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ダンパチ屋さんの経営理念

ダンパチ屋さんの経営理念

先週講師を務めた地元商工会の経営計画セミナーには、開店当初からもう10数年、ずっと私の髪を切っていただいているダンパチ屋さん(沖縄の方言です。理髪店のことです。)のマスターも受講されていました。 このマスター、同業者さん同士で経営の勉強をしていて、私とは、髪を切ってもらいながら会話が経営にまつわる話題になります。しょうがないですね。 この店では、サービスメニューも改善を繰り返してきましたし、サービス向上につながるシステム投資も積極的です。最近では就業規則も定めて、業界では珍しい週休2日制を実現し、毎日朝礼をはじめるなど、組織固めも行っています。 その朝礼でいつも社員さんに伝えている経営理念を教えてもらえました。それは、 安心、信頼、尊敬 です。 【安心】理容室ですから、ハサミやカミソリを使います。衛生的で安全なお店であることで、お客さんは安心して来店できます。 【信頼】お客さんを安心させる基盤の上に、お客さんの要望をちゃんと聞き、その要望を自分たちの技術で実現する。だからこそ、お客さんはお店を信頼して来店できるんですよね。 【尊敬】お客さんの安心、信頼を満たした上で、お客さんから一目置かれるような人になりなさい、従業員同士からも尊敬される人になりなさい、と伝えているそうです。 安心、信頼の2つに続いて「尊敬」が掲げられているところに驚き、尊敬の念もいだきましたので、ご紹介させていただきました。 みなさんはどんな経営理念を掲げていますか?

目的を整理しましょ

目的を整理しましょ

昨日午後は、隣町の商工会で経営相談窓口。空き時間に経営指導員さんから、住宅機器販売事業者さんの補助金申請内容について質問がありました。 指導員:この案件でホームページのリニューアルは、申請内容として通らないんじゃないですか?牧野:どうしてですか?指導員:いますでにちゃんとしたホームページがあるのに、新たにホームページを作るとなると、「そんな必要あるの?」と却下されるんじゃないですか?牧野:この事業者さんの営業スタイルは、(1)戸別訪問(100) → (2)ドアオープン(20%) → (3)再訪問アポ(5%) → (4)契約(2%) と飛び込み営業でも高い成約率ですよね。だけど、最初の(1)が今はできない。ステップ(1)がなければステップ(2)もない。だから(1)と(2)という大量の対人接触部分をホームページにやってもらおうということでしたよね。指導員:はい、そうでした。牧野:そうするとホームページの目的は「問い合わせをもらってステップ(3)へ持っていくこと」ですね。指導員:そうです。牧野:現在のホームページは、言ってみれば単なる情報提供型で、問い合わせというアクションを起こしてもらう目的で作られていません。まず、そこです。指導員:なるほど。牧野:次に、現在のホームページはスマホで見るのには適していませんよね。一方でこの事業者さんのお客さんは一般家庭ですよね。一般家庭の方々がインターネットへアクセスするときのデバイスは?指導員:ホームページをスマホ対応させる!牧野:そのとおり!指導員:つまり、現在のホームページは、①目的に合っていない、②ターゲットが使うデバイスに対応していない、ということですね。牧野:はい、その2つの目的のためのリニューアルといったほうがいいでしょう。

○点、○野、○座

○点、○野、○座

おとといは、地元商工会で経営計画のセミナーの講師をさせていただきました。受講者さんの中には、開店したころから十数年、ずっと牧野が髪を切ってもらっている理髪店のマスターも。だからなのかどうかわかりませんが、これまで何回もやっているこのセミナーの時間配分を完全に間違えてしまいました。 「様々な視点から物事を見なさい」「視野を広く持ちなさい」とは、仕事上の先輩から言われたことがみなさん一度はあると思います。 じゃぁ、これはどうです? 「視座」 30代の頃だったと思いますが、先輩から言われたのか、お客さんの役員さんからだったのか、はたまた何か本で読んだのか思い出せないですが、 「視座を高く持ちなさい」 というアドバイスはとても強く印象に残っています。 視点は、対象の周りをぐるっとまわるイメージ 視野は、自分が周りをぐるっと見渡すイメージ ここに、視座が加わると立体的になるんです。 「何度言ったらウチの社員はわかるんだっ!」ってストレスをためてる社長さん、いらっしゃいますよね。 これ、視座が違うのも一因だと思うんですよ。 社長の視座から見えるものが、いくら視点を変えたり視野を広くしたとしても、社員の視座のままでは見えない。 なんとなくわかります?

