ブログ

今ではもう少なくなったお客の方を向いてませんか?

今ではもう少なくなったお客の方を向いてませんか?

東京都では、従業員を雇う飲食店の屋内禁煙を定めた「受動喫煙防止条例案」が可決され、2020年4月には全面施行されます。都内の飲食店の8割以上が対象となり、戦々恐々としていると聞きます。 「禁煙にしたら、お客が来なくなるかも」と考える飲食業の経営者さんのお話はよく耳にします。 でも・・・ JTによる「全国たばこ喫煙者率調査」によれば、2018年の喫煙者率は、男性27.8%、女性8.7%、男女で17.9%。 この数字は年々下がり続けていて、ピーク時の約3分の1まで減っています。JT自身も「当社は、喫煙者率が減少傾向にあるものと考えております。」との見通しを持っています。https://www.jti.co.jp/investors/library/press_releases/2018/0730_01.html たばこを吸うのは、5人に1人にも満たない人たち。残りの4人を超える人たちはたばこは吸わないんです。 どちらの人たちの方を向いて商売をするのがいいのかは明らかですよね。もちろん、工夫は必要ですが。 沖縄にも全面禁煙のお店、増えてきていますね。

経営者の仕事である「考える」に必要な《フレームワーク》って何のこと?

経営者の仕事である「考える」に必要な《フレームワーク》って何のこと?

経営者の仕事は「考えること」と言っても過言ではないでしょう。 ・従業員から上がってきた問題・取引先とのトラブルの解決といった、いま現在の課題。 ・今年度の売上目標達成のために何をするか・数年後の経営状態をどこまで持っていくか・5年後、10年後の会社が目指すべき方向といった会社の将来のこと。 こうした「考えること」が経営者のいちばん大切な仕事です。 ビジネスをする上で「考える」場合、論理的に考えることが求められます。 この「論理的」の基礎となるのが「漏れなく、ダブりなく」です。 つまり、検討漏れやチェック漏れなどががあってはいけないし、そこにダブりがあってもいけない、ということです。 漏れなく、ダブリなくといってもやりはじめるとキリがなく、何の目安もなしにやっては効率が悪くなってしまいますよね。 そこで、「フレームワーク」の出番です。 「フレームワーク」とは、検討やチェックをする上で、これだけ押さえればおおよそ漏れもないしダブリもない、といわれているものです。 例えば、5W1H。 文章に5W1Hの漏れがないか、をチェックすることは情報を誰かに伝える上で大切なフレームワークです。 さらには、平日と休日、七曜日。 平日と休日で集計したり曜日別に集計するのは、売上を分析する上で基本的なフレームワークです。 事業経営で必要とされる基本のフレームワークとしては 3C 経営戦略の策定 4P マーケティング戦略の策定 5Force 業界構造の分析 SWOT 事業環境の分析などがあります。 SWOT は耳にされる方も多いのではないでしょうか。自社のSWOT分析をしたら、さらにクロスSWOTまでされるのがオススメです。 その他はあまり耳慣れないかもしれませんね。ご興味がある方は、ご自分で調べてみてはいかがでしょうか。 調べてみて、自分の事業について分析をやってみたいが一緒にやってくれる人がいてほしい、という場合は伴走舎 牧野まで。

バスに乗せる人をどう選ぶ?

バスに乗せる人をどう選ぶ?

事業を進めていく上で、目的地がどこかよりも「誰と」のほうが重要だ、というお話を以前しました。(誰をバスに乗せるか) 人手不足で採用を行う事業者さんもいますよね。「誰と」を選ぶ際、自分で一人ひとり面接できればいいのでしょうが、そうもいかない場合はどうするか。 私がかつて経験したケースが参考になるかもしれません。 20代の半ばごろ、ニューヨークに本拠地を置く金融機関の東京支店に勤める元上司(後に仲人さん)に「牧野も来ないか」と誘われたことがあります。 当然「行きます!」なのですが、この会社、採用に際しては、偉い人からの紹介であっても 「配属先となる部署の全員と面談して、全員のOKが出ること」 がルールだそうです。 1860年代に創業し、世界に3万人を超える社員を抱える企業ですが、企業文化を大切に守るための工夫のひとつなんだろうと思います。 で、牧野は受かったのかって? 全部で外国人4人、日本人3人と面談したのですが、誘ってくれた元上司によれば、 「お前、日本人とは合わないけど、外国人ウケはいいみたいだな。あのボスがお前を連れて社内を案内して、しかもトレーディングルームまで見せたそうじゃないか。そんなのお前が初めてだぞ。」 外国の方は全員OKだったようですが、日本人の何人かはNOを出したようです。 そして数年後、「あのあと数ヶ月して、ボスから、やっぱりあいつを連れてこい、って言われたけど、お前、転職した後だったからな。」「え〜! どうしてすぐに連絡くれなかったんですか!?」と、仲人をお願いしたその元上司と私の結婚披露宴で高砂席に座りながら二人で話していました。

