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長年続けているその仕事、存在理由を説明できます?

長年続けているその仕事、存在理由を説明できます?

設立して何年も経った会社には、昔から引き継がれている仕事がいくつもあるはずです。 退職者から引き継がれる、人事異動の際に引き継がれる、などして何年も続いてきた仕事が。 でも、なぜその仕事が存在するのか理由を説明できますか? その仕事が始まってから何年も経ったいまの会社の状況でも必要なものですか? 創業20年を超える沖縄県内の小売業さん。閉店後のレジ締めにとても時間がかかっていました。 とある項目の集計に30分も費やしていたことが原因です。 それは20年以上も続いている集計項目で、様々な売上分析ができるPOSレジが導入されているにも関わらず、その集計だけがPOSレジではできず、電卓で集計していたんです。 なぜその集計項目が必要なのかその理由を探っていくと... 先代の経営者が創業後しばらくしてその項目の集計を命じて毎日報告させていたものの、その後の経営環境の変化で必要性がどんどん薄れ、二代目にバトンタッチされた現在では完全に不要な集計項目だとわかりました。 速攻で二代目から先代にお伺いを立て、了解をもらった上で、即日その集計は廃止しました。 おかげで毎日のレジ締めが早く終わり、従業員も集計のための残業をせずに早く帰れるようになりました。 社歴の長い会社の経営者さん、特に先代から経営のバトンタッチを済ませている企業さんは、昔からある仕事がいまも必要かどうかチェックするとともに、仕事を引き継ぐときはその仕事が必要な理由についても引き継ぐようにしてはどうでしょうか。

え〜っ? 経営者なら朝令暮改があたりまえ!?

え〜っ? 経営者なら朝令暮改があたりまえ!?

先月、今月と、(株)ZOZOが運営するZOZOTOWNでサービス終了が相次いでいますね。 昨年2月にスタートした、ZOZOおまかせ定期便。ZOZOのスタッフがスタイリングしたコーディネート商品を定期的に5~10点送るサービスでしたが、既存会員を取り込めず今年4月にサービスを終了しました。 昨年12月にスタートした、ZOZOARIGATOメンバーシップ。ZOZOTOWNの商品が10%割引で購入できるという有料サービスでしたが、出店者側の離反を招き、今年5月末日でサービスを終了することになりました。 マスコミでは視聴者・読者に否定的な印象を持たせる報道のされ方が多いですね。 サービス開始から終了の発表までの期間はおまかせ定期便:11ヶ月ARIGATOメンバーシップ:4ヶ月 オーナー社長だからこその決断の速さと評価することもできます。 これが大企業だったら、メンツやシガラミにとらわれてズルズルと続け、傷口を広げたんじゃないでしょうか。 マズイ!、間違えた!と判断したらサッとやめる。オーナー経営者の強みともいえます。 決断のサイクルを早めれば、朝出した指示をその日一日様子を見て、夕方には撤回なんてこともありえるでしょう。まさに朝令暮改。 ただし、ここで注意してほしいのは2つ。まず、撤回するときは、その理由を必ず従業員さんに説明してください。「やってみたけど、費用がかかりすぎるから」「思ったほどお客さんの反応がよくない」とか。 もう一つは、こちらのほうが重要なんですが「ブレないこと」 下した決定が、経営理念、ビジョン、目標など、ふだんから従業員さんやお客さんに説明している会社の方針に反していないかということです。 これをお読みのオーナー経営者さんは、この2つが大事なことは、痛いほどおわかりですよね。 まとめると、・間違ったと思ったら決断は早く。朝令暮改もOK!・ただし、決断理由は説明すること。・決断がブレないこと。です。

商業登記、ひとりでできるもん!

商業登記、ひとりでできるもん!

GWが明けて、ニュースでは大手企業の決算発表が続きましたね。みなさんの中にも3月決算の会社さんは、そろそろ決算が固まったのではないでしょうか。 決算が出れば定時総会ですが、役員さんの任期のご確認もお忘れなく。役員さんの任期は、任期が終了した後の定時総会までです。役員さんの任期が満了し、引き続き役員を続ける場合(重任)でも登記が必要ですよね。 あと、新年度から新たな事業を始めようとしている場合も、定款の確認をお忘れなく。新規事業で補助金を申請したときなどに、定款の提示を求められ、「その事業は会社の目的にはないですね」ってことで却下されるなんてこと、ホントにあるんです。 「登記かぁ、また余計な費用がかかる〜」って思いますよね。 ちょっと待って。 登記は自分でできます。かかる費用は印紙代のみ。 牧野はこれまでに・本店移転・役員の重任・役員の辞任及び就任・目的の変更・募集株式の発行・資本金の変更の登記を自分でやりました。 最近では、発起人の一人となり、一般社団法人の設立手続きもやりました。 登記の手続きはとってもシンプルです。 今日は、商業登記を自分でやってみた体験記です。司法書士さんにはナイショですよ。 それでは...... 法務局のホームページに、登記に必要な書類のフォームとその記載例があります。コレをダウンロードして、記載例をまねして作って、法務局へ持っていくだけです。 Wordのフォームもダウンロードできるようになっていますのでパソコンでやれば楽ちんです。 ホント、それだけです。 法務局が作った記載例をまねて作成した書類なのですから、自信をもって法務局へ持って行ってください。 書類が足りないとか、書類の外見上の不備がなければ受理されます。 「それでも、間違いがあったらどうしよう?」って心配になりますよね。 大丈夫。 間違いがあれば、法務局から「間違いがあるから修正が必要です」って電話がきます。 そうしたら法務局へ行って、間違っているところを教えてもらって修正すればOK。(印鑑は持っていってください) 怒られることはありません。 修正量が多く、差し替えた方が早い場合には、差し替え版を作って持っていくだけです。 一度やってみると、「なぁ〜んだ。これだけのことなの!」と思えてきますよ。 すべてこのサイトを見てやりましたので、チャレンジしてみようという方はぜひ。▼法務局 商業・法人登記申請手続http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/touki2.html ここで一つ、たいせつな注意! 社長を含めた役員さんあるいは従業員さんが書類を作って登記申請するのは問題ありません。しかし、上記のホームページを見てみて「やっぱり、専門の人にお願いしよう」という場合は、必ず、司法書士さんに依頼してください。 司法書士さん以外の人が登記書類の作成代行・代理申請をするのは違法(司法書士法違反)です。税理士さんや行政書士さんであっても違法です。ご注意を。

