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あなたの会社の売上計算式は?

あなたの会社の売上計算式は?

先日の「組立て式の目標」の話題の中で売上の計算式について取り上げました。 例として、① 商品単価 × 数量② 1日の平均売上 × 営業日数を挙げましたね。 実は、もっと大事だと私が思う計算式があるんです。飲食業や小売業では、これが主流です。 それは、  売上 = 客数 × 客単価 スーパーやコンビニはこれを中心に考えているといえるかもしれません。 店内の売り場の配置からコーナーの配置、棚上の商品配置にいたるまで、すべては「客数と客単価を少しでも上げるため」です。 この計算式に切り替えると、考え方も変わってきます。 一人でも多くのお客様に買ってもらうにはどうしたらいいのか。 一人のお客様に1円でも多く買ってもらうにはどうしたらいいのか。 ほら、商品やサービス中心の考え方からお客様中心で考えるようにしなければならなくなりますよね? 経営計画の実行結果を評価する上でも、売上目標 = 目標客数 × 目標客単価の式で立てておくと、 売上が目標に届かなかったとき・客数が悪かったのか・客単価が悪かったのかを調べればいいことになります。 客数が目標に届いていなければ、なぜ購入されたお客が少なかったのか? 客単価が目標に届いていなければ、なぜ一人あたりの購入金額が少なかったのか? つまり、「お客様の購買行動を探る」ことになりますよね。 あなたの会社の売上計算式はどうですか?

戦略的な事業展開を目指す社長、あなたの会社の「ドメイン」は何ですか?

戦略的な事業展開を目指す社長、あなたの会社の「ドメイン」は何ですか?

4月1日、新年度の始まりです。 事業戦略をもとに立案した新年度経営計画のスタートですね。 ところで、事業戦略・経営戦略の重要なパーツである「ドメイン」を知っていますか? 「ドメイン」とは事業領域とも呼ばれ、自分の会社の事業はいかにあるべきかを示す、いってみれば「ウチの会社の生存領域はココ!」といえるものです。 このドメインが「将来の事業展開における発案のベース」となるんです。 どういうことかというと... 例えば、お笑いの吉本興業。 吉本吉兵衛・せい夫婦が明治45年に、大阪にある一軒の寄席小屋を入手して、寄席の経営を始めたのが始まりです。 現在ではみなさんもご存知のとおり、吉本興業(株)を持株会社とした、エンターテイメント産業界を代表する企業グループです。 では、吉本夫妻が自らのドメインを「うちらの商売は寄席」のようにしていたら、現在のようなエンターテイメント分野で広範囲に事業展開する吉本興業の姿はあったでしょうか。 吉本せいをモデルにした連続テレビ小説「わろてんか」をご覧になった方はおわかりかと思いますが、「人を笑顔にしたい」という気持ちが、二人が寄席経営に乗り出すきっかけとして描かれています。 「人を笑顔にする」これが、吉本のドメインだったのでは。だからこそ、あれだけの企業グループに成長したのではないでしょうか。 ちなみに、吉本興業の理念の一節に「私たちにとって、お客さまは、(略)一緒にこの世界を笑顔があふれる場所にしていく仲間なのです。」とあります。 さて、ここに出てきた2つのドメインは「寄席」は物理的ドメイン「人を笑顔にする」は機能的ドメインにそれぞれ分類されます。 物理的ドメインはその名のとおり、「モノ」を中心に事業を発想します。 明確でわかりやすい反面、事業活動の展開範囲が狭くなり、現在の事業を超える発想が出にくい、というデメリットがあります。 機能的ドメインは「コト」「顧客ニーズ」を中心に発想するドメインです。 将来の発展の可能性を感じさせる、というメリットがありますが、抽象的になりすぎて事業の性格がぼやけやすい、というデメリットがあります。 このように、将来の戦略的な事業展開を考えるとき、あなたの発想に影響を与えるドメイン。 年度始めの今日、あなたの会社のドメインを再チェックしてみてはいかがでしょうか。

