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バスに乗せる人をどう選ぶ?

バスに乗せる人をどう選ぶ?

事業を進めていく上で、目的地がどこかよりも「誰と」のほうが重要だ、というお話を以前しました。(誰をバスに乗せるか) 人手不足で採用を行う事業者さんもいますよね。「誰と」を選ぶ際、自分で一人ひとり面接できればいいのでしょうが、そうもいかない場合はどうするか。 私がかつて経験したケースが参考になるかもしれません。 20代の半ばごろ、ニューヨークに本拠地を置く金融機関の東京支店に勤める元上司(後に仲人さん)に「牧野も来ないか」と誘われたことがあります。 当然「行きます!」なのですが、この会社、採用に際しては、偉い人からの紹介であっても 「配属先となる部署の全員と面談して、全員のOKが出ること」 がルールだそうです。 1860年代に創業し、世界に3万人を超える社員を抱える企業ですが、企業文化を大切に守るための工夫のひとつなんだろうと思います。 で、牧野は受かったのかって? 全部で外国人4人、日本人3人と面談したのですが、誘ってくれた元上司によれば、 「お前、日本人とは合わないけど、外国人ウケはいいみたいだな。あのボスがお前を連れて社内を案内して、しかもトレーディングルームまで見せたそうじゃないか。そんなのお前が初めてだぞ。」 外国の方は全員OKだったようですが、日本人の何人かはNOを出したようです。 そして数年後、「あのあと数ヶ月して、ボスから、やっぱりあいつを連れてこい、って言われたけど、お前、転職した後だったからな。」「え〜! どうしてすぐに連絡くれなかったんですか!?」と、仲人をお願いしたその元上司と私の結婚披露宴で高砂席に座りながら二人で話していました。

過去の延長線上に未来はない

過去の延長線上に未来はない

これまでもこれでやってこれたから、これからもこれでやっていけるだろう。 それってホントでしょうか? 昨日は、理事を務める地元商工会が5年計画で推進する経営発達支援計画の事業評価委員会の委員として、会議に参加してきました。 委員会で報告された今年度の事業計画の中に「経営計画策定セミナー」があったのですが、これが昨年度と同じく4日間のセミナーを1回だけ行うというもの。 私からの意見としては、 計画の作り方をセミナーで教わっても必要性を感じていなければ、セミナーを受けただけで、たぶん計画は作らないだろう。経営計画の策定を根付かせるというのは、商工会会員の経営力を上げる、という経営発達支援計画の目的を達成するためにとても戦略的な目標だといえる。ならば、セミナーの予算を啓発・啓蒙活動に振り向け、必要性を感じた事業者さんには計画策定のサポートを専門家派遣制度で手当てしたほうが、理にかなっている。5年間の前半は啓発・啓蒙活動に取り組み、後半で刈り取る、ぐらいの長期的視点で会員の経営力向上に取り組んでほしい。 という意見を延べさせていただきました。 理事でもあり建設会社の社長でもある他の委員さんからは、経営者の意見として、以下のようなお話がありました。 たしかに、事業計画、経営計画といわれるものを立てないまま経営している事業者が非常に多い。自分も経営計画を立てたほうがいいとは分かっていながら、作っていない。それは、リーマンショックのときのようなしんどい時期があってもなんとか乗り越えて20年、30年と事業計画をつくらなくても、これまでやってこれているからこれからもなんとかなるだろう、と思っているからじゃないのか。 これまでも、これでやってこれたから、これからも、これでやっていけるだろう。 ホントにそうでしょうか? どなたによるものか知りませんが、こんな言葉があります。 過去の延長線上に未来はない また、日露戦争の旅順攻略戦において、最初に立てた作戦に固執するあまり、作戦を長引かせてどんどんと兵士を死なせていく乃木軍作戦参謀たちに対し、児玉源太郎が発したこんな言葉があります。 諸君は過去の専門家であるかもしれん。しかし、明日の専門家ではない。司馬遼太郎「坂の上の雲」文春文庫第5巻 P.99 過去の成功体験(これまでもやってこれた)にしがみついていては変化する明日(これから)は乗り切れない、ということを言わんとしているのだと思います。

