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過去の延長線上に未来はない

過去の延長線上に未来はない

これまでもこれでやってこれたから、これからもこれでやっていけるだろう。 それってホントでしょうか? 昨日は、理事を務める地元商工会が5年計画で推進する経営発達支援計画の事業評価委員会の委員として、会議に参加してきました。 委員会で報告された今年度の事業計画の中に「経営計画策定セミナー」があったのですが、これが昨年度と同じく4日間のセミナーを1回だけ行うというもの。 私からの意見としては、 計画の作り方をセミナーで教わっても必要性を感じていなければ、セミナーを受けただけで、たぶん計画は作らないだろう。経営計画の策定を根付かせるというのは、商工会会員の経営力を上げる、という経営発達支援計画の目的を達成するためにとても戦略的な目標だといえる。ならば、セミナーの予算を啓発・啓蒙活動に振り向け、必要性を感じた事業者さんには計画策定のサポートを専門家派遣制度で手当てしたほうが、理にかなっている。5年間の前半は啓発・啓蒙活動に取り組み、後半で刈り取る、ぐらいの長期的視点で会員の経営力向上に取り組んでほしい。 という意見を延べさせていただきました。 理事でもあり建設会社の社長でもある他の委員さんからは、経営者の意見として、以下のようなお話がありました。 たしかに、事業計画、経営計画といわれるものを立てないまま経営している事業者が非常に多い。自分も経営計画を立てたほうがいいとは分かっていながら、作っていない。それは、リーマンショックのときのようなしんどい時期があってもなんとか乗り越えて20年、30年と事業計画をつくらなくても、これまでやってこれているからこれからもなんとかなるだろう、と思っているからじゃないのか。 これまでも、これでやってこれたから、これからも、これでやっていけるだろう。 ホントにそうでしょうか? どなたによるものか知りませんが、こんな言葉があります。 過去の延長線上に未来はない また、日露戦争の旅順攻略戦において、最初に立てた作戦に固執するあまり、作戦を長引かせてどんどんと兵士を死なせていく乃木軍作戦参謀たちに対し、児玉源太郎が発したこんな言葉があります。 諸君は過去の専門家であるかもしれん。しかし、明日の専門家ではない。司馬遼太郎「坂の上の雲」文春文庫第5巻 P.99 過去の成功体験(これまでもやってこれた)にしがみついていては変化する明日(これから)は乗り切れない、ということを言わんとしているのだと思います。

誰をバスに乗せるか

誰をバスに乗せるか

一昨日、琉球オフィスサービスさんが開催した Payke 古田CEO と比嘉取締役のトークセッションで感じたことをもう一つ。 会場から質問があり、「起業して2年経ち、現在も一人でやっているが、スタッフを入れたいと思っている。古田さんが採用のときに気をつけていることは何ですか?」というものでした。 この質問に対し、古田CEOは「最初に入れるメンバーは会社の空気を作る人達になるから、選びに選んだほうがいい。少しでも引っかかるところがあれば、その人は見送ったほうがいい」と答えていました。 この古田CEOの話を聞いていて私の頭に浮かんだフレーズが だれをバスに乗せるか ジェームズ・コリンズ著「ビジョナリー・カンパニー 2」の第3章のタイトルです。 ビジネス書の古典的名著になりつつありますね。その第3章から一部を抜き出します。(66ページ5行目〜67ページ4行目) 偉大な企業への飛躍をもたらした経営者は、まずはじめにバスの目的地を決め、つぎに目的地までの旅をともにする人びとをバスに乗せる方法をとったわけではない。まずはじめに、適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、その後にどこに向かうべきかを決めている。要するに、こう言ったのである。「このバスでどこに行くべきかは分からない。しかし、分かっていることもある。適切な人がバスに乗り、適切な人がそれぞれふさわしい席につき、不適切な人がバスから降りれば、素晴らしい場所に行く方法を決められるはずだ」飛躍を導いた指導者は、三つの単純な真実を理解している。第一に、「何をすべきか」ではなく「だれを選ぶか」からはじめれば、十キロほど走ったところで行く先を変えなければならなくなったとき、どうなるだろうか。当然、問題が起こる。だが、人びとがバスに乗ったのは同乗者が気に入ったからであれば、行く先を変えるのははるかに簡単だ。「このバスに乗ったのは、素晴らしい人たちが乗っているからだ。行く先を変える方がうまくいくんだったら、そうしよう」。第二に、適切な人たちがバスに乗っているのであれば、動機付けの問題や管理の問題はほぼなくなる。適切な人材なら厳しく管理する必要はないし、やる気を引き出す必要もない。最高の実績を生み出そうとし、偉大なものを築き上げる動きにくわわろうとする意欲を各人がもっている。第三に、不適切な人たちばかりであれば、正しい方向が分かり、正しい方針が分かっても、偉大な企業にはなれない。偉大な人材が揃っていなければ、偉大なビジョンがあっても意味はない。(コリンズ, ジェームズ (2001)『ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則』山岡洋一訳, 日経BP社 pp.66-67.) 経営者のみなさんいかがです? 起業間もない経営者さんにとってはとても示唆に富む内容ですね。 また、長く経営されている方にとっても、採用がいかに大切か再認識されると思います。 一方、お勤めの方にとっても、自分が間違ったバスに乗っていると感じていれば、降りて別のバスを探したほうがいい、ということになるでしょうか。 経営者のみなさん、適切な人たちをバスに乗せていますか? お勤めのみなさん、自分に適したバスに乗っていますか?

