機に株の買取を申し出たところ、すんなりとすべて買い取れたそうです。それも額面で。相手にしてみれば「この先の状況が読めない中で、紙くずになる可能性だってある株を額面で買い取ってくれればありがたい。今のうちに売っちゃえ」ということでしょうか。 また別の社長さんは、会社を精算することに株主全員から同意してもらいました。業績が急激に落ち込み、この先の不透明は状況では、清算の同意が得やすかったのかもしれません。 最終形がその社長さんにとって望ましい形なのかどうかはわかりませんが、少なくとも、お二人とも長く苦しめられてきた資本関係という荷を降ろすことができました。まさに、コロナ禍が転じて、間違った人をバスから降ろせました。

「みんなでがんばる」ってこういうこと

「みんなでがんばる」ってこういうこと

https://youtu.be/w-SXHKmDCnI 沖縄本島では、通過したはずの台風8号の影響がまだまだ残っていますね。とおもっていたら次の9号がやってきそうですね。外に出て散歩したい... ☆ 昨日は、小規模事業者補助金セミナーの追加開催がすぐに満席となり、申し込んでいただいたみなさま、本当にありがとうございました。セミナーの中でお話した、補助金の申請書を書く前にやっておくべきことについて、近々にセミナーを開く予定です。 ☆ 毎週金曜日の11:00からFM那覇で生放送している「車座RADIO」。経営者が集まる「守成クラブ沖縄」がスポンサーで、毎週、会員さんをゲストに招き、お話を伺う番組です。第3金曜日は私がナビゲーターなんです。 先週金曜日はちょうど第3金曜日。その様子は上の動画をご覧ください。 ゲストは株式会社リアンズ沖縄代表取締役 杉本満さん。沖縄でリネンサプライサービス事業を展開されています。 リネンサプライと聞いてパッと思い浮かぶのは、ホテルのシーツや枕カバー、タオルのクリーニング。どれもホテルのロゴやマークが入っているので、シーツやタオルはどちらの持ち物なのかお聞きすると、ナント、リネンサプライ事業者さんが用意するとのこと。その代わり複数年契約してもらい、クリーニング料金に含めて契約期間内で回収していくんだそうです。「リネンサプライ」の名のとおり、リネン自体も供給しているんですね。 でも、新型コロナの影響でホテルの稼働はかなり落ちています。するとリネンのクリーニング回数も激減しているので、料金の中で回収していくはずのリネン代金が回収できなくなるじゃないですか。そのあたりを杉本さんにお聞きすると、「ここは、ホテルさんにも頑張ってもらって、私たちもがんばる。そうやってみんなで乗り越えるしかないですよね。」とおっしゃっていました。 マスコミなどで「みんなで頑張っていこう」なんて言ってるのが聞こえてくると「みんなで」という言葉に漠然としたものを感じていましたが、杉本さんのお話を伺って「誰と」「何を」がリアリティをもって感じられました。 みんなでがんばって乗り越えていきましょう!

ついに公取の記者会見!

ついに公取の記者会見!

いよいよ13時から公取の記者会見です。 ここまでの経過というと、1日目の金曜夜は、問題を 1.排除命令への対応 2.排除命令によるビジネスへの影響の2つに特定し、2日目の土曜日は、行政処分なので最優先かつ必須の1.についての対応策の策定。3日目の日曜日は、2.の影響範囲について、フレームワークを使ってもれなく洗い出し、それぞれについて対策を考えました。 今回からお読みになる方は、第1回から第5回もご覧下さい。第1回:https://banso-sha.jp/blog/20200812/第2回:https://banso-sha.jp/blog/20200813/第3回:https://banso-sha.jp/blog/20200814/第4回:https://banso-sha.jp/blog/20200817/第5回:https://banso-sha.jp/blog/20200819/ 万全の準備は昨日までに終えたと思って月曜日の朝出勤すると、運良く広告代理店さんが来ていて、「記者会見があるなら、マスコミ対策もしておいた方がいいでしょう」と県庁記者クラブへの投げ込みをしていただけることになりました。 記者会見の時刻に合わせてホームページにUPしようとしていた掲載文をライターさんにチェックいただいて、マスコミへの文章に仕上げ、問い合わせ先を専務と私にして広告代理店さんに託しました。 顧問弁護士さんとも打ち合わせして本社へ戻る途中で記者会見が始まっており、本社に到着するとマスコミからの電話がジャンジャン。それらの電話を専務と二人でさばき、用意しておいたコメントを伝えていきました。 また、この件に関するお客様からのお問い合わせクレームの電話も数本だけ。こちらもすでに立てた方針どおりお客様に説明してさしあげると、気持ちの上で納得いただけない方もいらっしゃいましたが、理解はしていただけました。 朝から慌ただしい日でしたが、マスコミやお客様からの電話もかからなくなってから併設の直営店舗に出てみるといつもと変わらぬ店内の様子。 最悪の事態を想像しながら深夜まで対策に追われながら過ごした週末だっただけに、ちょっと拍子抜けすると同時に、どっと疲れが出てきたのを覚えています。 では、対策は無駄だったのかというと、絶対にそうではありません。やれるだけのことはやったという万全の準備をしていたからこそのこの日の結果だと思います。 とはいえ、これで安心するのはまだまだ早いんです...続きはまた。