ブログ

値引きで始まる消耗戦

値引きで始まる消耗戦

先日の「値引きで失った儲けは値引率の倍以上の売上増でしか取り返せない」には、東京でサービス業の会社を経営されている社長さんから「こうやって数値に落とすとその怖さがわかります」という感想をいただきました。 売値から変動費(仕入れや材料費などの原価)を差し引いた儲けが粗利です。この粗利で固定費(人件費、諸経費)を回収します。つまり、値引きをすると粗利が少なくなるので、その分たくさん売って粗利を稼がなければならないため、固定費を回収するのが大変になってしまいます。その大変さが数値なると怖いですね。 でも、中小・小規模企業にとって取引先からの値下げ要求はつきもの。競合との競争もあれば、輸入品との価格競争にさらされている会社さんもあるでしょう。売値を下げざるを得ないなら、変動費を下げて粗利を確保するか、固定費を下げて少ない粗利でも回収しやすくするか、のどちらかです。 少しでも商品や原材料を安く買えるところを探して変動費を減らす。経費を節約したり、忙しくてもバイトを減らしたりして固定費を削減する。 もうこれは消耗戦です。 となると一番いいのは、価格を下げなくても売れる製品・サービスを持つことになりますが、簡単ではないですよね。

値引きで失った儲けは、値引率の倍以上の売上増でしか取り返せない

値引きで失った儲けは、値引率の倍以上の売上増でしか取り返せない

一番簡単でかつ一番効果があるマーケティング施策、値引き。 仮に、通常売価1,000円、仕入値500円の商品があるとしましょう。この商品を1,000個販売すると、売上100万円、変動費(仕入値)50万円、粗利50万円ですね。 この商品を10%値引きして販売すると、通常売価と同じだけの粗利50万円を稼ぐためには、 粗利50万円 =(売値900円 − 変動費 [仕入値] 500円)× 1,250個となり、250個余分に売らなければなりません。 つまり、変動費率(原価率)50%の場合、 10%の値引き販売で失った粗利を取り返すには、 売上を25%増やす必要があるということです。 5%の値引きでは11.1%の売上増、15%の値引きでは42.8%の売上増が必要ですから、  値引きで失った分の儲けは、値引率の倍以上売上増がないと取り返せない ということになります。 ちなみに沖縄の小売業、製造業に多い変動費率(原価率)60%では、10%の値引き分の粗利は、33%もの売上増がなければ取り返せません。 さらに、卸売業に多い変動費率(原価率)80%では、10%も値引いてしまうとその分の粗利は、100%増すなわち倍の売上が必要となってしまいます。 苦しい時についつい頼ってしまいたくなる値引きですが、ある種の劇薬といえるかもしれません。

採用される側について知ってます?

採用される側について知ってます?

ある社長さんの集まりでブログのネタが何かないか聞いたところ、「採用」というお題をいただきました。 そこで、採用する側ではなく、採用される側のお話を。 一般に人が仕事を探す場合、①求人広告を見るとか人材紹介サービスに登録して探す②知り合いの紹介で探すの2つが大半を占めると思います。 ①の場合、その会社の内部についてはほとんどわからないので、面接の過程で質問して情報を得ていくことになります。私の経験では、内定をもらった後にこちらからもう一度面接をお願いし、自分にとって大切な決め手となる仕事の内容と技術レベルについて、直接会って再確認したことがあります。それでも、実際入社していみると事前に聞いていたのとはずいぶんと違っていた経験があります。 採用にはコストがかかりますので「入ってみたら違った」と感じてすぐに退職されてしまってはかないません。ですので、面接の段階で本人の期待値とのズレを解消しておく必要があるでしょう。 この期待値のズレを少なくする方法として、②があります。かっこよく言えば、リファラル採用というやつですかね。 私がコンサルティング会社に入社したのがコレです。同じプロジェクトで仕事をしていた方から「どう、ウチに来ない?」と誘われました。面接を経て内定をいただきましたが、その会社の人達と一緒に仕事していましたし、雰囲気についても普段の会話で聞いたりしていましたので、緊張しながらも安心して入社することができました。 ①の場合は「入ってみてやっぱりよかったと思う会社」、②の場合は「社員が友人・知人に薦めたくなる会社」でないといけないですよね。社長さん、あなたの会社はどうですか?

