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よい社風は大切な資産です

よい社風は大切な資産です

それぞれの会社ごとに職場の雰囲気っていうのがありますよね。社風というんでしょうか、組織文化というのでしょうか。 それって資産ですよ。 沖縄県による知的資産経営の普及事業で、とある会社における知的資産経営計画の作成をサポートさせていただいたことがあります。 社長をはじめとするプロジェクトメンバーの方々とお話を進めていくと、この会社を辞めて同業他社へ転職した後、向こうを辞めて再びこの会社へ戻ってきている方が、メンバーの中に二名いらっしゃいました。 このお二人になぜ戻ってきたのか理由を聞くと「外へ出てみてわかったが、社長が社員を大切にしてくれているのがわかった。風通しもよく、社長に意見が言いやすいし、意見を聞いてくれる。だからなのか社員同士の雰囲気もいいので働きやすい」というものでした。これを聞いた他のメンバーの方々も口々に同意見。(このときの社長、目がウルウルしていました) もう少しツッコんで聞いていくと、こうした組織風土を反映してか、社員の定着率が他社よりも高いことがわかってきました。 この会社は土木関連の事業を営んでいます。同業他社は外注で仕事を回すことが多いのに対し、この会社は社員の定着率が高いので内製化率が高く、そのためサービスの質が維持できていて顧客満足度の高さにつながっているのだとわかってきたのです。 組織の文化や風土が会社の目に見えない資産だということがおわかりいただけたでしょうか。

補助金などに採択され完璧だと思っていた「ビジネスプラン(事業計画書)」の問題点について経営の専門家がわかりやすくアドバイス

補助金などに採択され完璧だと思っていた「ビジネスプラン(事業計画書)」の問題点について経営の専門家がわかりやすくアドバイス

https://youtu.be/mq2HpzCZhRs 金城プロモーションの金城昌之さんが新たなチャレンジとして「自分が好きな人を紹介する」ってことを始めるあたり、トライアルとして私の紹介動画を作っていただきました。金城さんの質問に答える形で2時間半を超えた撮影が10分程度の動画5本に編集されています。これは第1弾。 金城昌之さん:沖縄県指定無形文化財びん型技能保持者 金城昌太郎氏の長男。父の作ったびん型をひろく知ってもらおうと、脱サラして金城昌太郎びんがた工房のプロモーション活動を行っている。

強者の戦略。しかし、強者といえども…

強者の戦略。しかし、強者といえども…

「値引き」は売上を上げるためについつい手を出してしまう麻薬のようなものだと先日お伝えしました。「値引き」はマーケティング上「簡単で、効果を出しやすい」というのがその理由でした。 スタッフに対して単純に「売上を上げよう」というだけの指示を出していると、現場では値引きに頼る傾向があります。なぜなら「簡単で、効果を出しやすい」から。 スタッフは考えなくていいですもん。「セール」「特売」とかを打ち出せばいいわけですから。効果が出やすいマーケティングの施策ですから、売上が上がる確率は高いです。すると、また次も、そのまた次もと次第に回数が増えていきます。 まず、値引きは粗利が減りますので、自分の体力が削られます。ですから、値引きは体力のある大手の戦略だということを理解してください。 もうひとつ、「値引き」をバンバン打ち出していると、その効果も薄れてくるということも忘れないでください。 ユニクロはかつて週末になると「期間限定」と称して値下げしていたのを覚えている方も多いと思います。すると、平日にお店に立ち寄ったときに「どうせ週末になると値下げするからそれまで待とう」と買わずに帰った経験、ありませんか? あるいは、ミスタードーナツの「100円ドーナツ」。頻繁にやるので、ドーナツは100円が買う当たり前になってきてしまい、大好きなゴールデンチョコレートを食べるのに130円は「高ッ」って感じるようになった経験、ありません? 両社とも業績に影響して戦略の変更を迫られました。 値引きは体力にモノを言わせる強者の戦略。強者といえども値引きに頼りすぎると効果が薄れる。だから、中小・小規模企業は値引きを主要戦略にしてはいけません。

