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先行きが不安なときのアドバイス

先行きが不安なときのアドバイス

今年1月1日に独立起業したお客様。国指定の伝統工芸、琉球絣・南風原花織の工房 TEORI WORKS OKINAWA 様。代表の宮城麻里江さんから昨年末の独立決定と同時にご依頼をいただき、牧野が伴走しています。 個人事業の小さな工房ではありますが4名の専属の職人さんを抱え、お取引先に恵まれたということもあり、起業直後からささやかですが安定して売り上げていました。 4月最後の打ち合わせ前、ミーティング日時のリマインドをチャットツールで送ると「新たに相談したいことがあります」との返信。なんとなく想像つきましたが、行ってみるとやはり新型コロナの影響が出始めたとのこと。 売上の落ち込み具合はなんとか経営が成り立つ程度に留まっていたのですが、麻里江さんは不安な様子。そこで私が話したのは、 ・麻里江さんがこの世界に入ったときに掲げた目標が琉球絣・南風原花織の産地であるこの地域に貢献するものだということ・牧野はその目標と産地におよぼす貢献に共感したので伴走していること・麻里江さんの持つ強みは何かを再確認・この強みがあれば、目標は実現できると牧野は信じていること といったことです。 この話がどれだけ麻里江さんの役に立ったかどうかわかりませんが、後日、チャットツールで彼女から「独立して牧野さんにコンサルついてもらってほんとに良かった〜って何度思ったことか!」と送られてきました。マジで涙、出ました。 彼女が前向きになれたからなのかどうかわかりませんが、将来に向けて明るい材料がちらほらと取引先様からオファーされてきています。 新型コロナの影響で先行きに不安を感じることは当然です。そんなとき、事業を立ち上げたときに掲げた理想や、自分の会社の強みを再確認してみてはどうでしょうか。 ちなみに、麻里江さんについて、織物工房の代表なので年配の女性を想像された方もおられるでしょうが、私の娘といっていいぐらい年の離れた30代の女性です。

ぬくもりは伝わらなくても、熱さは伝わるよ。

ぬくもりは伝わらなくても、熱さは伝わるよ。

人が移動を控えるようになり、仕事やプライベートに限らずオンラインでのコミュニケーションが日常的になっています。「Zoom 飲み」なんてのがトレンドとしてマスコミなんかでも取り上げられていますね。その一方で「オンラインでは、ぬくもりがない」とか「息づかいが伝わらない」といった意見もマスコミでは聞かれます。 クラウドなど存在もしない20年以上前のコンサルティング会社時代、自前の情報システムセンターを地方の工場に置いている製造業のクライアントさんが多く、プロジェクトルームのある東京との間でコミュニケーションが必要でした。当時はインターネットに限らず安定した高速回線はとんでもなく高価で、動画を送るのには恐ろしく時間がかかる時代。それでも大企業さんですからINS64(NTTのISDN回線。デジタル回線を2本バルクにしても今では考えられない128kbps。若い人は知ってるかなぁ)を使い、当時としては高価なテレビ会議システムをお持ちでしたので、それを利用して明石や仙台といった地方にいる情報システム部門の方と毎週会議をしていました。 距離は何100キロと離れていても、プロジェクトをなんとしても成功させたい、新システムを無事に稼働させたい、という同じ目標を共有する熱さみたいなものは感じていました。会議ではたまにはエキサイトすることもありましたし、もちろん、相手の人柄も伝わってきます。 そうした会議を数ヶ月続けた後に「牧野さん、やっぱり現地を見てよ」ということになり、工場へ出張するのですが、「画面で見るより小柄だな」といった感想はあるものの、初対面という感じはまったくなく、現地を案内してもらう間も、会議の間も、いつもどおりでした。 夜は居酒屋で地元の名物食べながら生ビールをグイッってやりながら、プロジェクトのことを熱く語り合いましたが、初対面の人と飲んでる感じは一切なかったです。宿泊できずに日帰りするケースでは、リアルでは初対面にもかかわらず「え〜、牧野さん、泊まっていかないのぉ!」って感じです。 それから20年以上経ち、インターネットは高速化され、画像の処理技術が向上してZoomのようなサービスが普及し、コロナ以前にはすでにオンラインのコミュニケーションは一般的なものになっています。 私も、昨年、Zoomで開かれる勉強会に参加し、そこで知り合った同じような目標を持つ人たちとZoomで雑談したり、相談したり、飲み会したりと、まだ一度も会ったことない人たちなのに、励ましたり、励まされたりしてこの一年を過ごしてきました。現在でもリアルではまだお会いしていませんが、困ったときには助けていただいています。 お互いの体温は当然ながら伝わりませんが、心の熱さとか人柄はしっかり伝わる、というのがこの20年、オンラインでのコミュニケーションをとり続けてきた経験から実感しています。

いま、売上が増えているビジネスは危険?

いま、売上が増えているビジネスは危険?