ロイヤルティーとコスト

ロイヤルティーとコスト

昨日、株式会社琉球オフィスサービス(藤本和之社長、沖縄県浦添市)さんが開催した株式会社Payke 古田CEOと比嘉取締役のトークセッションに行ってきました。 席につくと、各席にミネラルウォーター、スタバのドリップコーヒー、チョコレートケーキとスコーン、が置かれていてびっくり! 無料のセミナーですよ!会場のキャパとしては200人ぐらいでほぼ満席!自社のお客さん以外の方も招いているのに! ある女性がこう表現していました。 お水 → 満足 スタバ → 感動 ケーキ → 衝撃 こりゃ、ファンになりますね(^^)と。 はい、私もファンになっちゃいました。 Paykeのお二人のトークセッションも素晴らしい内容でした。そのお二人を呼べてしまう藤本社長もすごい。 セミナーの内容とおもてなしで、参加者のかなりの方々が琉球オフィスサービスさんのファンになったことでしょう。 セミナーの運営は一切を社員さんに任せ、冒頭の主催者挨拶も含め、藤本社長は一切出ずに裏方に徹する。このあたりもニクイ。 琉球オフィスサービスさんでは、フリーランチと称して社員さんのお昼を会社が負担しています。 でも、藤本社長によれば「ひと月あたりのコストは経営全体から考えれば大きなものではく、様々なメリットを考えれば安い」とのことです。 で、昨日のセミナーの一人あたりのおもてなしにかかる費用をざっくり計算したんですけど、これくらいの費用で自社のファンができれば、琉球オフィスサービスさんにとってみれば十分にPayするんじゃないか、と。 藤本社長、すごい!まさに、藤本マジック♪

長年続けているその仕事、存在理由を説明できます?

長年続けているその仕事、存在理由を説明できます?