リーダーにとって最も大切な仕事

リーダーにとって最も大切な仕事

Cafe やぶさちの大城直輝社長とジョイントで開催したセミナー「サンエーの部門記録を塗り替えた経営戦略と居酒屋で誰とでも仲良くなれる人たらし術」では、大城さんから経営にまつわる大変興味深いエピソードをいくつも聞くことができました。 その中から一つ。 為又シティーに異動して半年で部門記録を塗り替えた大城さんは、たった8ヶ月で宇栄原店に異動となりました。当時の宇栄原店は2階に衣料フロアがあり、その店長への昇進です。まだ25歳。しかしながら、当時の宇栄原店は1階の食料品は好調な黒字店舗でしたが、2階は衣料フロアとしては規模が小さく、近隣の競合店に押されて長年ずっと赤字が続いているお店だったんです。 異動に際して前任者からの引き継ぎで、とんでもない量の売れ残り在庫を目にします。マイナスからのスタートを悟った大城さんは、せめてゼロからのスタートにしたいと、在庫の損切りを社長に直訴しました。 それを聞いた上地社長はすぐにお店にやってきます。倉庫を見た社長は大城さんを叱責するどころか、その場で全バイヤーを宇栄原店に緊急招集し、カミナリ一閃。「この在庫を見ろ。お前たちが買い入れた商品がこんなに余っている。直ちに販売力のある大型店へ移して売り切れ!」 自分の権限の限界を超えた問題を隠さずに、すぐに上司に報告した大城さんの姿勢も見事です。 さらに、上地社長の対応も見事でした。この場合、店長から社長への報告・相談のルートが用意されていたことがまずひとつ。そして一店舗では解決のしようがない問題が上がってきたとき、上地社長はその店長を叱責することなく全店舗に協力させて解決しようとしています。 私が考えるリーダーにとって最も大切な仕事のひとつは、メンバーにとって手に余る問題つまりメンバーに与えた権限では解決できない問題を解決してやることです。そのために、メンバーがひとりで抱え込まない環境を用意してやることも重要な仕事です。 上地社長と大城さんのこのエピソードは、まさにこれを物語っています。

モノを言うのはノウハウ

モノを言うのはノウハウ

会社の強みとなる目に見えない資産(=知的な資産)には、当然「ノウハウ」も含まれます。 会社の中で工夫を重ねるうちに生まれたノウハウ。これは、外部からはわかりにくく、また、長い時間と試行錯誤を経て生まれたものであればあるほどマネがしにくいものです。 例えば、石垣島のある木工所さん。石垣島も人手不足。パート・アルバイトの求人を出してもめったに応募がないそうです。そんな中、社長さんがFacebookで自分のタイムラインにパート・アルバイトさんの求人内容を書き込んだところ、書き込んだ当日から3日間でなんと8人の工場見学の申し込みがあったそうです。それもそのはず、出勤日・勤務時間が「いつ来ても、いつ休んでも、何時に来て、何時に帰ってもOK!」というものなんです。しかも、累積した勤務時間によって時給がいくらになるのか昇給も明確! 「そりゃぁ、そんな好条件なら人がいっぱい集まるよ」って思いますよね。 でも、ちょっと待ってください。あなたの会社で、たとえパート・アルバイトとはいえ、「いつ来ても、いつ休んでも、何時に来て、何時に帰ってもOK!」なんて条件で人を雇えますか? この木工所では、パート・アルバイトさんの勤務はこの条件で長年経営しており、中には年に数日しかも数時間だけしか出勤しない方もいるそうです。 そんな、いつ来ていつ帰るかもわからないパート・アルバイトさんを使って仕事を進められるように、この会社では正社員さんの仕事のやり方に工夫を重ねてきています。これってこの会社のノウハウですよね。それも簡単にはマネのできない。 あなたの会社には、簡単にはマネのできない、強みとなるノウハウがありますか?