昨日のがっちりマンデー、見ましたか?テーマは「炭水化物ビジネス」。 これまでに番組に登場した、炭水化物の多い食べ物を提供している企業さんが新型コロナの感染が拡大してからどうなったか?という内容でした。 テイクアウト、デリバリー、保存食の分野ですでに「がっちり」な地方の小さな会社・事業者さんばかりでしたが、新型コロナの影響が出始めてからさらに3割、5割と売上を伸ばしていることが紹介されていました。 いま、日本は、「今月の店・事務所の家賃の支払いどうするか?」といったことで頭を悩ませている事業者さんがほとんどの状況ですから、こんなときに儲かっているビジネスの話を聞けば「いや〜、スゴイなぁ、羨ましいなぁ」と思う経営者さんばかりだと思います。 本当にそうですか? 逆に怖いと思いませんか? いま、大手企業でさえも大変な状況ですよ。「新しい日常」に合わせてビジネスを転換していかなければならないと当然考えているはずです。なにか良いビジネスのタネはないかと探しているはずです。 そんなときに、「なに!?いま売上が増えているビジネスがある!?」となれば、参入してくる可能性はありますよ。大手が資本力にモノを言わせて参入してきたら、私たち中小・小規模・個人事業者はひとたまりもありません。 もちろん大手に限らず、「ウチもやってみよう」と考える地元の事業者さんもいるはずです。 そうならないためにも、自分の商売をマネされ難くしておきたいです。 私たちは、参入されにくい、小さくても強いビジネスを目指さなければなりません。

新型コロナとの共存

新型コロナとの共存

「人のふだんの生活が新型コロナの感染経路」と表現した感染症の専門家の方がいらっしゃいました。 いつもの生活が感染経路であれば、感染を防ぐためにはいつもとは違う生活をしなければならないわけで、それを「新しい生活様式」として政府の専門家会議から提示されました。 この「新しい生活様式」を一言で言うと「動かない生活」と言えるのではないでしょうか。 家の外へ出かけて・仕事をする・人と会う・買い物をする・食事をする・運動をする・スポーツを楽しむ・文化芸術を楽しむ・知らない土地の生活・文化にふれるといったこれまで人は当たり前にしていたことを「新しい生活様式」では控えましょう、といっています。でなければ、新型コロナに勝てないと。 また、この生活様式は新型コロナとの戦いが長丁場になることを前提にして提示されています。 「新しい生活様式」が長期に渡って続けば、それが「新しい日常」になっていくでしょう。 人間の生活は習慣でできているとも言われます。これまでにも外出を自粛して三密を避ける生活を続けてきた私たちは、「新しい生活様式」にかなりスムーズに移行し、それが人々の習慣になっていくことでしょう。それは、「動かない生活」が習慣化しまうことを意味しているのだろうと思います。外出しないことが日常になると。 もうすでに、みなさんお気づきかと思いますが、すでにその芽は出ています。人は、一度生活パターンを変えてしまうと、以前の生活パターンを忘れてしまいがちです。年末年始やGW、お盆などまとまった休みの後に生活習慣が変わってしまった経験をお持ちの方は多いと思います。 なので、with だろうと after だろうと、「人が動かない」生活を前提にご自分の商売・ビジネスを見直していくことが迫られています。 人がこれまでに経験したことのない「新しい日常」です。正解が何なのかわかりません。成功パターンもまだありません。考えて、チャレンジしてみるしかありません。

この状況、本当に悔しすぎるから・・・

この状況、本当に悔しすぎるから・・・

サンリオピューロランドの年間入場者数は、1991年の開園当時は195万人でしたが翌年から減り続け、2009年には半分近い109万人まで落ち込んでしまいました。ところが、2014年から126万人と回復に転じ、2018年には219万人の過去最高を記録したんです。 1991年 191万人1992年 134万人1993年 125万人1994年 112万人1995年 110万人 :2009年 109万人 :2014年 126万人2015年 158万人2016年 181万人2017年 198万人2018年 219万人 まさに「V字回復」なのですが、その起点となった2014年からサンリオピューロランドに関わり改革を指揮してきたのが現在の社長、小巻亜矢さんです。 その小巻社長も、この新型コロナの影響下では眠れない日が何度も何度もあるそうです。先日の「プロフェッショナル仕事の流儀」緊急企画のインタビューの中では、この状況で自分と同じ経営者さんたちへ贈るエールはないかと訊かれ、 と答えていました。 そしてさらに印象的だったのが、この状況におかれた経営者として「苦しい、悔しい、悲しい」という言葉で内面を表現していました。特に「本当に悔しい」という言葉を何度も使っていて、小巻さんの胸の内が伝わってきます。「本当に悔しい、もう本当に悔しい状況なんですけれども、本当に悔しすぎるので って本当に心からそう思う」んだそうです。 ただでは起きないために、あなたは何を準備しますか?