設立して何年も経った会社には、昔から引き継がれている仕事がいくつもあるはずです。 退職者から引き継がれる、人事異動の際に引き継がれる、などして何年も続いてきた仕事が。 でも、なぜその仕事が存在するのか理由を説明できますか? その仕事が始まってから何年も経ったいまの会社の状況でも必要なものですか? 創業20年を超える沖縄県内の小売業さん。閉店後のレジ締めにとても時間がかかっていました。 とある項目の集計に30分も費やしていたことが原因です。 それは20年以上も続いている集計項目で、様々な売上分析ができるPOSレジが導入されているにも関わらず、その集計だけがPOSレジではできず、電卓で集計していたんです。 なぜその集計項目が必要なのかその理由を探っていくと... 先代の経営者が創業後しばらくしてその項目の集計を命じて毎日報告させていたものの、その後の経営環境の変化で必要性がどんどん薄れ、二代目にバトンタッチされた現在では完全に不要な集計項目だとわかりました。 速攻で二代目から先代にお伺いを立て、了解をもらった上で、即日その集計は廃止しました。 おかげで毎日のレジ締めが早く終わり、従業員も集計のための残業をせずに早く帰れるようになりました。 社歴の長い会社の経営者さん、特に先代から経営のバトンタッチを済ませている企業さんは、昔からある仕事がいまも必要かどうかチェックするとともに、仕事を引き継ぐときはその仕事が必要な理由についても引き継ぐようにしてはどうでしょうか。

朝令暮改は悪か?経営判断をブレにしない条件

朝令暮改は悪か?経営判断をブレにしない条件

昨日は「これで行こう」と決めたのに、翌朝には「やはり違う」と感じる。経営をしていれば、そんな場面は珍しくありません。変化の速い環境では、判断を修正すること自体はむしろ健全です。ただし、やり方を間違えると「柔軟さ」は「気まぐれ」に見えてしまう。この違いはどこから生まれるのでしょうか。 目次 朝令暮改は本当に悪なのか判断を変えるスピードが求められる時代理由なき撤回が現場にもたらすものブレてはいけない「会社の芯」とは何か朝令暮改を「進化」に変えるために 朝令暮改は本当に悪なのか 「えっ、昨日と言っていることが違いませんか?」現場でこんな空気が流れた経験をお持ちの経営者は少なくないと思います。一般的には、朝令暮改という言葉には否定的な響きがあります。しかし私は、朝令暮改そのものが悪いとは考えていません。 むしろ、「これは違う」と気づいたにもかかわらず、過去の判断やメンツに縛られて修正できないことのほうが、経営としては大きなリスクではないでしょうか。オーナー経営者にとって、決断を変える速さは大きな強みでもあります。 判断を変えるスピードが求められる時代 市場の変化は速く、お客さんの反応も即座に返ってきます。数か月前に立てた仮説が、すでに通用しなくなっていることも珍しくありません。こうした環境では、「一度決めたから変えない」という姿勢が、必ずしも合理的とは言えないでしょう。 やってみて、違うとわかったらやめる。別の選択肢に切り替える。この柔軟さは、経営者に求められる重要な判断力の一部だと考えています。 理由なき撤回が現場にもたらすもの ただし、ここには大きな落とし穴があります。それは、判断を撤回するときに「理由が共有されていない」ケースです。 「やってみたが、想定以上にコストがかかった」「お客さんの反応が思ったほど良くなかった」 説明は完璧である必要はありません。しかし、「考えた結果、変更している」ということが伝わらないと、現場は混乱します。理由の見えない朝令暮改は、現場の信頼を少しずつ確実に削っていきます。 ブレてはいけない「会社の芯」とは何か もう一つ、さらに重要な視点があります。それは、判断の変更が「会社として大切にしている価値観」からズレていないか、という点です。 理念、社是、ミッション、ビジョン、バリュー。呼び方は会社によってさまざまですが、要するに「この会社は何を大切にしているのか」という芯の部分です。 方針や施策は変わっても構いません。しかし、その修正が、普段語っている価値観と食い違っていたらどうでしょうか。現場は次第に、「この会社はどこに向かっているのだろう」と感じ始めます。 朝令暮改を「進化」に変えるために 問題なのは朝令暮改そのものではなく、価値観から外れた朝令暮改です。間違ったと思ったら決断は早く変える。その際には、理由をきちんと伝える。そして、会社として大切にしている「芯」からは離れない。 スピードと一貫性。この両立ができたとき、朝令暮改は「ブレ」ではなく「進化」になります。 最近のご自身の決断は、会社の芯につながっているでしょうか。そんな視点で一度振り返ってみるのも、意味のある時間かもしれません。 2019年:公開2025年12月30日:大幅に加筆・再構成