お客様に来店いただくには、まず基本から

お客様に来店いただくには、まず基本から

連休が明け、昨日から営業という方も多いのではないでしょうか。今日は営業日、営業時間のお話です。 特に飲食・小売・サービス業にとっては営業日、営業時間の確定は必須ですよね。臨時に休むことが前もってわかっていれば周知期間をおいた事前告知も必要です。 学生時代、毎日通っていた、というより入り浸っていた喫茶店がありました。開店時にコーヒーを一杯注文して、途中で「授業行ってきます」とか「パチンコ行ってきます」とか、はたまた「食事行ってきます」や「バイト行ってきます」まで。これだけ出入りを繰り返しても、席につくとお水だけは出してもらえて、閉店まで過ごし、お会計は朝注文したコーヒー1杯分だけ。ここのマスターとママさんには本当にお世話になりました。 毎日通えたのは年中無休だから。営業時間は朝10時〜夜10時。 「なぜ年中無休なんですか?」ってマスターに聞いたことがあります。 マスターからの答えは、「定休日といえども休みを作るとするでしょ。そうすると、常連のお客さんが定休日を忘れてお店まで来しまったりすると、それをきっかけに来なくなるかもしれない。それは新規のお客さんも同じ。定休日の札を下げておいても、お店の前まで来て休みだったという経験があるとその記憶が残っていて、また休みだったらいやだからとウチを選んでもらえなくなる。」というものでした。 以前、那覇の西町にある事務所で仕事をしていたことがあります。旭橋駅前の琉銀の裏に中華料理屋さんが開店したので、中華料理好きの私はお昼に利用するようになりました。 が、西町から炎天下の中、トコトコと歩いていくと、ナント!休み!臨時休業の張り紙もなし!ってことが何度かありました。 いくら中華料理が好きでも「この暑さの中、歩いて行ってもまた休みだったら・・・」ってなりますよね。 このとき、学生時代のあのマスターの言葉を思い出しました。 この中華料理屋は開店後半年ほどで閉店していました。 GW中に、ご近所さんと一緒に地元のドライブインで飲んでいたら、「あの店、行っても休みってことがあるから行かない」「ああ、オレも。こっちの店もそういうことがあるんだよな」っていう情報交換の場となりました。 そうしたお店に行かないない理由を聞いてみると、「行ってみたけど、休みだったことが何度かあるから」ということなんですが、共通して言えることは「営業日、営業時間がわからない」です。 もう、おわかりですね。飲食・小売・サービス業が営業し続けるためには・営業日、営業時間をキチンと決める・それをお客様にはっきりわかるようにするの2つ。まずは徹底しましょう。

経営者のあり方が社風を決め、社風が会社の業績を決める

経営者のあり方が社風を決め、社風が会社の業績を決める

以前、組織に働く慣性の力についてお話しました。(もう一度読みたい方はこちらからどうぞ。)https://banso-sha.jp/blog/20190410/ 組織に働く慣性の力とは、一度ある方向へ会社の風土(雰囲気、習慣、考え方など)が動き始めるとなかなか変えることができず、そのその風土が維持され、強化されていくというものです。 社員さんの働きは社風に影響を受けますよね。会社の業績は従業員さんが働いて生み出すものですから、社風が業績に影響を与えるというのは何となく分かるのではないでしょうか。 一方、社風ですが、これまで企業さんとお付き合いしてきて、「ここの社員さんは指示待ちの人が多いなぁ」というときは社長さんが細かいことまで指示を出す会社さんが多いようです。 現場から上がってくる悪い情報を拒絶する人たちが経営する企業は隠蔽体質になる、というお話もしましたね。https://banso-sha.jp/blog/20190408/ 社員さん明るく積極性があり、自発的に動く社風の企業さんでは、社長さんと従業員さんのコミュニケーションが良好です。 もうおわかりですね。社風は経営者(経営陣)で決まります。 牧野がこれまでに勤めた会社とコンサルティングで関わった会社は、巨大企業から個人事業者まで合計すると69社ありますが、経営陣の考え方や行動が社風を決め、社風が業績を決めるというのを肌で感じてきました。 コンサルティング会社では、同じ業界の企業さんを続けて担当することが多く私の場合、交通系と重工系でした。また、担当先企業さんに一年ほど常駐することがほとんどで、社員さんと一緒に机を並べて仕事をすることも多々ありました。 そうすると、業界によって雰囲気が違うのは当然なのですが、同じ業界なのになぜこうも雰囲気や仕事のやり方が違うのか、というケースに出くわします。 そんなとき、部長さんや役員さんとお話しているとその理由が分かったものです。 スタンフォード大学のチャールズ・オライリー教授の研究によれば、社風(組織文化)についてこれまでの数多くの研究で論じられていることはだいたい次のように整理できるとのことです。 (1)社風は、主に経営陣が持っている価値観と 行動を反映している(2)社風は、企業の業績を決める重要な一因  つまり、社長(を含む経営陣)の意識・行動の状態が業績を左右する、ということです。 学術的にも裏付けがありますね。