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経営計画の目標、組み立て式になっていますか?

経営計画の目標、組み立て式になっていますか?

前回は「経営計画の定期的な進捗確認をして、目標を達成できても、できなくても、その原因を探りましょう」というお話でした。 原因を探るとき、 なぜ売上目標を達成できたんだろう?なぜ売上目標に届かなかったんだろう? と、やみくもに考えても答えは見つからないですよね。 目標を立てたときの根拠に沿って、何ができていて、何ができなかったか、を検証しなければ答えは見つかりません。 ですから、ただ単に「対前年比○%UP」ということで目標値を決めてしまうと、原因究明ができなくなってしまいます。 目標を構成する要素ごとに 「要素Aは予定通りにできたけれど、要素Bが足りなかったので目標に届かなかった。だから、Aはウチの強みになっているかも。次はBの対策をしっかりやろう」 という分析ができるように、目標は組み立て式にしたいものです。 あなたの会社の経営計画の目標は組み立て式になっていますか?

「できた理由」を見つめる経営

「できた理由」を見つめる経営

更新日:2025年10月25日※本記事は2019年に公開した内容を再構成し、2025年に加筆・更新しました。 目次 なぜ、達成できたのか?経営計画とプロジェクト管理の共通点成功要因を見つけ出すヒント成功を仕組みに変える経営へ 経営計画には、3年の中期計画や5年を超える長期計画など、さまざまなスパンがあります。 でも、社長として一番気になるのは、やっぱり“この1年”──年間計画の達成状況ではないでしょうか。 今まさに実行中の計画の進み具合を確認したり、期末に「今年はどうだったか」と振り返ったり。経営者にとって計画の進捗確認は、日常の一部になっています。 なぜ、達成できたのか? 計画の進捗をチェックしたとき、目標が未達であれば原因を探す。これは当たり前のことです。 でも、目標を達成できたときにはどうしていますか? 「できた理由」も、きちんと見ていますか? 多くの会社では、達成した瞬間に“次の目標”へ頭が切り替わります。けれど、目標が達成できた理由の中には、次の飛躍へのヒントが隠れていることが多いのです。 経営計画とプロジェクト管理の共通点 以前の記事で、「失敗を未然に防ぐのがプロジェクト管理の最大の目的」とお伝えしました。 実は、経営計画の立案から実行までの流れも、まさにプロジェクトそのものです。 目的(=経営目標)を定め、 タスク(=具体的な施策)を決め、 担当を割り当て、 進捗を確認し、 必要に応じて修正をかける。 この繰り返しこそが経営です。 未達を防ぐことが大切なのはもちろんですが、もう一歩進んで「なぜ達成できたのか」を掘り下げることで、組織はより強くなります。 成功要因を見つけ出すヒント 目標を達成できた背景には、きっと何か“良い流れ”があったはずです。 それは偶然ではなく、どこかに再現可能な仕組みが潜んでいることが多い。 たとえば── 社員同士の連携が以前よりスムーズになった 会議の進め方を変えたことで意思決定が早まった 数値管理の方法を見直した 一人ひとりの行動目標が明確になった これらの「できた理由」を言語化し、次の計画に組み込むことができれば、“勝ちパターン”を組織として持つことができます。 それが、継続的に成長する会社の共通点です。 成功を仕組みに変える経営へ 経営は「一勝九敗」とよく言われます。十回挑戦して九回失敗する。けれど、一度の成功をどう活かすかで、その後の九回が変わってきます。 「できた理由」を分析し、チームで共有し、再現できる仕組みに変える。 それは、失敗から学ぶことと同じくらい重要です。 まとめ:次の成長は、成功の内側にある 目標を達成できた瞬間、つい「次はもっと上を」と走り出したくなるものです。けれど、その前に少し立ち止まって、成功の要因を見つめる時間を持ってみてください。 そこには、数字以上の学びがあります。組織の強み、チームの成熟、社員の成長。 成功は、次の成功への地図です。 挑戦を支えるのは、派手なスピードではなく確実さ。そして、その確実さを育てるのは、「なぜできたのか」を問い続ける姿勢なのかもしれません。

成長し続ける会社のちょっとした共通点

成長し続ける会社のちょっとした共通点

これまでに、従業員1万人超、年商数兆円の巨大企業さんから、年商数百万円の個人事業主さんまで、実にたくさんの企業・事業者さんを拝見させていただきました。 大きな企業さんだけど、安定してしまい頭打ち感がでている企業さんもあれば、まだまだ勢いのある企業さんもある。 小さな事業者さんでも同様に、伸び悩んでいる事業者さんもあれば、ガンガン売上を伸ばしている事業者さんも当然いらっしゃいます。 規模も同じ、業種も同じだったりするのにこの違い、なぜでしょう? これまでにおじゃました企業・事業者さんを思い返しているとき、ふと、「ちょっとした違い」に気づきました。 それは、 ミーティングスペース・会議室  と ホワイトボード  が あるかないか。 ミーティングスペースとホワイトボードが、あるにはあっても、「どのような状態になっているか」というのも重要です。 もちろん、なぜなのか牧野なりに分析した理由がありますが、またの機会に。