過去の延長線上に未来はない

過去の延長線上に未来はない

これまでもこれでやってこれたから、これからもこれでやっていけるだろう。 それってホントでしょうか? 昨日は、理事を務める地元商工会が5年計画で推進する経営発達支援計画の事業評価委員会の委員として、会議に参加してきました。 委員会で報告された今年度の事業計画の中に「経営計画策定セミナー」があったのですが、これが昨年度と同じく4日間のセミナーを1回だけ行うというもの。 私からの意見としては、 計画の作り方をセミナーで教わっても必要性を感じていなければ、セミナーを受けただけで、たぶん計画は作らないだろう。経営計画の策定を根付かせるというのは、商工会会員の経営力を上げる、という経営発達支援計画の目的を達成するためにとても戦略的な目標だといえる。ならば、セミナーの予算を啓発・啓蒙活動に振り向け、必要性を感じた事業者さんには計画策定のサポートを専門家派遣制度で手当てしたほうが、理にかなっている。5年間の前半は啓発・啓蒙活動に取り組み、後半で刈り取る、ぐらいの長期的視点で会員の経営力向上に取り組んでほしい。 という意見を延べさせていただきました。 理事でもあり建設会社の社長でもある他の委員さんからは、経営者の意見として、以下のようなお話がありました。 たしかに、事業計画、経営計画といわれるものを立てないまま経営している事業者が非常に多い。自分も経営計画を立てたほうがいいとは分かっていながら、作っていない。それは、リーマンショックのときのようなしんどい時期があってもなんとか乗り越えて20年、30年と事業計画をつくらなくても、これまでやってこれているからこれからもなんとかなるだろう、と思っているからじゃないのか。 これまでも、これでやってこれたから、これからも、これでやっていけるだろう。 ホントにそうでしょうか? どなたによるものか知りませんが、こんな言葉があります。 過去の延長線上に未来はない また、日露戦争の旅順攻略戦において、最初に立てた作戦に固執するあまり、作戦を長引かせてどんどんと兵士を死なせていく乃木軍作戦参謀たちに対し、児玉源太郎が発したこんな言葉があります。 諸君は過去の専門家であるかもしれん。しかし、明日の専門家ではない。司馬遼太郎「坂の上の雲」文春文庫第5巻 P.99 過去の成功体験(これまでもやってこれた)にしがみついていては変化する明日(これから)は乗り切れない、ということを言わんとしているのだと思います。

誰をバスに乗せるか

誰をバスに乗せるか

一昨日、琉球オフィスサービスさんが開催した Payke 古田CEO と比嘉取締役のトークセッションで感じたことをもう一つ。 会場から質問があり、「起業して2年経ち、現在も一人でやっているが、スタッフを入れたいと思っている。古田さんが採用のときに気をつけていることは何ですか?」というものでした。 この質問に対し、古田CEOは「最初に入れるメンバーは会社の空気を作る人達になるから、選びに選んだほうがいい。少しでも引っかかるところがあれば、その人は見送ったほうがいい」と答えていました。 この古田CEOの話を聞いていて私の頭に浮かんだフレーズが だれをバスに乗せるか ジェームズ・コリンズ著「ビジョナリー・カンパニー 2」の第3章のタイトルです。 ビジネス書の古典的名著になりつつありますね。その第3章から一部を抜き出します。(66ページ5行目〜67ページ4行目) 偉大な企業への飛躍をもたらした経営者は、まずはじめにバスの目的地を決め、つぎに目的地までの旅をともにする人びとをバスに乗せる方法をとったわけではない。まずはじめに、適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、その後にどこに向かうべきかを決めている。要するに、こう言ったのである。「このバスでどこに行くべきかは分からない。しかし、分かっていることもある。適切な人がバスに乗り、適切な人がそれぞれふさわしい席につき、不適切な人がバスから降りれば、素晴らしい場所に行く方法を決められるはずだ」飛躍を導いた指導者は、三つの単純な真実を理解している。第一に、「何をすべきか」ではなく「だれを選ぶか」からはじめれば、十キロほど走ったところで行く先を変えなければならなくなったとき、どうなるだろうか。当然、問題が起こる。だが、人びとがバスに乗ったのは同乗者が気に入ったからであれば、行く先を変えるのははるかに簡単だ。「このバスに乗ったのは、素晴らしい人たちが乗っているからだ。行く先を変える方がうまくいくんだったら、そうしよう」。第二に、適切な人たちがバスに乗っているのであれば、動機付けの問題や管理の問題はほぼなくなる。適切な人材なら厳しく管理する必要はないし、やる気を引き出す必要もない。最高の実績を生み出そうとし、偉大なものを築き上げる動きにくわわろうとする意欲を各人がもっている。第三に、不適切な人たちばかりであれば、正しい方向が分かり、正しい方針が分かっても、偉大な企業にはなれない。偉大な人材が揃っていなければ、偉大なビジョンがあっても意味はない。(コリンズ, ジェームズ (2001)『ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則』山岡洋一訳, 日経BP社 pp.66-67.) 経営者のみなさんいかがです? 起業間もない経営者さんにとってはとても示唆に富む内容ですね。 また、長く経営されている方にとっても、採用がいかに大切か再認識されると思います。 一方、お勤めの方にとっても、自分が間違ったバスに乗っていると感じていれば、降りて別のバスを探したほうがいい、ということになるでしょうか。 経営者のみなさん、適切な人たちをバスに乗せていますか? お勤めのみなさん、自分に適したバスに乗っていますか?