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こんがらがった話の整理法

こんがらがった話の整理法

今日の沖縄は雲の切れ間から青空も見えます。梅雨明けを先取りしたのか、セミが鳴き始めました。 昨日は、牧野の得意技は強いて言えば「整理」とご紹介しました。「整理できた」が私との個別相談を終えた方が漏らす感想のNo.1だと。 じゃぁ、牧野はどうやってその「整理」をやってるんだ?というご質問をいただいて気づいたのですが、特に手法のようなものを使っているわけでもなく、相談の最中は整理を意識していることもないんです(ドキッ)。 コロナ前のことですが、日本の大手物流会社(あの3社のうちの1社です)で長年海外畑を歩んできた方が、定年後は県の物流アドバイザーなどを務めて、現在はとある物流センターの所長をしてらっしゃいます。私は、この方の温和な部分しか知らないのですが、東南アジア地域の現地法人でしかも物流業界でキッタハッタをしてきた人ですから、お若いときは絶対怖かったはず Σ(゚∀゚ノ)ノキャー。 この方が「相談いうか、グチ聞いてよレベルやねんけどぉ…」とおっしゃるので、一緒に串カツ田中へ。ソースを二度づけしないように注意しながらお話をうかがっていると、登場人物が多いし、関係が複雑すぎてよくわからない事が多いんです。そうなると、「この人とこの人の関係をもう少し詳しく…」「その人とこっちの人では?」「じゃぁ、この人が持っている権限はどこまでなんですか?」「それに対してこっちのこの人の役割は?」「その具体的な仕事内容は?」「それを○○○○しちゃうことってできます?」なんて、しつこく質問攻めになっちゃうんです。そうすると、「私の理解なんですけど、ぶっちゃけこういうことですか?」そこからまた、相手の方が「ああ、いやね、牧野さん....」と説明があって、そしてまた私からの質問、という繰り返しになっていきます。 この日は最後にシメの「かすうどん」をすすりながら、「牧野さん、だいぶ整理できた」のご感想をいただいて散開しました。 どうやら、牧野は・理屈でわからないとわかった気にならないらしく、・わからないことをわからないままにしておくのもできないらしく、・しつこく質問して理解しようとしていくうちに、・相手の頭の中もだんだんと整理されていく、ということなんだと思っています。 あなたも「牧野の質問攻め」をおひとつ、いかがですか? あとがき:コロナ前のこの時期、全国の串カツ田中ではすでにソースの二度づけOKだと聞いていたのですが、那覇のこの店はまだ二度づけ禁止でした。いまの状況では「ソースは毎回新しいものに取り替えています」とはっきり書かないと、お客さんも来ないかも知れませんね。