経営理念とは、経営者の「世界の見え方」を伝える言葉

経営理念とは、経営者の「世界の見え方」を伝える言葉

会社の現場を訪れるたびに感じるのが、経営の「土台」は理念にあるということです。経営理念は、単なるスローガンではなく、経営者の“世界の見え方”を言葉にしたもの。この記事では、有名企業の理念を例に、理念がどのように組織を動かす力を持っているのかを考えます。 目次 経営理念は会社の「土台」有名企業の理念に見る“らしさ”理念の共通点は「経営者の世界観」理念が生きている会社・曖昧な会社経営者が持つべき問い 経営理念は会社の「土台」 経営相談やプロジェクトでさまざまな会社を訪れる中で、改めて感じるのは、会社の土台となるのは「経営理念」だということです。 経営理念を掲げている社長さんも多いでしょう。“企業理念”、“社是”と呼ぶ会社もありますね。いずれも、会社の存在理由や大切にする価値観を表す言葉です。 有名企業の理念に見る“らしさ” 有名企業の理念を見てみると、経営者の個性や価値観がはっきりと表れています。 ◆ ZOZO 世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。 読むだけでワクワクするような開放的な世界観。まさに創業者の価値観がそのまま息づいています。 ◆ Amazon 地球上で最もお客様を大切にする企業 「地球上で」という圧倒的なスケール感。カスタマーサポートの徹底ぶりにも、この理念が生きています。 ◆ CoCo壱番屋(壱番屋の社是) ニコニコ・キビキビ・ハキハキ 店舗に入った瞬間の空気感そのもの。理念が従業員のふるまいにまで落ちているのが伝わります。 理念の共通点は「経営者の世界観」 こうして理念を並べてみると、共通点が見えてきます。それは―― 経営者の“世界の見え方”を、お客様・従業員・ステークホルダーに言葉で示している。 理念はキャッチコピーではありません。会社が何を大切にし、どうありたいかという「判断の軸」です。 理念が生きている会社・曖昧な会社 これまで訪れた会社を見ていても、理念が生きている組織は意思決定が速く、社員の行動が自然とそろっています。 逆に理念が曖昧な組織では、場面ごとに判断基準が揺らぎ、迷いが生まれやすい。理念とは、経営者の世界観を共有するための最初の言葉なのです。 経営者が持つべき問い だからこそ、経営者にはこんな問いが大切になります。 「誰に、どんな世界観を伝えたいのか?」「その言葉は、あなた自身が本当に信じているものか?」 あなたの会社の経営理念は、誰に、どんな価値観や姿勢を伝えようとしていますか?そしてその言葉は、今のあなたの“世界の見え方”を確かに映していますか? 🪶まとめ 経営理念は会社の「判断の軸」 理念には経営者の世界観が表れる 理念が生きている組織は、意思決定と行動が速い 経営者自身の信じる言葉を理念として磨き続けよう 2019年:公開/2025年11月16日:加筆・再構成