エースではなく、ローテーションの一人として

エースではなく、ローテーションの一人として

更新日:2025年10月25日※本記事は2019年に公開した内容を再構成し、2025年に加筆・更新しました。 目次 一勝九敗の現実と、プロジェクト管理の本質失敗を防ぎ、確実に進める力「いいくじ引いた」と言われた頃挑戦の裏にある「地味な力」確実を積み上げる人が、挑戦を支えるまとめ:エースではなく、ローテーションの一人として 一勝九敗の現実と、プロジェクト管理の本質 新しいことに挑戦する。それは企業の大小を問わず、どんな組織にとっても成長の源です。新商品を開発する、新規事業を立ち上げる──。そこには、これまでにない試みや不確実さがつきものです。 だからこそ、こうした挑戦は「プロジェクト」と呼ぶにふさわしい。そして、プロジェクトに失敗はつきものです。むしろ、失敗がない挑戦など存在しないと言ってもいいでしょう。 ユニクロの柳井正氏は著書『一勝九敗』の中でこう語っています。 経営は試行錯誤の連続。十回新しいことを始めれば、九回は失敗する。 挑戦とは、そういうものです。けれど、九回の失敗をすべて無駄にする必要はありません。むしろ、失敗を最小限に抑え、次の挑戦へつなげることができれば、それはもう“成功への道筋”の一部です。 失敗を防ぎ、確実に進める力 私が思う「プロジェクト管理」とは、単にスケジュールを守ることではありません。目的を見失わずに、チームを確実に前へ進める力のことです。 挑戦を支えるのは、派手なアイデアやスピードだけではない。むしろ、確実に進める仕組みや、地に足のついた視点の方が重要です。 新しいことを始めると、どうしても“勢い”に流されがちです。計画よりも熱意が先行し、想定外の問題にぶつかる。そのたびに軌道修正が入り、気づけば当初の目的がぼやけてしまう。 だからこそ、プロジェクトには“冷静に地図を描ける人”が必要です。失敗を未然に防ぎ、矛盾を整えながら、静かに進行を支える人。その存在が、挑戦を現実に変えていきます。 「いいくじ引いた」と言われた頃 コンサルティング会社に勤めていた頃、新しいプロジェクトに私が配属されると、担当の執行役員がよく「いいくじ引いた」と言っていました。 それはたぶん、私が“確実にまとめるタイプ”だったからでしょう。 剛速球を投げるエースではない。でも、乱れた試合を立て直し、最後まで形にする。そんな役回りを任されていたように思います。 たとえるなら、エースピッチャーではなく、試合をきっちり作る“ローテーションの大切な一人”。 派手な活躍ではなくても、チームにとって欠かせない存在。プロジェクトの成功率を少しでも上げるために、小さな矛盾を拾い、地味な調整を積み重ねる。それが、あの頃の私の仕事でした。 挑戦の裏にある「確実さ」 経営の世界では、「挑戦」と「スピード」がよく称賛されます。けれど、挑戦を継続できる組織ほど、その裏側に“確実に積み上げる力”を持っています。 挑戦とは、勢いではなく積み重ね。それを支えるのが、プロジェクト管理の本質です。 すべての挑戦が成功するわけではありません。でも、失敗を最小限にとどめ、経験として次につなげることができる会社は強い。 大切なのは、一度の勝利ではなく、チームとして「次も挑戦できる状態」を守ることです。 確実を積み上げる人が、挑戦を支える 私はエースではありません。でも、試合をつくる“ローテーションの一人”として、確実にプロジェクトを前に進めることを誇りにしています。 どんな組織にも、こうした存在が必要です。派手ではなくても、安定して結果を積み上げる人。挑戦のリズムを整え、チームの呼吸を守る人。 ビジョンを掲げる人がいて、それを現実に変える人がいる。 その両方が揃って、会社の挑戦は続いていくのだと思います。 まとめ:エースではなく、ローテーションの一人として 挑戦の数だけ、失敗の数がある。でも、確実を積み上げる人がいれば、その失敗は「次の成功の材料」になります。 だから私は、これからもこう言われたい。 「いいくじ引いた」と。 それが、私にとっての最高の褒め言葉です。