誰をバスに乗せるか

誰をバスに乗せるか

一昨日、琉球オフィスサービスさんが開催した Payke 古田CEO と比嘉取締役のトークセッションで感じたことをもう一つ。 会場から質問があり、「起業して2年経ち、現在も一人でやっているが、スタッフを入れたいと思っている。古田さんが採用のときに気をつけていることは何ですか?」というものでした。 この質問に対し、古田CEOは「最初に入れるメンバーは会社の空気を作る人達になるから、選びに選んだほうがいい。少しでも引っかかるところがあれば、その人は見送ったほうがいい」と答えていました。 この古田CEOの話を聞いていて私の頭に浮かんだフレーズが だれをバスに乗せるか ジェームズ・コリンズ著「ビジョナリー・カンパニー 2」の第3章のタイトルです。 ビジネス書の古典的名著になりつつありますね。その第3章から一部を抜き出します。(66ページ5行目〜67ページ4行目) 偉大な企業への飛躍をもたらした経営者は、まずはじめにバスの目的地を決め、つぎに目的地までの旅をともにする人びとをバスに乗せる方法をとったわけではない。まずはじめに、適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、その後にどこに向かうべきかを決めている。要するに、こう言ったのである。「このバスでどこに行くべきかは分からない。しかし、分かっていることもある。適切な人がバスに乗り、適切な人がそれぞれふさわしい席につき、不適切な人がバスから降りれば、素晴らしい場所に行く方法を決められるはずだ」飛躍を導いた指導者は、三つの単純な真実を理解している。第一に、「何をすべきか」ではなく「だれを選ぶか」からはじめれば、十キロほど走ったところで行く先を変えなければならなくなったとき、どうなるだろうか。当然、問題が起こる。だが、人びとがバスに乗ったのは同乗者が気に入ったからであれば、行く先を変えるのははるかに簡単だ。「このバスに乗ったのは、素晴らしい人たちが乗っているからだ。行く先を変える方がうまくいくんだったら、そうしよう」。第二に、適切な人たちがバスに乗っているのであれば、動機付けの問題や管理の問題はほぼなくなる。適切な人材なら厳しく管理する必要はないし、やる気を引き出す必要もない。最高の実績を生み出そうとし、偉大なものを築き上げる動きにくわわろうとする意欲を各人がもっている。第三に、不適切な人たちばかりであれば、正しい方向が分かり、正しい方針が分かっても、偉大な企業にはなれない。偉大な人材が揃っていなければ、偉大なビジョンがあっても意味はない。(コリンズ, ジェームズ (2001)『ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則』山岡洋一訳, 日経BP社 pp.66-67.) 経営者のみなさんいかがです? 起業間もない経営者さんにとってはとても示唆に富む内容ですね。 また、長く経営されている方にとっても、採用がいかに大切か再認識されると思います。 一方、お勤めの方にとっても、自分が間違ったバスに乗っていると感じていれば、降りて別のバスを探したほうがいい、ということになるでしょうか。 経営者のみなさん、適切な人たちをバスに乗せていますか? お勤めのみなさん、自分に適したバスに乗っていますか?

ロイヤルティーとコスト

ロイヤルティーとコスト

昨日、株式会社琉球オフィスサービス(藤本和之社長、沖縄県浦添市)さんが開催した株式会社Payke 古田CEOと比嘉取締役のトークセッションに行ってきました。 席につくと、各席にミネラルウォーター、スタバのドリップコーヒー、チョコレートケーキとスコーン、が置かれていてびっくり! 無料のセミナーですよ!会場のキャパとしては200人ぐらいでほぼ満席!自社のお客さん以外の方も招いているのに! ある女性がこう表現していました。 お水 → 満足 スタバ → 感動 ケーキ → 衝撃 こりゃ、ファンになりますね(^^)と。 はい、私もファンになっちゃいました。 Paykeのお二人のトークセッションも素晴らしい内容でした。そのお二人を呼べてしまう藤本社長もすごい。 セミナーの内容とおもてなしで、参加者のかなりの方々が琉球オフィスサービスさんのファンになったことでしょう。 セミナーの運営は一切を社員さんに任せ、冒頭の主催者挨拶も含め、藤本社長は一切出ずに裏方に徹する。このあたりもニクイ。 琉球オフィスサービスさんでは、フリーランチと称して社員さんのお昼を会社が負担しています。 でも、藤本社長によれば「ひと月あたりのコストは経営全体から考えれば大きなものではく、様々なメリットを考えれば安い」とのことです。 で、昨日のセミナーの一人あたりのおもてなしにかかる費用をざっくり計算したんですけど、これくらいの費用で自社のファンができれば、琉球オフィスサービスさんにとってみれば十分にPayするんじゃないか、と。 藤本社長、すごい!まさに、藤本マジック♪

長年続けているその仕事、存在理由を説明できます?

長年続けているその仕事、存在理由を説明できます?

設立して何年も経った会社には、昔から引き継がれている仕事がいくつもあるはずです。 退職者から引き継がれる、人事異動の際に引き継がれる、などして何年も続いてきた仕事が。 でも、なぜその仕事が存在するのか理由を説明できますか? その仕事が始まってから何年も経ったいまの会社の状況でも必要なものですか? 創業20年を超える沖縄県内の小売業さん。閉店後のレジ締めにとても時間がかかっていました。 とある項目の集計に30分も費やしていたことが原因です。 それは20年以上も続いている集計項目で、様々な売上分析ができるPOSレジが導入されているにも関わらず、その集計だけがPOSレジではできず、電卓で集計していたんです。 なぜその集計項目が必要なのかその理由を探っていくと... 先代の経営者が創業後しばらくしてその項目の集計を命じて毎日報告させていたものの、その後の経営環境の変化で必要性がどんどん薄れ、二代目にバトンタッチされた現在では完全に不要な集計項目だとわかりました。 速攻で二代目から先代にお伺いを立て、了解をもらった上で、即日その集計は廃止しました。 おかげで毎日のレジ締めが早く終わり、従業員も集計のための残業をせずに早く帰れるようになりました。 社歴の長い会社の経営者さん、特に先代から経営のバトンタッチを済ませている企業さんは、昔からある仕事がいまも必要かどうかチェックするとともに、仕事を引き継ぐときはその仕事が必要な理由についても引き継ぐようにしてはどうでしょうか。