ジミなテーマ

ジミなテーマ

おとといの晩は、地元商工会青年部の勉強会で講師をさせていただきました。テーマは何でもいいとのことでしたので、牧野が選んだのは「粗利の重要性」。 毎月かかる固定費を払う原資は粗利です。1ヶ月の粗利が毎月の固定費より少なければ、その月は赤字になってしまいます。 じゃぁ、その粗利をどうやって確保するのか。 売上 − 売上原価 = 粗利粗利 − 販管費 = 利益 売上、売上原価、販管費の3つの要素それぞれについて、他の2つの要素を固定したままで変化(増減)した場合、どのような影響が出るのかをワークショップ形式で行い、失う利益を取り返す大変さを理解してもらいました。 過去にこのメルマガでもご説明しましたが、値引きによって失った粗利は、値引率の倍の比率で売上を伸ばさないと取り返せない、というのがわかったときが皆さんの表情からすると一番ショックを受けたようです。 今後さらに勉強会を開くかどうかについては、青年部の中で検討をされるようですが、もし依頼をされたら牧野としては、・粗利の重要性に引き続き、損益分岐点・会社の経営のクセを知るための経営指標の - 計算の仕方とその意味 - 良いのか悪いのかの判断 - 悪い場合の改善方法を予定していることをお伝えしました。 こうやって並べてみると、おとといのテーマも含め、このメルマガでは不人気だった内容ばかりです^^;

動機と理由

動機と理由

沖縄物産の販売を手がける株式会社琉球フロント沖縄の河野取締役から「エシカル消費」のお題をいただきました。 「倫理的な消費」という意味ですが、簡単に言えば、同じ商品を買うのであれば、環境に優しいとか、社会的な貢献につながる商品を購入しましょうという、ということです。「SDGs」と関連付けて説明されることも多いですね。 琉球フロント沖縄では、以前から販売していた「美ら豆」と「新垣カミ菓子店 ちんすこう」というの2つの商品を首里城復興支援商品としてパッケージを新たにして販売をはじめました。売上の一部を首里城の復興に役立ててもらおうというもので、寄附金額も集計して公表していくそうです。 購入することで首里城復興に貢献できますね。 沖縄ではよく目にする「35 Coffee」。牧野の地元に本社のある会社で、商工会の会員さんです。この会社は売上の3.5%でベビーサンゴを移植する活動を行っています。 こちらも、コーヒーを飲めばサンゴ再生に貢献できることになります。 なんでこんな話をしているかというと、商売の面から見ると「人がモノを買う理由づけは後」ということが説明したいんです。 たとえば、ノートパソコン。牧野は、仕事にどうしても必要です。であれば、必要な機能さえ満たしてくれれば、価格の安いもので構わないはずです。にもかかわらず、なぜ、牧野は MacBook Air を使っているのか。 はい、そうなんです。「スタバで仕事するときドヤ顔したい」というメチャクチャ不純な動機で買いました。スイマセンっm(__)m なのですが、お会計のとき「高いの買っちゃったなぁ」なんてちょっと反省しつつも、「経営コンサルタントなんだから、お客さんの前で広げても恥ずかしくないノートパソコンを使うべきだよね」なんていう理由をづけをしています。 ココ、です。エシカル消費と牧野の不純な購入動機を比較するのは、エシカル消費に対して大変失礼なのはわかっているのですが、人は動機があって商品を選ぶのですが、選んだあとに理由をつけているということがおわかりいただけるでしょうか。 数ある商品の中から「美ら豆」や「新垣カミ菓子店 ちんすこう」を選んで、「首里城の復興に古硯できるから」という理由づけ。数あるコーヒーの中から「35Coffee」を選んで、「サンゴの再生に貢献できる」という理由づけ。 商品を作る側の思いが純粋で強ければ、それだけ商品を買う人にとって強い理由づけになりえるのではないでしょうか。 またさらに言えば、エシカル消費は、理由づけの前の段階である動機そのものにさえなりえると思います。