経営に活かせる!外交4原則

経営に活かせる!外交4原則

テレビのニュース番組の中で、いま日本に起きている外交問題の解説にあたり「外交4原則」なるものが紹介されていました。中曽根康弘元首相が掲げたもので、国際社会の有識者が評価しているとことです。 一、国力以上の対外活動をしてはならない二、外交はギャンブルであってはならない三、内政と外交を混交してはならない四、世界史の正統的潮流を外れてはならない これ、中小・小規模企業の経営に活かせると思いませんか? 1. 会社の実力以上のことをやってはならない 会社の実力(ヒト・モノ・カネ)以上のムリをしてはいけない、と読み取れないでしょうか。もちろん、多少の背伸びをして成長することは大切です。 2. 経営はギャンブルであってはならない 経営にピンチが訪れた時に乾坤一擲の賭けに打って出ることも必要かもしれませんが、新事業、新商品、新サービス、新規取引など普段からギャンブル的に手を出していたのでは、会社の経営を危うくしかねません。 3. 内部環境と外部環境は混同してはならない 自社のことは自社でコントロールできますが、外部環境のことは自分の会社ではどうにもなりません。内部のことは内部のこと、自分たちではどうしようもない外部のことは外部のこと、と分けて考えなければなりません。SWOT分析を自分でしていただくと、これを混同している方、よく見かけます。 4. 経営の正統的潮流を外れてはならない 時代の変化が速く伝統的な経営のやり方なんて今の時代に通用しない、と言われるかもしれませんが、IPOやM&Aを目指す昨今のスタートアップならいざしらず、みなさんの会社ならどうですか?100年以上続く老舗中小企業の中には家訓をしっかりと守り続けている様子がテレビで紹介されていたりします。近江商人が受け継いできた「三方よし」はもう通用しない時代ですか?経営も基本が大切と思いませんか?

社長の価値観が会社の業績を左右する

社長の価値観が会社の業績を左右する

会社を始めとする組織に働く慣性の力があって、組織文化や風土といったものがある方向に動き始めると、なかなか変えることができず、強まっていきます。社風というものです。 勤めた会社を含め私がこれまでに関わった会社は巨大企業から個人事業まで78社あり、コンサルタントあるいはシステムエンジニアとして客先の会社で社員さんと机を並べて一年ほど過ごすことが大半でした。ですので、業界には業界の風土というものがあるものの、同じ業界でも会社が違うとこうも社風が違うものか、というのを肌で感じてきました。 そんなとき、部長さんや役員さんを始めとする経営層の方々とお話しているとその理由がわかったものです。 現場から上がってくる悪い情報を拒絶する人たちが経営する会社は、隠蔽体質になるという結論も、こうした私の経験から得たものです。 スタンフォード大学のチャールズ・オライリー教授の研究によれば、社風(組織文化)についてこれまでの数多くの研究で論じられていることはだいたい2点に整理できるとのことです。その1つめ。 (1) 社風は、主に経営陣が持っている価値観と行動を反映している 社長の価値観や行動が社風にモロに出ちゃうんですね。裏返すと、社風を見ていればその会社の社長の価値観や行動がだいたい分かっちゃう。 一方で、会社の社風はその会社で働く社員さんみんなの仕事の仕方や考え方、お客様に対する姿勢などに方向づけをしますから「会社の社風が会社の業績に影響を与える」というのはなんとなく理解できるのではないでしょうか。 となると、社風は重要になってきますね。先ほどのオライリー教授による研究結果の2つめ。 (2) 社風は、企業の業績を決める重要な一因 2つをまとめると、社長の価値観が社風に反映し、社風は業績の重要な一因ということですから、社長の価値観が会社の業績を左右するといっても過言ではないですね。