山を選ぶよりパートナーを選ぶほうが難しい

山を選ぶよりパートナーを選ぶほうが難しい

本州の梅雨入りとともに梅雨明けした沖縄では毎日夏空が続いています。 先日日曜日の情熱大陸は登山家の平出和也さん。未踏峰・未踏ルートにこだわる世界のトップクライマー。 この5年ほどの平出さんの相棒が、同じくトップクライマーの中島健郎さん。パキスタンのシスパーレを新ルートで登頂に成功した功績で、二人は登山界のアカデミー賞ともいわれる「ピオレドール賞」を受賞しています。 二人はお互いをロープでつなぎ、命を預け合いながら山を登っていきます。氷の壁から滑落したり、氷の裂け目に落ちてしまったとき、つながっているロープのおかげでまさに九死に一生を得たシーンも放送されていました。 中島健郎さんは言います。 (平出は)安心感があるんですよね。ロープを繋いでいて。やっぱりお互い命をかけているんで。山を選ぶよりパートナーを選ぶほうが、よっぽど大変だし、難しいことなんですよ。ただ体力があって技術があって。それだけじゃ全然、山って登れないんですよ。 「山を選ぶよりパートナーを選ぶほうが難しい」 これを聞いて、何か思い出しません? 本の一節をそのまま抜き出します。 偉大な企業への飛躍をもたらした経営者は、まずはじめにバスの目的地を決め、つぎに目的地までの旅をともにする人びとをバスに乗せる方法をとったわけではない。まずはじめに、適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、その後にどこに向かうべきかを決めている。要するに、こう言ったのである。「このバスでどこに行くべきかは分からない。しかし、分かっていることもある。適切な人がバスに乗り、適切な人がそれぞれふさわしい席につき、不適切な人がバスから降りれば、素晴らしい場所に行く方法を決められるはずだ」飛躍を導いた指導者は、三つの単純な真実を理解している。第一に、「何をすべきか」ではなく「だれを選ぶか」からはじめれば、十キロほど走ったところで行く先を変えなければならなくなったとき、どうなるだろうか。当然、問題が起こる。だが、人びとがバスに乗ったのは同乗者が気に入ったからであれば、行く先を変えるのははるかに簡単だ。「このバスに乗ったのは、素晴らしい人たちが乗っているからだ。行く先を変える方がうまくいくんだったら、そうしよう」。第二に、適切な人たちがバスに乗っているのであれば、動機付けの問題や管理の問題はほぼなくなる。適切な人材なら厳しく管理する必要はないし、やる気を引き出す必要もない。最高の実績を生み出そうとし、偉大なものを築き上げる動きにくわわろうとする意欲を各人がもっている。第三に、不適切な人たちばかりであれば、正しい方向が分かり、正しい方針が分かっても、偉大な企業にはなれない。偉大な人材が揃っていなければ、偉大なビジョンがあっても意味はない。 コリンズ, ジェームズ (2001)『ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則』山岡洋一訳, 日経BP社 pp.66-67. 以前にもご紹介した本の一節ですが、経営書として古典的名著になりつつありますね。そして「誰をバスに乗せるか」も経営の格言になりつつあります。 山に登るのも経営も、「何をする」よりも「誰とする」のほうが大切。

シンプルにシンプルに

シンプルにシンプルに

沖縄は今日も雨。でも、あと数日で梅雨明けしそうな週間予報です。 昨晩も東京の経営者さんの集まりにZoomで参加しました。沖縄の田舎から東京銀座への参加で、ちょっとドキドキしながらだったけど、めっちゃアットホーム! その中に経営者さん向けのコンサルタントの方が二人もいました。モロ競合 Σ(゚∀゚ノ)ノキャー でも、とてもタメになる話が。 経営塾を主宰されているコンサルタントによれば「社長の信念や情熱、思いといったものが頭の中にあるだけではダメ。それをきちんと文章化してやることで初めてお客さんや社員に伝わって、売上につながってくる」とおっしゃっていました。 もうひとりのコンサルタントさんは、それを図式化するのが私の得意とするころ、とのこと。 文章化と図式化。どちらも、頭の中にあることを人に伝えるためにはとても有効な手段ですね。大切なことです。 このお二人はご自分の得意技を認識しておられて、それをウリにもされている。いやー、こうした得意技の話を聞いているだけでもすごいコンサルタントさんたちでした。 じゃぁ、牧野は? 強いて言えば、整理。 「整理できた」 これが、牧野との個別相談を終えた方が漏らす感想のNo.1です。他には「勇気がわいてきた」とか「会社へ戻って頑張ろうっていう気になってきた」でしょうか。 社長さんって、ワクワクするアイディアとか、さまざまな心配ごとや困ったことが、複雑にからみあって頭の中でぐるぐる回っていませんか? 牧野と話しているとそれがシンプルに整理されちゃうみたいです。 こんがらがっていたアイディア、心配ごとや困ったことがシンプルに整理されると、乗り越ならなきゃならないハードルの高さが低くなり、数も少なくなったと思えるので「勇気がわいてきた」とか「頑張ろうって気になった」という感想になるのかもしれません。 整理されたものを文章化するか図式化するかは、整理された内容に応じて。 牧野が伴走のメソッドとしている「分析→計画→実行」では、最初の「分析」がとても重要です。この「分析」の最初の段階がまさに「整理」です。この3つのステップを詳しくお伝えします。

すごいアイディアが生まれる?

すごいアイディアが生まれる?