目標は「数字」ではなく「仮説」である

目標は「数字」ではなく「仮説」である

目標は「数字」ではなく「仮説」。どう動けば達成できるのかという“考える構造”こそが、経営を成長させる鍵です。数字の奥にある思考を、もう一度見つめてみませんか。 (こちらの記事の続きとしてお読みください。) 目次 なぜ、目標を立てても達成できないのか「目標」は、結果ではなく仮説である売上を“分解”して考える行動の仮説を持つと、振り返りが変わる目標は「原因を見つけるための仮説」PDCAを回すために必要なのは「根拠のある目標」「計画」ではなく「仮説」として目標を立てる目標の本当の役割とは?数字の奥に、思考の構造を持つあなたの会社の目標は、どんな仮説ですか? なぜ、目標を立てても達成できないのか 経営計画を立てるとき、「今年は売上を○%アップしよう」そんなふうに目標を掲げること、よくありますよね。 けれど、年度末の振り返りでこんな思いをしたことはありませんか? 「なぜ達成できなかったのかが分からない」「うまくいった理由も、結局“たまたま”だったのかも」 実はこれ、特別なことではありません。どんなに丁寧に数字を並べても、「どうしてそうなったのか」が分からないまま終わる会社は多いんです。 その原因は──目標の立て方に“仮説”が足りていないから。 「目標」は、結果ではなく仮説である 私は、こう考えています。 目標は、「結果を測るための数字」ではなく、「行動を導くための仮説」である。 どう動けばその数字に届くのか。どんな前提条件のもとで達成できるのか。それを明確にしておくことで、結果が良くても悪くても、“次の一手”が見えてきます。 逆に、数字だけを掲げた目標は、地図のない旅のようなものです。どこを通れば目的地に着くのかが分からない。だから、道に迷っても原因を突き止められないのです。 売上を“分解”して考える たとえば、売上を例にしてみましょう。 「売上=商品単価 × 販売数量」あるいは「売上=1日の平均売上 × 営業日数」 どちらの式で捉えるにしても、売上という結果は、複数の要素の掛け算でできています。 にもかかわらず、多くの会社では“結果の数字”だけを目標に掲げてしまう。「売上10%アップ」という目標の裏側に、どの要素をどう動かすのかという仮説がないんです。 行動の仮説を持つと、振り返りが変わる たとえば、こう設定したとします。 「1日の平均売上を3万円から3万5千円に上げる」 この目標には、さまざまなアプローチが考えられます。 来店数を増やす(客数アップ) 客単価を上げる(価格戦略やアップセル) 営業日数を増やす(稼働率アップ) どの要素をどれくらい動かすのか。その仮説を立てておくことが、目標設定の本質です。 たとえば、「客単価を上げる」仮説を採用したなら、メニュー構成を見直す、セット販売を導入する、スタッフの提案力を強化する──といった具体的なアクションが見えてきます。 すると、振り返りのときも「感想」ではなく「検証」ができる。 ・来店数は計画どおりだったか?・客単価は想定どおりに上がったか?・施策ごとの効果はどうだったか? 数字の達成・未達だけでなく、「なぜそうなったのか」を構造的に見られるようになるんです。 目標は「原因を見つけるための仮説」 つまり、目標は結果を測るための“ゴール”ではなく、行動を導く“仮説”であり、さらに、原因を見つけるための仮説でもあります。 仮説をもって立てた目標は、達成した後も、未達だったとしても、必ず次の成長のヒントを残してくれます。 逆に、仮説を持たない目標は、どれだけ数字を追っても「なぜ」が分からないまま終わります。それでは、来年も同じ壁にぶつかるだけです。 PDCAを回すために必要なのは「根拠のある目標」 経営の基本サイクルであるPDCAも、“根拠のある目標”がなければ機能しません。 Plan(計画)を立てるとき、「どう動けば達成できるか」の仮説があるからこそ、Do(実行)して、Check(検証)して、Act(改善)につながる。 根拠を持って立てた目標は、検証のときに「どこがズレたのか」を明確に教えてくれます。 つまり、仮説のない目標ではPDCAが回らない。数字を追うだけの“空回りサイクル”になってしまうんです。 「計画」ではなく「仮説」として目標を立てる ここで、少し視点を変えてみましょう。 多くの経営者が、「計画」という言葉に“正解を作らなければならない”というプレッシャーを感じています。 でも、経営に正解なんてありません。だからこそ、「計画」ではなく「仮説」として目標を立てるんです。 仮説であれば、修正していい。実行の中で、現実に合わせて変えていけばいい。 「一度決めたから守らなければ」ではなく、「試して、確かめて、次を決める」。 それが、変化の激しい時代の経営に必要な思考の柔軟性です。 目標の本当の役割とは? 目標とは、「組織が同じ方向を向くための仮説」でもあります。 社員一人ひとりが、「自分はこの目標にどう関わっているのか」を理解できるようにする。そうすると、現場の行動に一貫性が生まれます。 トップダウンの数字だけでは動かない組織も、仮説を共有しながら一緒に検証することで、“共に考えるチーム”に変わっていくんです。 数字の奥に、思考の構造を持つ 経営とは、数字で語るものだと言われます。でも本当は、数字の“裏側にある思考”こそが、経営の質を決めます。 目標は数字ではなく、思考の構造。その構造を明確にすることが、会社を動かし、チームを育てる土台になります。 「うまくいった」「うまくいかなかった」ではなく、「どんな仮説を立て、それがどう機能したのか」を見る。 その繰り返しが、会社の学習を深めていくんです。 あなたの会社の目標は、どんな仮説ですか? 振り返ってみてください。 あなたの会社の目標は、“数字を追いかけるためのゴール”でしょうか?それとも、“行動を導くための仮説”でしょうか? もし後者に変わったとき、きっと経営の風景も変わります。 数字の先に、行動の仮説がある。行動の先に、学びと成長がある。 それこそが、「次の一手」が見える経営のあり方です。 2019年:公開/2025年11月8日:加筆・再構成

