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変えられなかった仕事のやり方

変えられなかった仕事のやり方

販売システムを導入したものの、すべての売上がこのシステムに入力されていなかったという事例で、こうしたことが起きる原因として考えられる理由は以下のようなものでした。(→参照)・目的が小さかったか、目的を忘れてしまった・システムの導入に合わせて仕事を変えなかった 多くの中小・小規模企業のシステム導入の目的の一つには省力化があり、省力化される業務については業務の変更がなされますが、省力化されない業務、この事例では直営店の外商取引と卸売部門の委託販売はシステムへ入力するように業務の変更がされず、これまでの仕事のやり方がそのまま残されました。 省力化の他にも、データを集計して分析し、対策を立てることで売上の向上につなげるというのが販売システムの導入の大切な目的でもあるはずです。 この会社では、本来なら販売システムからデータを取り出して集計・分析するように業務を変えなければなりませんが、慣れているからと従来のやり方を変えませんでした。 だから、集計・分析の段階で外商取引と委託販売の売上データがシステムに入っていなくても困ることはなく、その発見までに一年という時間が経過することになってしまったわけですね。

目的のために捨てる業務、変える業務、加える業務

目的のために捨てる業務、変える業務、加える業務

前回の続きです。 この事例の会社が販売システムを導入する目的が「データを集計して分析し、対策を立てることで売上の向上につなげる」ということであれば、それを業務として組み込まなければ意味がありません。 システムを導入すると、導入前よりも細かくデータを貯めることができます。そうするとこれまでは精度が粗かったデータも細かく見ることができますし、いままでは見ることができなかったデータも見れるようになります。 そこで、・システムの導入で不要になった集計業務を廃止して、・データの集計を細かくできるようになった業務を変更し、・新たに見れるようになったデータを集計する業務を追加するということをしなければなりません。 システムを導入するのなら「捨てるべき業務は捨て、変えるべき業務は変え、加えるべき業務は加える」ということをしっかりとやって、定着させなければシステムの導入目的は実現できませんし、もちろん効果も現れません。 でも、これを定着させるにはさらに…

チップをすべて賭けるか?

チップをすべて賭けるか?

大塚家具がヤマダ電機の傘下に入ることになりました。 高級家具を会員制で販売するというスタイルを確立して成長した大塚家具ですが、経営方針を巡る対立から創業者である父の勝久さんは会社を追われ、娘の久美子さんが経営権を握り、それまでの会員制を捨てて、店舗スタイルの転換を進めました。 「客層を落としてはダメ。価格を下げたら二度と戻れなくなる」と当時父の勝久氏はテレビの取材に答えていましたが、その言葉どおりニトリやイケアとの競争に巻き込まれ2016年から3期連続の最終赤字。絶えず資金不安を抱えながらスポンサー探しに追われ、ついに51%の株式をヤマダ電機が取得し、大塚家具はヤマダ電機の子会社となりました。 一方、父勝久さんは、従来の大塚家具のスタイルを堅持した「匠大塚」を創業し、順調に業績を伸ばしています。 高級家具という業界では他の追随を許さないポジションを確立しているのに、なぜ競争の激しい市場にカジを切るのか。当時、私は不安に思っていました。 これまで泳いでいた海とは違う海へ会社を丸ごと飛び込ませてしまい、うまく泳げなかったので会社ごと救助船に拾ってもらった。そんな構図が浮かんできます。 別会社をつくるなり、別会社を作らずとも別ブランドでやってみるということは検討したのでしょうが、そうした手持ちのチップの一部だけ賭けることをせず、久美子さんはなぜすべてのチップを賭けなければならなかったのでしょうか。

忘れ去られる大事な目的

忘れ去られる大事な目的

先日は、販売システムを導入したものの、全ての売上が販売システムに入っていないことに一年経っても気づかなかった、という例をご紹介しました。(→ こちら) どうしてこんなことが起きるんでしょうね。 考えられるのは・目的が小さかったか、目的を忘れてしまった・システムの導入に合わせて仕事を変えなかったという2つの理由です。 中小・小規模企業によくあるIT導入の目的が「省力化」。 当初の目的が省力化だった場合は、先日の例でも十分に目的を達成しています。直営店舗と卸売部門のどちらの部署においても、売上の大半を占める店舗の販売業務と卸売販売の売上集計の省力化は実現していました。 でも、省力化だけのために数百万円もかけて導入したのでしょうか。 おそらく、省力化以外にも目的があったはずです。でも、システムを使い始める前に労力をかける中心となるのは「使い方」を覚えること。使い方を覚えなければせっかくのシステムを使えませんから、従業員さんに使い方を覚えてもらうための講習はシステム導入の一大イベントです。 そして、使い方を覚えると省力化の効果をすぐに実感できます。システム導入の目的のひとつを実現できたことがはっきりとわかります。 この会社の例では、売上の大半を占める主要な販売業務は大幅に省力化されました。しかしながら、直営店舗の外商取引や卸売部門の委託販売といったわずかな業務については放置されてしまったようです。 省力化以外の目的は、使い続けてはじめて実現できるものが多く、・効果を実感できる人が経営陣や管理職などに限られる・そうした人数が少ないユーザーに対する使い方の講習は後回し・実現できるまでの期間が長い・それまでの間、根気よく継続・定着させる努力が従業員に求められるといった理由で忘れられてしまったり、努力が払われないようです。

数百万円投資して導入した販売管理システムという名の「電卓」

数百万円投資して導入した販売管理システムという名の「電卓」

販売管理システムを導入して1年経つのに、会社が売り上げた販売データがこのシステムに入っていない、なんてことあると思います? 数百万円をかけて新たに販売管理システムを導入したとある製造業の会社さん。この会社は自社直営店での小売と一般小売店への卸売で製品を販売しています。 POSレジがこの販売管理システムに連動しているので、直営店ではレジで販売したデータはすべて自動的に販売管理システムに入ります。ところが、店頭での販売以外に外商での販売も行っており、その分については誰も販売管理システムに入力していなかったんです。卸売部門では、通常の卸売取引はシステムに入力していましたが、委託販売の分についてはシステムに入力していませんでした。入力していない分の売上は、システム導入前と同様に電卓で集計していたんです。 販売管理システムにデータが入った売上と入ってない売上、どちらも経理へは報告されるので、会社としての売上はきちんと把握できていたのですが、販売管理システム上の売上とは一致していないなんてことを1年経ってもだれも気がつかなかったんです。 せっかく多額の投資をした販売管理システムですが、主要な販売方法における電卓のような単なる売上集計機になっていました。 どうして、こんなことになっちゃうんでしょうね。この続きはまた。