土曜日はドバーっと土砂降り。日曜日はシトシト。亜熱帯の沖縄の梅雨は、熱帯と温帯の2通りの梅雨時の降り方をしますね。 今週のがっちりマンデー!!は「あのスゴイベンチャービジネスは今!?」かつて番組で紹介され、加藤浩次が驚いた若手社長の儲かるベンチャービジネスは今どうなっているか、という内容でした。 一番驚いたのは、1分単位で利用できるフィットネスサービスのNupp1(ナップワン)! 普通のジムのような入会金や月会費とかは必要なく、1分単位の完全従量制がウケて関東45店から現在では全国166のジムと提携するまでに拡大したけれど、コロナショックの影響をまともに受けている業界。 どんな対策をしているかというと、ユーザーが自宅や自宅付近でウォーキングなど歩いた歩数に応じてポイントを付与して、決済時にためたポイントで精算できるサービスを開始するんだとか。 ジムの営業を自粛している間はポイントを貯める期間にして、再開されるまでに客が離れてしまわないよう店に戻ってきてもらうためのきっかけづくりに専念する。 まさに損して得とれ。​もう、すごい!としか言いようがないです。 こんなアイディア、社長一人で考えて思いついたのでしょうか? テレビで取り上げられるような画期的なサービスを考えついた社長ですから、一人で思いついたのかもしれません。 じゃぁ、私たちのようなフツーの人はどうすればいい? それには、人と話す。 三人寄れば文殊の知恵ともいいます。(若い人はひょっとして知らない?) 人と話しているうちに自分の頭の中が整理されたり、人の話をちょっとしたきっかけにしていいアイディアが浮かんだり。みなさん、そんな経験ありませんか? 私も、人と話すことを積極的に利用しています。グチを聞いてもらっているだけかもしれませんが^^; ここで注意が必要なのは、話す相手は選んだほうがいいということ。 どんな人がいいかというと筋道を立てて考える人。いわゆる論理的に考えることができる人です。 論理的に整理できずあっちこっちへ話が飛ぶ人が相手だと、こちらの考えもまとまりません。また、突拍子もなく話が飛躍してしまう人が相手だと、私たち凡人にはアイディアを生み出すきっかけにはしにくいです。 みなさんの周りにはそんな話相手、いますか?

最悪の状況への備え

最悪の状況への備え

沖縄は梅雨が明けちゃうんじゃないかってくらいの夏空が続いていますね。昼間はまだエアコンを使わず、Tシャツ、短パンで仕事してます。部屋を通り抜ける塩分をたっぷり含んだ潮風は気持ちいいのかどうか… 以前もご紹介した私の大切なお客様のTEORI WORKS OKINAWAさん。国指定の伝統工芸、琉球絣・南風原花織の工房を営む個人事業主さんで、娘といっていいほど年の離れた女性です。 以前、新型コロナの影響で売上に少し陰りが出て不安になったとき、こんな話をして安心してもらいましたよね。「先行きが不安なときのアドバイス」 とはいうものの、いつも情報交換している同業の若手事業主の人たちと話したところ、大きな工房でもみなさん影響が出ているとのこと。北九州で第二波、東京ではアラート出るし。微減しても売上はその後も変わらず推移してたのに、やっぱり不安になりますよね。 宿題の進捗状況をChatworkで連絡してくれた際、そうした不安な気持ちがポロリ。 すぐにMessengerで通話して、まず、取引先に今後の見通しを聞いてもらい、その上で昨晩、急遽打ち合わせしてきました。 二人で確認し合ったのはまず、「最悪の状況」とはどんな状況か。 これはもちろん、注文がゼロになることです。ホント、最悪です。しばらくは起こりそうにはないけど、可能性はゼロとは言えません。 次に確認し合ったのは、その最悪の状況はどれくらい続くのか。 呉服の市場は縮小し、江戸時代以前から続く古い商習慣の残る業界ですが、市場が成立するだけの根強いユーザがいることもまた事実で、お得意様に対面で販売するのが伝統です。ですので、人の往来が多少でも戻りさえすれば、需要が回復することが高い確度で見込めます。であれば、数ヶ月から半年ぐらいではないか。 その次に確認し合ったのは、固定費の洗い出しとその対応をどうするか。 注文がなければ変動費は発生しません。ですので固定費をどうするか、その一つ一つについて話し合っていきました。もちろん私への月々のコンサル料も例外なく。 そうすると、どうしても支払わなければならない固定費がわかりました。(もちろん私へのコンサル料はカットです(ToT)) その金額がわかったときの彼女の安堵した表情。じゃぁ、その金額を毎月どう工面するかを話し合って「最悪の状況」への対応策は終了です。 あとは、7月に東京でもらえたチャンスをどう活かすかをワイワイ楽しく話し合い、「ブチかましてこい!」とエールを送って工房をあとにしました。