「できた理由」を見つめる経営

「できた理由」を見つめる経営

「なぜできなかったか」ではなく、「なぜできたのか」。その問いの中に、次の成長のヒントがあります。成功の要因を見つめ、再現できる仕組みに変える──それが、強い会社を育てる経営です。 目次 なぜ、達成できたのか?経営計画とプロジェクト管理の共通点成功要因を見つけ出すヒント成功を仕組みに変える経営へ次の成長は、成功の内側にある 経営計画には、3年の中期計画や5年を超える長期計画など、さまざまなスパンがあります。 でも、社長として一番気になるのは、やっぱり“この1年”──年間計画の達成状況ではないでしょうか。 今まさに実行中の計画の進み具合を確認したり、期末に「今年はどうだったか」と振り返ったり。経営者にとって計画の進捗確認は、日常の一部になっています。 なぜ、達成できたのか? 計画の進捗をチェックしたとき、目標が未達であれば原因を探す。これは当たり前のことです。 でも、目標を達成できたときにはどうしていますか? 「できた理由」も、きちんと見ていますか? 多くの会社では、達成した瞬間に“次の目標”へ頭が切り替わります。けれど、目標が達成できた理由の中には、次の飛躍へのヒントが隠れていることが多いのです。 経営計画とプロジェクト管理の共通点 以前の記事で、「失敗を未然に防ぐのがプロジェクト管理の最大の目的」とお伝えしました。 実は、経営計画の立案から実行までの流れも、まさにプロジェクトそのものです。 目的(=経営目標)を定め、 タスク(=具体的な施策)を決め、 担当を割り当て、 進捗を確認し、 必要に応じて修正をかける。 この繰り返しこそが経営です。 未達を防ぐことが大切なのはもちろんですが、もう一歩進んで「なぜ達成できたのか」を掘り下げることで、組織はより強くなります。 成功要因を見つけ出すヒント 目標を達成できた背景には、きっと何か“良い流れ”があったはずです。 それは偶然ではなく、どこかに再現可能な仕組みが潜んでいることが多い。 たとえば── 社員同士の連携が以前よりスムーズになった 会議の進め方を変えたことで意思決定が早まった 数値管理の方法を見直した 一人ひとりの行動目標が明確になった これらの「できた理由」を言語化し、次の計画に組み込むことができれば、“勝ちパターン”を組織として持つことができます。 それが、継続的に成長する会社の共通点です。 成功を仕組みに変える経営へ 経営は「一勝九敗」とよく言われます。十回挑戦して九回失敗する。けれど、一度の成功をどう活かすかで、その後の九回が変わってきます。 「できた理由」を分析し、チームで共有し、再現できる仕組みに変える。 それは、失敗から学ぶことと同じくらい重要です。 次の成長は、成功の内側にある 目標を達成できた瞬間、つい「次はもっと上を」と走り出したくなるものです。けれど、その前に少し立ち止まって、成功の要因を見つめる時間を持ってみてください。 そこには、数字以上の学びがあります。組織の強み、チームの成熟、社員の成長。 成功は、次の成功への地図です。 挑戦を支えるのは、派手なスピードではなく確実さ。そして、その確実さを育てるのは、「なぜできたのか」を問い続ける姿勢なのかもしれません。 2019年:公開/2025年10月25日:加筆・再構成